【ポジション別ランキング:先発投手】若手からベテランまで多種多様な顔ぶれ。1位の昨季“投手七冠”の山本由伸に続くのは?<SLUGGER>

【ポジション別ランキング:先発投手】若手からベテランまで多種多様な顔ぶれ。1位の昨季“投手七冠”の山本由伸に続くのは?<SLUGGER>

現役最強投手は文句なしに山本(左)。他にも千賀(左上)や柳(左下)ら好投手が目白押しだ。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)、徳原隆元

今、それぞれのポジションで最強選手は一体誰なのか? 昨季の活躍やこれまでの実績などを基にランク付けした。今回は先発投手編だ。

▼1位 山本由伸
2021年成績:26登板 18勝5敗 193.2回 206奪三振 防御率1.39

▼2位 大野雄大
2021年成績:22登板 7勝11敗 143.1回 118奪三振 防御率2.95

▼3位 千賀滉大
2021年成績:13登板 10勝3敗 84.2回 90奪三振 防御率2.66

▼4位 柳裕也
2021年成績:26登板 11勝6敗 172.0回 168奪三振 防御率2.20

▼5位 青柳晃洋
2021年成績:25登板 13勝6敗 156.1回 104奪三振 防御率2.48

▼6位 菅野智之
2021年成績:19登板 6勝7敗 115.2回 102奪三振 防御率3.19

▼7位 森下暢仁
2021年成績:24登板 8勝7敗 163.1回 132奪三振 防御率2.98

▼8位 上沢直之
2021年成績:24登板 12勝6敗 160.1回 135奪三振 防御率2.81

▼9位 宮城大弥
2021年成績:23登板 13勝4敗 147.0回 131奪三振 防御率2.51

▼10位 則本昂大
2021年成績:23登板 11勝5敗 144.2回 152奪三振 防御率3.17
 他ポジションよりも多いトップ10形式だけに、本格派に技巧派、若手・中堅・ベテランまでさまざまなタイプの投手がランキングに入った。

 なかでも、山本を1位から外す理由は見当たらない。昨季は最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率と先発投手のタイトルを総なめ。リーグ最多の6完投・4完封・193.2イニングを併せた2リーグ制初の“投手七冠”にも輝いて、MVPと沢村賞をダブル受賞した。

 K/BB5.15もリーグベストで、被OPS.472も3年連続1位と打者を牛耳り続けている。これまでは終盤に故障する機会が多かったが、食事改善にも取り組んだ昨年は東京五輪にも出場しながら初めてシーズンを完走。クライマックス・シリーズでの無四球完封勝利に続き、日本シリーズでは白星なしも第6戦は9回を投げ切った。進化を続ける23歳は今季も開幕3連勝スタートと、まさに「完全無欠」の様相を呈している。

 全体的に衰えが見られる同世代の投手たちを尻目に、大野は30代になった19年以降の充実が目覚ましい。昨季はリーグ最多11敗と援護に恵まれなかったが、防御率2.95はリーグ3位。沢村賞を受賞した前年ほどの勢いはなくとも、K/BB4.54はリーグベストの数字を残した。力で打者を封じ込めるタイプでもないため、年齢による衰えにもそれほど懸念はなく、今後数年にわたってランキング上位へとどまっても不思議はない。

 3位の千賀は昨季、左足首の靭帯損傷で僅か13先発と不本意なシーズンを過ごした。例年より奪三振のペースも落ちたが、与四球率は前年の4.24から2.87へと大きく制球を改善。8月以降は11試合連続3失点以下と安定したゲームメイクで6年連続2ケタ勝利は死守した。160キロを超える速球やフォークの切れ味は健在で、被打率.196や被OPS.533は規定投球回に達していれば山本に次ぐリーグ2位の水準。今季も好調な滑り出しを見せている。 4位と5位には、セ・リーグのタイトルホルダーが並んだ。柳は最優秀防御率と奪三振のタイトルを獲得。多彩な球種の投げ分けをさらに細分化させて、いずれもリーグベストの被OPS.590、奪三振率8.79、被本塁打率0.58を記録と飛躍した。青柳は前年のリーグ最多敗戦から最多勝&最高勝率とジャンプアップ。ゴロを量産する持ち味を発揮し、シーズン終盤ま柳と防御率1位争いを繰り広げた。

 この企画が過去にもあれば、菅野は1位に複数回立っていたはずだが、昨季は本領を発揮できず6位にとどまった。4度の登録抹消とコンディションが万全ではなく、球速も低下。前年から被本塁打率0.52→1.17と倍増して、防御率が1点以上も悪化した。巻き返しを図るプロ10年目は球団歴代最多8度目の開幕マウンドに立ち、同最多の5勝目を手にした。

 森下はプロ入り1年目が防御率がリーグ2位で、昨年も4位にランクイン。昨季は奪三振率と与四球率がリーグ平均程度の数字まで落ちたが、侍ジャパンの先発も任された。ランキング5位以内も狙える完成度の高さは実証済で、年齢的に先発部門の常連にもなれそうだ。

 昨季の上沢は勝利、投球回、防御率のいずれもリーグ3位で、被打率.208と被本塁打率0.45は同2位の上質な投球。新生・日本ハムの大黒柱として“ガラスのエース”を返上できれば、さらに上の順位も望める。“BIGBOSS”こと新庄剛志監督が打ち出した中5日ローテに果たして適応できるか。
 21世紀生まれでは、宮城が唯一のランクイン。昨季は年齢離れしたマウンドさばきを披露し、いずれもリーグ2位の勝利数、勝率、防御率を記録して新人王に選ばれた。佐々木朗希(ロッテ)ら金の卵が揃う同世代をまずは一歩リードした形だが、今季は開幕2連敗とやや精彩を欠いている。

 則本は2019年に右ヒジへメスを入れてからピーク時の馬力こそ失ったが、昨季は手術後初の完封勝利を達成し、最速158キロも計測。徐々に変化球を増やす投球にシフトしながら、リーグ2位の奪三振率9.46とかつての水準に近付けている。

【惜しくも圏外だった選手たち】

 楽天の岸孝之と田中将大は、もう一押しが足りず。大瀬良大地(広島)と今永昇太(DeNA)もフル稼働できれば、トップ10入りは十分可能な実力者だ。

 昨季の新人王レースを沸かせた伊藤大海(日本ハム)や早川隆久(楽天)も、2年目の今季次第で来年のランキングに入って不思議はない。

 チームどころか日本代表のエースになれる器の奥川恭伸(ヤクルト)と完全試合達成の佐々木朗希(ロッテ)が、初のフルシーズンでどれだけの成績を残せるかも今季の大きな注目ポイントだ。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。

関連記事(外部サイト)