FA“超目玉”の楽天・浅村栄斗を獲得すべき球団はここだ!ポジション、攻撃力、資金および熱意の3点から識者が徹底解説

FA“超目玉”の楽天・浅村栄斗を獲得すべき球団はここだ!ポジション、攻撃力、資金および熱意の3点から識者が徹底解説

勝負強い浅村。頼れる31歳の去就が注目されている。写真:THE DIGEST写真部

楽天の浅村栄斗がFA権を取得した。今季も27本塁打、83打点はいずれもリーグ2位(9月20日現在)と、二塁手としては規格外の打撃は健在。来季32歳とまだ第一線で働ける年齢だが、年俸が推定5億円という金銭面で及び腰になる球団も少なくなさそうだ。浅村を獲得すべき球団、最もフィットする球団はどこか。ポジション、攻撃力、資金および熱意の3点から検討し、入団の可能性も探ってみよう。

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ヤクルト(フィット×、可能性×)
ポジション×
攻撃力×
資金および熱意×

 浅村をまったく必要としない唯一のチームだ。二塁には山田哲人、一塁にホセ・オスナがいて、得点力もリーグトップ。山田と7年40億円の契約中である上、村上宗隆も年俸大幅アップは間違いなく、これ以上の出費は避けたい事情もある。

DeNA(フィット△、可能性×)
ポジション×
攻撃力△
資金および熱意△
 
 得点はリーグで下から2番目とあって、浅村がいれば助けになるのは間違いない。だが二塁は牧秀悟がいて、一塁のネフタリ・ソトもまだ契約が残っている。縁の薄い浅村より、野手を補強するなら日本復帰の可能性がある筒香嘉智のほうだろう。

阪神(フィット◎、可能性◎)
ポジション◎
攻撃力〇
資金および熱意◎

 大阪生まれということもあり、浅村が移籍を決意するなら一番の候補だ。レギュラーだった糸原健斗が攻守に精彩を欠き、二塁は大きな穴の開いた状態。チーム打率最下位の攻撃陣にはまたとない梃入れになる。

広島(フィット×、可能性×)
ポジション×
攻撃力×
資金および熱意×

 チームの顔と言うべき菊池涼介が二塁にいて、一塁のライアン・マクブルームも打線の中軸を担っている。攻撃力不足というわけでもなく、そもそもFAに熱心でないチームが、大金を費やして浅村を取るとは考えにくい。
 巨人(フィット△、可能性△)
ポジション△
攻撃力△
資金および熱意〇

 大物FAの話題で必ず名前の上がるチーム。一塁に中田翔、二塁には吉川尚輝がいるが、遊撃手としては苦しくなってきた坂本勇人をコンバートし、その後釜に吉川を据えて二塁を空けることは可能。強化したいのは野手より投手だが、あわや最下位という屈辱の年を送っただけに、なりふり構わぬ補強に出る可能性はある。

中日(フィット◎、可能性△)
ポジション◎
攻撃力◎
資金および熱意×

 セ・リーグで一番浅村の力を欲している。1試合平均で3点未満の貧打線であり、阿部寿樹が三塁へ移った二塁には石垣雅海らが起用されている状態。いつでも浅村が入ってこられるのだが、いかんせん高額FAに手を出せるほどの資金がなさそうだ。
 ソフトバンク(フィット△、可能性○)
ポジション△
攻撃力△
資金および熱意◎

 リーグ最多の得点力を誇るが、柳田悠岐に衰えの兆候があり、なおかつ右打者の本塁打数はアルフレド・デスパイネの11本が最多。二塁では三森大貴が育っているものの、浅村が不要と言うほどではなく、一塁の中村晃も外野やDHに回せる。資金には事欠かず、とりあえず首を突っ込んできそうだ。

オリックス(フィット◎、可能性○)
ポジション◎
攻撃力〇
資金および熱意〇

 阪神同様に浅村の地元球団で、85本塁打がリーグ最少である上、一塁・二塁のどちらも空席状態。前回のFAでは名乗りを上げながらも、交渉の席にもつけないまま袖にされたが、そうした過去は水に流して獲得に向かいたい。

西武(フィット△、可能性×)
ポジション△
攻撃力〇
資金および熱意×

 二塁の外崎修汰は浅村と同じくFA権持ち。さらにかつての山賊打線の劣化が著しく、浅村に帰ってきてほしいのは山々だ。しかしながら外崎だけでなく森友哉もFAになるとあって、こちらの残留を優先しなければならず、とても浅村獲得に労力を割く余裕はない。

ロッテ(フィット○、可能性△)
ポジション△
攻撃力〇
資金および熱意△

 ここも打力強化が必要なチーム。西武と同じく二塁手の中村奨吾がFAになるので、引き留めに失敗した場合はもちろん、残留しても一塁で浅村を使えれば大きなプラスになる。もっとも一塁は外国人選手で補うことが難しくないので、それほど熱心に動きそうにはない。
 日本ハム(フィット◎、可能性△)
ポジション◎
攻撃力◎
資金および熱意△

 二塁はレギュラー不在、一塁も清宮幸太郎は動かせないというほどでもない。FAになる近藤健介の引き留めが優先だが、新球場完成を機に大型補強に乗り出す可能性はあり、しかもエスコンフィールドの構造は左打者に有利となっている。右打者ながらライト方向に長打が打てる浅村は、タイプ的には合っていそうだ。

楽天(フィット◎、可能性◎)
ポジション◎
攻撃力◎
資金および熱意◎

 実は一番浅村を必要とし、なおかつフィットするのは楽天に他ならない。浅村以外に2ケタ本塁打を打っているのは島内宏明(14本)だけという、慢性的な長打力不足であり、そこから主砲が抜けるのは大打撃だ。球団もすでに残留交渉を進めているとされる。

 ポジション、攻撃力、資金および熱意の3部門すべて二重丸がつくのは楽天、2部門でついているのは阪神と日本ハム。“フィット”という観点では、この3球団がベストの行き先になる。再契約で仙台に残る――というのが一番円満な筋書きで、もし移籍するなら阪神、オリックス、ソフトバンクの順番で可能性がありそうだ。

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。

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