「戦力充実度」と「財政余裕度」から診断! 23年オフのFA市場で大谷翔平と最もマッチするチームは?【ア・リーグ編】<SLUGGER>

「戦力充実度」と「財政余裕度」から診断! 23年オフのFA市場で大谷翔平と最もマッチするチームは?【ア・リーグ編】<SLUGGER>

23年シーズン終了後にFAとなる大谷。エンジェルスと再契約する可能性はどれくらいあるのだろうか?(C)Getty Images

2023年シーズン終了後にFAとなる大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)。その頃、彼に最もフィットする球団は果たしてどこなのか? 主力選手との契約内容や若手の育成状況、そして何より「24年以降に勝てるかどうか」。さまざまな要素から大谷との「マッチ度」を検証する。
※SLUGGER2022年3月号の企画を再構成したものです。

●ボルティモア・オリオールズ
 現在は絶賛タンキング中。だが、19年ドラフト全体1位のアドリー・ラッチマンを筆頭にプロスペクトが育ち始めていて、ちょうど23年オフはそろそろ補強に乗り出してもおかしくない時期ではある。

 とはいえ、いきなり大谷のような「超大物」に手を出すかどうかは疑問。ちなみに、球団史上最高額FA契約は16年に本塁打王2度のクリス・デービスと結んだ7年1億6100万ドル(再契約)だが、見るも無残な大失敗に終わった。

▼戦力充実度 ★☆☆☆
▼財政余裕度 ★★☆☆

●ボストン・レッドソックス
 シルバースラッガー3度のザンダー・ボガーツは今季終了後にオプトアウトする可能性大。エースのクリス・セールとの契約も24年まで(25年はオプション)で、ラファエル・デバースと長期契約を結んでもなお、大谷を獲得するだけの余力は残っている。

 過去には松坂大輔や上原浩治、現在も澤村拓一が在籍するなど日本人選手になじみの深いチームでもある。ただ、ハイム・ブルームCBOは大型補強には慎重で、金額が上がれば上がるほど獲得可能性は低くなりそう。

▼戦力充実度 ★★★☆
▼財政余裕度 ★★★☆
 ●ニューヨーク・ヤンキース
 大物FAが市場に出るたびに必ず移籍先候補に挙がる球界最大の名門金満球団。だが、エースのゲリット・コール、主砲のジャンカルロ・スタントンとの大型契約がかなり先まで残っている。

 しかも24年開幕時点でコールが33歳、スタントンが34歳。ちょうど全盛期を過ぎようという時期に差し掛かる時期を迎える。加えて、生え抜きでチーム最大の人気者でもあるアーロン・ジャッジが22年オフにFA。ジャッジと延長契約を結んだ場合は、大谷獲得の可能性は自動的にほぼ消滅するだろう。

▼戦力充実度 ★★★★
▼財政余裕度 ★★☆☆

●タンパベイ・レイズ
 球界きっての貧乏チームで、球団史上最高額のFA契約は何と創設1年目の1998年に先発左腕のウィルソン・アルバレスと結んだ5年3500万ドル(!)。

 一方で昨オフは超新星ワンダー・フランコと11年1億8200万ドルの大型長期契約を結ぶなど、あくまでコストパフォーマンスを最重視するチームだ。普通なら大谷がFA市場に出ても目もくれないだろうが、故障などで市場価値が大幅に下がった場合は、逆にチャンスと見て獲得に乗り出すかも。

▼戦力充実度 ★★★★
▼財政余裕度 ★☆☆☆●トロント・ブルージェイズ
 ブラディミール・ゲレーロJr.らの台頭に合わせて勝負モードに移行し、1993年以来の頂点を目指して積極的に補強を展開している。先発投手のケビン・ゴーズマン、ホゼ・ベリオスと長期契約を締結済みで、ゲレーロJr.、ボー・ビシェットらの年俸も23年オフを迎える頃には跳ね上がる。

 だが、その時点でまだ世界一に届いていないようなら、“ラストピース”として大谷獲得に乗り出しても不思議はない。大谷も「勝てるチーム」には魅力を感じるはずで、相思相愛となる可能性は十分ありそうだ。

▼戦力充実度 ★★★★
▼財政余裕度 ★★★★

●シカゴ・ホワイトソックス
 数年にわたる地道なチーム再建を経て、昨季は久々に地区優勝を果たした。19年首位打者のティム・アンダーソンやキューバ出身のルイス・ロバートら複数の主力野手と長期契約を締結済みだが、どれも比較的リーズナブルで、さらなる補強も可能。

 戦力状況的にはおそらく先発陣の補強が最優先で、「投手・大谷」への期待が大きくなりそう。前回、世界一に輝いた05年は井口資仁(現ロッテ監督)が大きく貢献したが、その再現となるか。

▼戦力充実度 ★★★☆
▼財政余裕度 ★★☆☆
 ●クリーブランド・ガーディアンズ
 90年代半ばからMLBを見始めた人にとってはスター軍団というイメージが強いが、本来は典型的なスモールマーケット球団。昨年3月には資金難から生え抜きスーパースターのフランシスコ・リンドーアをメッツへ放出せざるを得なくなった。

 そんななかでも、今季開幕直後に看板選手のホゼ・ラミレスと7年1億5000万ドルで契約延長。昨季の総年俸が5000万ドルにも満たないチームにとっては大奮発で、さらに大谷獲得に動く可能性は限りなくゼロに近い。

▼戦力充実度 ★★☆☆
▼財政余裕度 ★☆☆☆

●デトロイト・タイガース
 再建モードに入っていたが、昨季は77勝85敗と健闘。オフにはFAで先発左腕のエデュアルド・ロドリゲス、遊撃手のハビア・バイエズを獲得するなど、久々に積極補強を展開した。20年ドラフト全体1位のスペンサー・トーケルソンをはじめ楽しみな若手も多い。

 元三冠王ミゲル・カブレラの大型契約はオプションも入れると24年まで残るが、本人は23年限りでの引退を明言している。大谷が偉大な強打者の後釜としてDHに座る可能性もなくはないか。

▼戦力充実度 ★★☆☆
▼財政余裕度 ★★☆☆●カンザスシティ・ロイヤルズ
 次代のスーパースター候補ボビー・ウィットJr.を筆頭に有望株が複数いるが、今季も低調で6年連続の負け越しが濃厚。そもそも、デイトン・ムーアGMは中西部のスモールマーケット球団の分をわきまえているはず。

 23年オフに派手な補強に動く可能性は低い。ちなみに、球団史上最高額契約(FAも含む)は昨季、大谷との争いを制して本塁打王に輝いたサルバドール・ペレスと結んだ4年8200万ドルだ。

▼戦力充実度 ★☆☆☆
▼財政余裕度 ★☆☆☆

●ミネソタ・ツインズ
 昨オフ、快足センターのバイロン・バクストンと7年1億ドルの延長契約を締結。さらに大物FAのカルロス・コレアも獲得した。ただ、コレアは実質1年契約で、23年オフは「その気になれば」大型補強を展開できる状況ではある。

 ただ、決して資金力が豊富な球団ではないことも事実。財政規模としては「中の下」で、過去10年間で開幕時の総年俸がMLB15位以上になったことは一度しかない。そう考えると、大谷との「マッチ度」はさほど高くないか。

▼戦力充実度 ★★★☆
▼財政余裕度 ★★☆☆●ヒューストン・アストロズ
 世界一を勝ち取った17年、リーグ制覇の昨年を含め、5年連続で最低でもリーグ優勝決定シリーズに進出している強豪。生え抜きスターのカルロス・コレアがチームを去った今季も、ルーキーのジェレミー・ペーニャが活躍して地区首位を快走している。

(エンジェルスと違って)フロントオフィスが非常に優秀なチームで、大谷が求める条件をクリアしているチームの一つだが、先日、DHのヨーダン・アルバレスと長期契約を締結。超大型契約に消極的なチームでもあり、大谷獲得に動く可能性は高くなさそうだ。

▼戦力充実度 ★★★☆
▼財政余裕度 ★★★☆

●ロサンゼルス・エンジェルス
大谷の郷愁を占ううえで、最も注目される球団であることは間違いない。ただ、すでにマイク・トラウト、アンソニー・レンドーンと超大型契約を締結済み。本来、資金力は豊富な球団だが、23年オフに自由にできる金額は実はかなり少ない。

 無理して大谷を引き留めても今度は他の補強に回す資金がなくなり、「勝ちたい」という大谷の希望を叶えられない可能性が高い。冷静に考えると、他の球団と比べて交渉で有利になりそうな材料はほとんどないと言っていい。

▼戦力充実度 ★★☆☆
▼財政余裕度 ★★☆☆
 ●オークランド・アスレティックス
 18〜20年に3年連続プレーオフ進出を果たしたものの、昨オフにマット・オルソン、マット・チャップマン、エースのクリス・バシットら投打の主力を一斉放出するファイヤーセールを断行。少なくとも向こう2〜3年間は地道な再建ロードを邁進することになる。

 そもそもが、レイズと並んで球界きっての貧乏球団。大谷のメジャーデビュー戦の相手でもあり、何かと縁の深いチームだが、大谷がグリーン&イエローの鮮やかなユニフォームに袖を通すことはないだろう。

▼戦力充実度 ★☆☆☆
▼財政余裕度 ★☆☆☆


●シアトル・マリナーズ
 昨季は最後までプレーオフ進出の可能性を残して戦う意外な健闘。フリオ・ロドリゲス、ローガン・ギルバートなど若手も台頭し、今後数年はア・リーグ西地区の台風の目になりそうだ。花巻東高の先輩・菊池雄星はチームを去ったが、サイ・ヤング賞左腕のロビー・レイを獲得するなど、昨オフも精力的に動いた。

 今後数年は勝負モードに入るはずで、大谷獲得も視野に入ってくるはず。シアトルにチャンピオンリングをもたらすという、あのイチローでも成し得なかった偉業に挑むことになるかも!?

▼戦力充実度 ★★★☆
▼財政余裕度 ★★★☆●テキサス・レンジャーズ
 過去2年続けて勝率3割台とどん底状態だったが、昨オフはコリー・シーガーと10年3億2500万ドル、マーカス・セミエンと7年1億7500万ドルと立て続けに大物FAを獲得して球界をあっとを言わせた。

 ただ、特に若手昇格の波が来ているわけでもない状況での大型補強には時期尚早の感も。24年までに世界一を狙える態勢が整うかと言われると疑問ではあるが、過去にはあのアレックス・ロドリゲス獲得に成功した実績もあり、意外なダークホースとなる可能性も。

▼戦力充実度 ★★☆☆
▼財政余裕度 ★★☆☆

構成●SLUGGER編集部

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