MLBから熱視線が送られる山本由伸の“リアル評”。メジャーでの将来像、スカウトが抱いている疑問符とは?<SLUGGER>

MLBから熱視線が送られる山本由伸の“リアル評”。メジャーでの将来像、スカウトが抱いている疑問符とは?<SLUGGER>

NPB最高の投手と位置付けられている山本だが、MLB移籍にはいくつかの“疑問符”があるようだ。写真:塚本凜平(THE DIGEST写真部)

山本由伸(オリックス)は現在、日本で最高の投手だ。昨シーズンは勝利(18)・防御率(1.39)・奪三振(206)・勝率(.783)・完封(4)の五冠を獲得した。コマンドも、速球やカッター、スプリッター、カーブの球威も「プラス」評価をつけられる。力強い球を放り、変化をつけ、そして狙ったところに投げ込む能力も備えている。

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 彼の投球は、スカウトたちにサイ・ヤング賞2度のジェイコブ・デグロム(メッツ)、そして2000年代後半〜10年代前半にかけてジャイアンツで活躍したティム・リンスカムの姿を思い起こさせているようだ。

 デグロムの名を挙げたスカウトたちは、速球と変化球のクオリティーとその活用法に共通点を見出している。デグロムはスライダー、チェンジアップ、カーブ、一方の山本はカッター、スプリッター、カーブをうまく使いながら打者を牛耳っている。また、山本のマウンド上での落ち着きぶりやボディランゲージもよく似ているという。
 「トータルの能力が高く、かなり興味深い投手だ。球速、コマンド、各球種の球威と変化量も素晴らしい」 

 08〜09年にサイ・ヤング賞を獲得したリンスカムとの類似点を挙げるスカウトもいた。小柄で痩身の体格と、極めて強力な変化球のためだ(リンスカムはカーブとチェンジアップが決め球だった)。

「ここで私が言うリンスカムは、ジャイアンツで10年と12年に世界一になった時のリンスカムだ。3回目(14年)のリンスカムじゃない。あれだけ小柄な投手がどれだけ支配力を維持できるのか、チームは懸念している(注:リンスカムの全盛期は短く、30歳を前にピークを過ぎた)」

 山本のメジャーでの将来像についてのスカウトの見方は、エースから先発3番手と分かれているが、中間の先発2番手が最も妥当なところだろう。山本がMLBでもエースになれるかどうかは、身体的な能力の問題ではない。MLBの長く過酷なシーズンに耐え得るだけの肉体をビルドアップできるかどうか、マウンド上での心構えを変えられるかどうかにかかっている。「あの体格は間違いなくマイナス材料だろう」

「今は文句なしだが、何年間もワークホースとして投げ続けた後にどうなっているだろうか?」

「槍投げのような風変わりな練習法は取り入れているが、彼はウェイト・トレーニングをしない。このことはアメリカではマイナスに働くだろう。日本の先発6人ローテーションだと、休みが1日長いし、ベンチ入りしなくても済む日も増える。これは肉体的にはかなり大きい」

 あるスカウトは、山本はあまりにも能力が高く、自信にあふれているため「テクニックに頼ろうとして、ゾーンでしっかり勝負していない」と指摘する。「もっと効率的なピッチングができるはずだ。パーフェクトな投球にこだわりすぎている」
  そもそも、オリックスがポスティングを認めるかという点も不透明だ。昨年、山本は将来MLBでプレーしたいという意思を表明した。このまま順調に行けば、山本は23年オフにMLBが定めるインターナショナルFA(25歳&外国リーグ在籍6年)の資格を満たす。

 オリックスは過去にもポスティングを認めたことはあるが、2000年オフのイチローが最後だった。山本自身が望むタイミングでアメリカ行きを果たせるかどうかはまだ誰にも分からない。

文●ジム・アレン

※スラッガー責任編集 NSK MOOK『2022プロ野球ベストプレーヤーランキング100』より転載

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