出番激減中のロッテ田村獲得、将来のため首位打者の松本放出も? 新庄ビッグボスにオススメしたい「4つのトレード案」<SLUGGER>

出番激減中のロッテ田村獲得、将来のため首位打者の松本放出も? 新庄ビッグボスにオススメしたい「4つのトレード案」<SLUGGER>

上り調子になってきたとはいえ、まだ最下位に沈む日本ハム。ビッグボスが言うように本当にトレードを仕掛ける可能性はあるのだろうか。写真:THE DIGEST写真部

「ドラフトというよりトレード。どんどんできたらなと。7対7くらい。大型すぎるでしょ(笑)」。5月上旬、日本ハムの新庄ビッグボスはこのように発言した。トレードの権限が監督にあるわけではないし、あったとしてもこのレベルの大型交換劇はまず実現しないだろう。だが1対1の個別案件でなら、「トライアウト」で実力を見定めたのちに仕掛ける可能性はある。

 現実に成立するかどうかはともかく、日本ハムにとっても相手にとっても検討する価値がありそうなトレードを4件提案してみよう。
▼1
高濱祐仁←→田村龍弘(ロッテ)

 現状の日本ハムで最大の弱点は、何年も固定できずにいる捕手。だが、他球団の正捕手をシーズン中にトレードで獲得することは不可能で、かといって控えレベルでは背比べをするドングリの数が増えるだけ。レギュラー級の力がありながら出番を失っている選手となると、高卒新人の松川虎生に正捕手の座を明け渡し、二軍暮らしに甘んじている田村が浮かぶ。 2015〜19年は毎年100試合以上出ていた実績があり、28歳とまだ老け込む年齢でもない。日本ハムにとって、宇佐見真吾と競わせるには最適な人材だ。マリーンズ側からしても、捕手は松川以外に佐藤都志也、加藤匠馬、柿沼友哉がいて、田村が抜けてもそれほど困らない。経験豊富な捕手を同一リーグに出すのが嫌でなければ、推定年俸6500万円の選手を塩漬けにしておく理由はない。

 交換要員は、ロッテの深刻な打力不足を解消できる選手として高濱を挙げたい。昨年は主に一塁で107試合に出場し、96安打、8本塁打とパンチ力を発揮したが、今季は清宮幸太郎が優先的に起用されていて出番を失っている。ロッテは昨年まで兄の卓也がいたこともあり、すんなり溶け込めるはずだ。

▼2
清水優心←→細川成也(DeNA)

 もし田村が獲得できたら、かつて正捕手候補だった清水があぶれることになるので、このトレードも検討したい。昨年もチーム最多の98試合にマスクをかぶったが、今季の出場は5試合だけ。とはいえまだ26歳と若く、素材そのものは強肩強打で、環境を変えれば飛躍する可能性はある。セ・リーグはどこも正捕手がほぼ固定されているが、唯一の例外はベイスターズ。ここも数年にわたって捕手難に苦しんでいて、準レギュラー級の実績がある清水に興味を持つかもしれない。 交換要員は、こちらもDeNAで期待されながら伸び悩んでいる細川ではどうか。確実性に欠ける右の大砲で外野手、という点は万波中正や今川優馬とかぶっているけれども、タイプ的にはセ・リーグよりパ・リーグ向きに思える。大田泰示の加入もあって、DeNAの外野陣は明らかに人員過多となっているだけに、細川以外の外野手とのトレードもあり得るだろう。

▼3
渡邊諒または中島卓也←→糸原健斗(阪神)

 開幕当初、日本ハム以上に負けが込んでいた阪神で、とりわけファンの批判の矛先が向かっていたのが糸原だった。もともと守備力の低さが指摘されていたが、今季は打撃も低迷。5月に入って上昇してはいるものの、トレードを望む声が少なからず聞こえていた。

 仮に阪神が糸原放出を打診してきたら、交換要員はまず渡邉が考えられる(現在は故障中)。同じ二塁手であり、長打力は渡邉が上で、年齢も30歳の糸原より3歳若い。右打ちである点もバランスが良くなりそうだが、残念ながら守備に難があるのは糸原と同じだ。内野守備に弱点を抱える阪神からすれば、打撃はまったく期待できないけれども、二遊間の守りと足で貢献できる中島の方を好むかもしれない。 日本ハムが糸原を獲得するメリットは、通算.350を超える出塁率の高さ。今季は積極的な打撃を推奨するビッグボスの方針もあって、四球数はリーグ最低にまで落ち込んでいるので、その点を改善できる可能性を秘めている。守備には多少目をつむってでも、獲得する価値はあるのではないか。

▼4
松本剛←→金久保優斗(ヤクルト)

 炎上間違いなしの案件だ。5月18日時点で打率.377はリーグトップであり、近藤健介が離脱中で唯一計算できる松本をトレードに出すなど、普通はあり得ない。

 しかし、今季の日本ハムは優勝できる確率は限りなく低い。そして松本も、過去の実績(10年間で通算打率.248)からすると、これほどの好調さをキープできる可能性もこれまた低い。言い換えれば、今が一番の売り時なのだ。 再建途上のチームが数年後を見据えて、商品価値の高い選手を若手と交換するトレードは、メジャーリーグでは普通に行われ、むしろそうせず拱手傍観している方が批判される。メジャー流の球団経営を志向する日本ハムのフロントならば、そのような大胆な考えを持っていても不思議ではない。

 今、松本を最も必要としているのは、セ・リーグ首位を走るヤクルトか。チーム打率は.232の低さで、しかも外野陣はサンタナが故障で帰国、青木宣親も不振。連覇を目指して松本を取りに行くなら、現在22歳で将来性も高い金久保は必要な犠牲ではないだろうか。
  日本ハムの外野は近藤の他、万波、今川、淺間大基に故障中の五十幡亮汰もいる。今季はともかく、長期的には松本が抜けても影響はそれほどないはずで、金久保が加われば若手投手の層も厚くなる。ファンの反発を考えれば実現はしないだろうが、これくらい思い切った手を打つなら日本ハムの改革への意欲は本物だ。

文●出野哲也
【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。

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