ヤクルト石川雅規さらなる進化へ――200勝を目指す42歳が“令和のハイテク”を駆使するワケ

ヤクルト石川雅規さらなる進化へ――200勝を目指す42歳が“令和のハイテク”を駆使するワケ

“カツオ”の愛称でファンに親しまれる石川。頼もしいベテラン左腕はまだまだ歩みを止めない。写真:徳原隆元

「長年やってきただけです。たまたまです……」

 プロ21年目、42歳を迎えた東京ヤクルトスワローズ・石川雅規の記録ラッシュが続いている。4月23日の対阪神タイガース戦では、今季初勝利をマーク。入団1年目からの21年以上連続白星は史上3人目、左腕ではあの金田正一を抜いて史上初となった。あるいは、6月9日の対オリックス・バファローズ戦では、今季3勝目を記録して交流戦最多となる27勝で単独トップに躍り出ると同時にプロ通算180勝の節目を迎えた。

【動画】42歳石川と19歳内山の“23歳差”バッテリー!安定した投球でチームを勝利に導く

 そして、6月19日の対広島東洋カープ戦で記録した今季4勝目は、神宮球場最多タイとなる91勝となり、「昭和のエース」松岡弘と肩を並べることとなった。さらに、通算3000投球回も残り2回1/3(6月21日時点)となり、次回登板での達成が見込まれている。これは金田正一、松岡弘に次ぐ球団史上3人目の大記録となる。

 今シーズンキャンプ中にインタビューしたときには「体調はすごくいいです」と語っていた。開幕直前、そして開幕後に話を聞いたときにも、「今はすごくコンディションがいい」と話している。思えば、昨年は開幕直前に下半身のコンディション不良のために、プロ入り以来初となる「開幕二軍」という屈辱を経験した。

 だからこそ、今年は万全に万全を重ねる慎重なコンディション維持に努めている。昨年6月からはフィンランドのオーラ社が開発した指輪型の活動量計「オーラリング」を利用している。これを指にはめることで体温、心拍数、消費カロリー、睡眠の質が数値化され、自身の体調管理が容易となったという。
 「試合以外は、練習のときもお風呂に入るときも、寝るときもずっとつけています。《睡眠95》、《コンディション93》とか、100点満点で数値化されるんです。今ではヤクルト内でも多くの選手がつけていますよ」

 石川の話を聞いていて、「ぜひ試してみたい」と思い、公式サイトから購入してみた。極端に進む円安のために、石川が購入した時点よりもかなり割高となってしまったものの、確かに自分の体調を数値で理解できるということはなかなか面白い。寝不足や二日酔いのときには極端に数値が悪化するし、適度な運動をして、早寝早起きをして快適な目覚めのときには数値も良化している。
  さらに、「疲れ気味なので早めの就寝を」「前日の疲労が回復していないので、今日はあまり無理をしないで」などの適切なアドバイスも参考になる。石川が笑った。

「そうなんです。このリングをはめてからは、“点数を良くするために今日は早めに寝よう”とか、“今日はお酒は控えようか”とか、ときどきオーラリングに生活を支配されているような感覚になりますよ(笑)」

 このリングに加えて、大谷翔平も愛用しているという「ゲームレディ」という最新ケアアイテムも導入している。これは、患部を圧迫しながらアイシングするギアで、圧迫から解放された後には血流がよくなり、疲労度もかなり軽減するという。自宅寝室でのマットレスも自身に合うものを利用している。

「少しでもピッチングがよくなるためならば、最新のアイテムを貪欲に採り入れて積極的に活用することはとても大切だと思います。気持ちのスタミナと身体のスタミナのコンディションが一致しないと、一軍のマウンドには立てないと思います。それさえうまくできれば、もっともっと結果はついてくると思っています」
  かつて、自身のことを「昭和の根性野球も平成の科学トレーニングも両方知っているのは強みだと思う」と石川は語っていた。そこに「令和のハイテク」も加わることで、石川はさらなる地平を切り拓こうとしている。その貪欲な向上心がある限り、さらに記録ラッシュを迎えることだろう。そして、その先には待望の「200勝達成」という大目標が控えている。プロ21年目を迎えてもなお、石川雅規はさらなる進化をやめようとはしない――。

取材・文●長谷川晶一

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