「戦力充実度」と「財政余裕度」から診断! 23年オフのFA市場で大谷翔平と最もマッチするチームは?【ナ・リーグ編】<SLUGGER>

「戦力充実度」と「財政余裕度」から診断! 23年オフのFA市場で大谷翔平と最もマッチするチームは?【ナ・リーグ編】<SLUGGER>

23年シーズン終了後にFAとなる大谷。早くもその動向は大きな注目を集めている。(C)Getty Images

2023年シーズン終了後にFAとなる大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)。その頃、彼に最もフィットする球団は果たしてどこなのか? 主力選手との契約内容や若手の育成状況、そして何より「24年以降に勝てるかどうか」。さまざまな要素から、大谷との「マッチ度」を検証する。
※SLUGGER2022年3月号の企画を再構成したものです

●アトランタ・ブレーブス
 昨季は途中補強が大当たりして見事26年ぶりの頂点に立った。ロナルド・アクーニャJr.、オジー・アルビーズとの格安長期契約はそれぞれ最長で28年、27年まで残り、投打に有望な若手選手も複数いることから、今後数年の視界も良好だ。

 ユニバーサルDH導入で、ブレーブスに限らずナ・リーグ球団全体に大谷の選択肢も広がるのも大きい。もっとも、アレックス・アンソポロスGMは思い切りの良さが持ち味ながらFA補強に関しては意外に堅実。球団自体もこれまでFA契約で総額1億ドル以上を投じたことはない。

▼戦力充実度 ★★★☆
▼財政余裕度 ★★★☆

●マイアミ・マーリンズ
 サンディ・アルカンタラを筆頭に優れた若手先発投手が数多くひしめき、野手でもジャズ・チゾムJr.が台頭。数年後はかなり楽しみなチームになっているはずだが、オーナーは大型補強には消極的。今年2月には、現役時代にヤンキースで栄光を極めたデレク・ジーターCEOが方向性の違いから突如辞任して波紋を呼んだ。

 過去には超大型契約を奮発した歴史もあり、14年にはジャンカルロ・スタントンと13年3億2500万ドルの巨額契約を結んだが、3年後にヤンキースへ放出。大谷とは縁がないまま終わりそうだ。

▼戦力充実度 ★★☆☆
▼財政余裕度 ★☆☆☆●ニューヨーク・メッツ
 ヘッジファンドで巨万の富を築いたスティーブ・コーエンがオーナーとなり、フランシスコ・リンドーア、マックス・シャーザーと次々にスター選手を補強。「それなら大谷も……」といきたいところだが、さすがにそう簡単にはいかなそう。

 ジェイコブ・デグロムが今オフにオプトアウトしたとしても、リンドーア、シャーザーとすでに3000万ドルプレーヤーが2人。このペースで“爆買い”を続ければ、さすがに限界が来るはずなのだが、大谷獲得まで突っ走る姿も見たいような見たくないような……。

▼戦力充実度 ★★★★
▼財政余裕度 ★★★☆

●フィラデルフィア・フィリーズ
 元々資金力は潤沢なチームで、ここ3年でブライス・ハーパー、JT・リアルミュート、ザック・ウィーラーと次々と大物を獲得している。ただ、スターの脇を固める選手たちが弱く、ファーム組織も充実しているとはいえず。

 再建モードを終えたはずなのにここ数年は勝率5割前後をうろついて今後戦力が劇的に向上しそうな兆しもない。「派手な補強の割にチーム全体の費用対効果が悪い」という点ではエンジェルスとよく似ている。

▼戦力充実度 ★★★☆
▼財政余裕度 ★★★☆●ワシントン・ナショナルズ
 19年のワールドチャンピオンチームだが、昨夏にマックス・シャーザーら主力を次々に放出。一歩後退して、マイナー組織の再建を優先する形となった。加えてスティーブン・ストラスバーグとパトリック・コービンとの高額契約2件はまだ残っていて、再び大型補強に乗り出せる状況ではない。昨年の球宴ホームラン・ダービーで大谷と対戦したホアン・ソトにも放出説が浮上、球団身売りの噂も出ている状況で、大谷獲得に動く可能性は低いだろう。

▼戦力充実度 ★☆☆☆
▼財政余裕度 ★★★☆

●シカゴ・カブス
 昨年7月にクリス・ブライアント、アンソニー・リゾー、ハビア・バイエズらを放出して戦力解体を敢行し、総年俸を大幅に削減。オフにマーカス・ストローマン(3年7100万ドル)、鈴木誠也(5年8500万ドル)を獲得した。

 しかし、今季ここまでの戦いぶりを見ても24年までに勝負を仕掛ける状態は整いそうにない。ちなみに、日本人選手が結んだ史上最高額契約は17年オフにカブスがダルビッシュ有と結んだ6年1億2600万ドルだ。

▼戦力充実度 ★★☆☆
▼財政余裕度 ★★★★●シンシナティ・レッズ
 20年の秋山翔吾入団まで、日本人選手が在籍したことがなかったMLB唯一の球団。昨オフからロックアウト後にかけて投打の主力選手が続けざまにFAやトレードで流出し、再建モードへ移行した。生え抜きスーパースターのジョーイ・ボトーの大型契約が23年限りで終わる(24年は球団オプション)が、しばらくは若手の育成に注力するだろう。

▼戦力充実度 ★☆☆☆
▼財政余裕度 ★☆☆☆

●ミルウォーキー・ブルワーズ
 スモールマーケット球団ながら、過去4年連続プレーオフに進出。現状、18年MVPのクリスチャン・イェリッチ以外に大型長期契約はないが、昨年のサイ・ヤング賞投手コービン・バーンズやブランドン・ウッドラフなどが24年オフにFAとなる。

 彼らが抜ければ大幅な戦力ダウン、長期契約を結べば今度は他の補強まで資金が回らなくなる。元々、派手なFA補強を仕掛けるようなチームでもなく、大谷獲得に動く可能性は低そうだ。

▼戦力充実度 ★★★☆
▼財政余裕度 ★★☆☆●ピッツバーグ・パイレーツ
「天地がひっくり返っても大谷が入団することはない」と断言できる球団の一つ。まず、チームは現在、再建の真っ只中。楽しみな若手はいるが、23年オフはプレーオフを争うような戦力はまだ整っていないはず。

 加えてオーナーがドケチで有名で、収益分配で得た金すら補強に使わないことでファンから批判を浴びているほど。ちなみに、球団史上最高額のFA契約は14年オフに先発左腕のフランシスコ・リリアーノと結んだ3年3900万ドル。この時点でお察しだろう。

▼戦力充実度 ★☆☆☆
▼財政余裕度 ★☆☆☆

●セントルイス・カーディナルス
 00年以降の22シーズンで、プレーオフ進出を果たせなかったのはたった7回という優等生。「勝ちたい」という大谷の希望を最も叶えてくれそうな球団の一つと言っていい。ただ、カーディナルスが大谷獲得に動くかとなると話は別だ。

 20年オフに獲得したノーラン・アレナードは26年まで超大型契約が残っていることに加え、ヤンキースやレッドソックスと違ってFA市場で大金をばらまくようなことはほぼない。堅実なチーム作りこそが“カーディナルス流”で、そう考えると大谷獲得もなさそう?

▼戦力充実度 ★★★☆
▼財政余裕度 ★★★☆
 ●アリゾナ・ダイヤモンドバックス
 01年に創設わずか4年目で世界一を勝ち取った際はランディ・ジョンソン、カート・シリングら大物スターが揃っていたが、現在の資金力はむしろ「貧乏球団」にカテゴリーされるレベル。

 ここ1〜2年はオーナーが総年俸削減を命じて戦力が低下し、昨季は52勝110敗と低迷した。今季チーム最高給のケテル・マーテイでも840万ドルに過ぎず、ここに年4000万ドル〜5000万ドルが相場と言われる大谷が加わるとは考えづらい。

▼戦力充実度 ★★☆☆
▼財政余裕度 ★☆☆☆

●コロラド・ロッキーズ
 19年2月に生え抜きスーパースターのノーラン・アレナードと8年2億6000万ドルの大型長期契約を結んだが、そのわずか2年後にトレードで放出。マイナー組織は枯渇状態、フロント内部の問題も顕在化するなど、これでもかというくらいネガティブな材料が多い。大谷にとってクアーズ・フィールドは18年に打撃練習で特大弾を飛ばし、昨年はオールスター出場と思い出深い場所だが、本拠地としてプレーすることはないだろう。

▼戦力充実度 ★★☆☆
▼財政余裕度 ★★☆☆●ロサンゼルス・ドジャース
 豊富な資金力、優秀なフロント、充実したマイナー組織と勝つための条件をすべて備えた理想のチーム。13年から8年連続地区優勝&9年連続プレーオフ出場、過去5年で3度のワールドシリーズ進出を果たしている。

 しかも、花巻東高時代の大谷を熱心に勧誘し、本人もアメリカ行きに傾いていたことは有名な話。現在、大型長期契約を結んでいるのはムーキー・ベッツくらいで、獲得への支障もほとんどない。大谷にとっての理想郷は、アナハイムからフリーウェイ5号線に乗ってすぐの意外に近い場所にあるのかも。

▼戦力充実度 ★★★★
▼財政余裕度 ★★★★

●サンディエゴ・パドレス
 ダルビッシュ有が加入した昨季はまさかのプレーオフ逸となってしまったが、少なくとも今後数年は本気で創設以来初のワールドチャンピオンを目指すことに変わりはない。昨年2月に若きスーパースターのフェルナンド・タティースJr.と14年3億4000万ドルの超大型契約を締結。

 マニー・マチャドとも同じく大型長期契約を交わしているだけに、ここにさらに大谷を加えるのはかなりの財政負担にはなる。ただ、タティースJr.と大谷の揃い踏みはかなりの呼び物にはるはずだ。

▼戦力充実度 ★★★★
▼財政余裕度 ★★★☆●サンフランシスコ・ジャイアンツ
 地味に不気味な存在なのがこのチームだ。昨季は予想外の躍進で地区優勝を果たしたが、本来ならガチ勝負モードに転じるのは数年先のはずだった。資金力も豊富で、それでいて現時点で24年以降に確定している契約は技巧派右腕のアンソニー・ディスクラファニだけで、しかも1200万ドルだ。

 今後、大型補強に乗り出す可能性は高い。本拠地オラクル・パークは海からの風で左打者には本来不利だが、それをものともせずにサンフランシスコ湾にぶち込む大谷の“スプラッシュ・ヒット”が新名物になる?

▼戦力充実度 ★★★☆
▼財政余裕度 ★★★★

構成●SLUGGER編集部

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