「疲れているから休ませるは反対」――落合博満が故障者相次ぐ野球界に語りかけた持論。「出続ける方が大事」

「疲れているから休ませるは反対」――落合博満が故障者相次ぐ野球界に語りかけた持論。「出続ける方が大事」

現役時代には卓越した打撃センスで、3度の三冠王に輝いた落合氏。そんなレジェンドが“球界のいま”を斬った。写真:産経新聞社

唯一無二となる3度の三冠王を手にしたレジェンドが、球界に“苦言”を呈した。元中日ドラゴンズ指揮官の落合博満氏だ。

 引退後に7年間にわたって指揮を執った中日で日本一にも輝いた名将は、5月8日に放送されたNHKのサンデースポーツに生出演。開幕から1カ月が経過したプロ野球で、各球団の主力選手の故障が相次いでいる現状について「練習不足かなという気がする」と語った。

 プロ野球の酸いも甘いもかみ分けるレジェンドらしい言葉が飛んだ。番組中に「ちょっとケガ人が多いかなという気がします」と語りだした落合氏は、菅野智之、坂本勇人(ともに巨人)や、近藤健介(日本ハム)など離脱者が出ている各球団の現状を危惧。「ゲーム中にデッドボールとか自打球とかは不測の事態で、それで抹消するケースはある」としたうえで、「肉離れとかは練習不足なのかな」と指摘した。

 中日監督時代に、「12球団で一番厳しい」と言われた練習法を取り入れていた落合氏は、「シーズン通して休ませたのはオールスターの2日間だけ。あとは、ベテランも若手も移動日とかなんかでも必ず練習させていました」と当時を振り返り、「技術を上げるとともに体力的に強化していくっていうものが主体だった」とキッパリ。ケガのリスク管理については、「(選手が)疲れているから休ますことは、私は反対です」と持論を披露した。
「レギュラーであれば、疲れをどうやって克服していくかっていうノウハウを持っている。ベテランは(シーズンの)後半になったら、3、4打席終わってベンチで休ませるような方法をとることもあるけど、出続けるということの方が大事だと思う」

 さらに「1回休んでしまうと、身体がそれに慣れてしまうので、その後に9回までいけとなるとしんどい思いをする」と論じた落合氏は、「野球選手は本能で動くから、無理だなと思っても、本能でいくとけがをするリスクが高まる。できるのであれば休ませたくはない」と経験に基づいた私見を語った。

 試合数の増加に伴う身体的負荷も増えているとされる昨今の野球界。そのなかで選手起用に関してはさまざまな意見があるが、落合氏の意見は一考に値する興味深いものだった。

構成●THE DIGEST編集部

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