【パ・リーグ球団別WARトップ3】ロッテの1位はもちろん“令和の怪物”佐々木朗希。ギータが不振のソフトバンクで光った野手は?<SLUGGER>

【パ・リーグ球団別WARトップ3】ロッテの1位はもちろん“令和の怪物”佐々木朗希。ギータが不振のソフトバンクで光った野手は?<SLUGGER>

イニング数に大差がありながら、佐々木(左)が山本(右上)を抑えてWAR投手両リーグ1位。ブレイクした松本もチーム内でダントツトップだった。写真:塚本凛平(THE DIGEST)

前半戦、各チームで最も勝利に貢献したのは一体誰なのか。総合指標WARで各球団のトップ3を見ていこう。
 
 WARとは、打撃・走塁・守備・投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標で、野手も投手も同じ基準で評価できるのが最大の特徴。MLBではMVP投票などでかなり重視されている。では、パ6球団の前半戦WARトップ3は以下の通りだ。

●ソフトバンク
1位:千賀滉大(SP) 3.3
2位:今宮健太(SS) 2.9
2位:三森大貴(2B) 2.9

 毎年、球界トップクラスのWARを叩き出している柳田悠岐が不振でWAR0.7にとどまる中、それを補うように今宮&三森の二遊間が躍動。今宮は遊撃でのUZR6.6が両リーグ3位、三森が同じく二塁で2位のUZR7.0と守備での貢献が光ったのはもちろん、攻撃面の好調さで違いを作っている。

 投手陣では、負傷登板が何度もありながら、千賀がリーグ3位のWAR3.3とさすがの実力を発揮。他にも41歳の和田毅が42.2回とイニング数は少なめながら防御率1.90と見事な投球を見せ、投手チーム2位のWAR1.9を記録した。
 ●西武
1位:山川穂高(1B) 3.7
2位:外崎修汰(2B) 2.7
3位:源田壮亮(SS) 2.6

 前半戦は投手陣がチーム防御率リーグ2位(2.95)と大健闘しているものの、WARでは高橋光成の1.7がチームベストと抜きんでた選手はいない。結果、トップ3は“山賊打線”の中核をなす3選手がランクインした。

 外崎と源田は打撃の傑出度を示すwRC+が87、99とリーグ平均(100)を下回っているものの、それを補って余りあるほど守備と走塁で貢献している。対照的に、山川は圧倒的な打力を発揮。リーグ全体で投高打低が顕著ななかで、29本塁打はリーグ2位に12本差をつけ、wRC+211は村上宗隆(ヤクルト)をも上回って両リーグ1位に立っている。

●楽天
1位:浅村栄斗(2B) 3.2
2位:西川遥輝(LF) 3.1
3位:辰己涼介(CF) 2.8

 浅村はOPS.810がリーグ4位で、17本塁打は2位。相変わらず二塁手としては出色の攻撃力を発揮していて、WAR3.2は野手リーグ3位だった。

 昨オフ、日本ハムのノンテンダー(事実上の戦力外)となって話題を呼んだ西川は、3・4月の月間MVP獲得後の不振で打率は.220に過ぎないが、自慢の選球眼で高出塁率(.355)を維持しつつ、レフトのUZR13.7は全ポジションで堂々1位(両リーグ?)と守備でも高い貢献度を発揮した。辰己も同じく、打率は低いものの好守でチームにプラスをもたらしている。●ロッテ
1位:佐々木朗希(SP) 4.7
2位:中村奨吾(2B) 1.8
3位:部瑛斗(CF) 1.7
3位:石川歩(SP) 1.7
3位:E・ロメロ(SP) 1.7

 WARチームトップはやはり“令和の怪物”・佐々木だ。4月10日のオリックス戦で史上16人目の完全試合を達成すると、翌登板も8回までパーフェクト投球。慎重な起用法もあって13先発、85イニングと労働量は決して多いとは言えない。だが、防御率1.48、被打率1.65、奪三振率13.13は80イニング以上の両リーグ投手37人中堂々トップ。イニング数が40イニング以上も差があるなかで、WAR4.7は山本由伸(オリックス)に次ぐ投手2位というのは改めて怪物という他ない。

 一方、打線は打率(.225)、OPS(.615)がいずれも両リーグワーストと貧打にあえぎ、12球団で唯一WAR2.0を超えた野手がいなかった。リードオフに定着した部は、攻撃での貢献は決して高くないものの両リーグダントツ29盗塁を記録し、センター&レフトでの好守も光る。
 ●オリックス
1位:山本由伸(SP) 4.8
2位:山岡泰輔(SP) 2.9
3位:吉田正尚(LF) 2.3

 勝利(10)・奪三振(128)・イニング数(124.0回)などでリーグ1位の山本はチームトップどころか、投手12球団1位のWARを記録。投手五冠を達成した昨季も同じく1位のWAR8.6を叩き出していたが、今季も相変わらずハイクオリティな投球を続け、6月18日の西武戦では自身初のノーヒッターも達成した。

 2位にはWエースの山岡がランクイン。過去2年は故障に苦しんだものの、今季はリーグ最多タイの2完投を記録しつつ防御率1.75も僅差のリーグ2位と再ブレイク中。吉田正も打率.314がリーグ2位、出塁率.426は1位と打撃に関してはほぼ文句のつけようがない。とはいえ、守備・走塁での貢献はマイナスにとどまっており、WARの伸び悩みにつながっている。

●日本ハム
1位:松本剛(LF) 4.2
2位:加藤貴之(SP) 2.9
3位:伊藤大海(SP) 2.7

 今季ここまで最大のブレイク選手に挙げられる松本がチームトップのWAR4.2を記録。昨季は一軍と二軍を行ったり来たりしていた28歳は、前半戦両リーグ1位の打率.355をマークし、21盗塁と機動力も発揮していた。それだけに、自打球で左膝蓋骨下極を骨折してしまったのが悔やまれる。

 2位と3位には、加藤と伊藤と左右の先発投手がランクイン。技巧派の加藤は4月19日の楽天戦で90球での完封勝利「マダックス」を達成するなど絶好調で、防御率1.79はリーグ3位と初タイトル獲得にも期待がかかる。伊藤は2年目のジンクスを跳ね返し、リーグ2位タイの8勝。こちらも、最多勝獲得のチャンスを残している。

構成●SLUGGER編集部
データ提供●DELTA

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