「年俸調停回避=エンジェルス残留決定」ではない。大谷翔平の“史上最高額契約”が意味するもの<SLUGGER>

「年俸調停回避=エンジェルス残留決定」ではない。大谷翔平の“史上最高額契約”が意味するもの<SLUGGER>

エンジェルスとの年俸調停を回避し、大幅昇給となった大谷。その契約が意味するものは?(C)Getty Images

現地10月1日、ロサンゼルス・エンジェルスは大谷翔平と年俸調停を回避して1年3000万ドル(約43億4000万円)で合意したと発表した。年俸3000万ドルは、今季の550万ドル(約7億9600万円)から実に5倍以上の昇給。年俸調停権を持つ選手としては、2020年にムーキー・ベッツ(現ロサンゼルス・ドジャース)が、ボストン・レッドソックスと結んだ2700万ドル(約39億1500万円)を超えて史上最高額となる。

 さて、「年俸調停を回避して」という耳慣れない表現に戸惑っている人もいるかもしれない。ここで、MLBの年俸調停制度を改めて説明しよう。

 MLBでは、メジャー経験3年以上でフリーエージェント(FA)権取得前の選手に年俸調停権が与えられる。年俸調停権とは、一言でいえば球団が提示する年俸に異議を唱えられる権利だ。年俸調停権を持つ選手はまず、球団と来季年俸についての希望額を交換する(まず例外なく球団の提示額の方が安い)。その後、ほとんどのケースではほぼ中間の額で合意に至るが、最後までまとまらなかった場合は年俸調停へと進む。

 年俸調停では、裁判よろしく球団側、選手側がデータなどを交えながら互いの主張の正当性を主張し合う。最終的に第三者の調停官が球団側、選手側どちらかの言い分を採用して年俸額が決まる。
  大谷は、20年オフに交わした2年850万ドル(約12億3000万円)の契約が今季いっぱいで満了。ただ、まだFA権を取得していないため、上で説明したような年俸調停のプロセスを経て23年度の年俸が決まるはずだった。言ってみれば今回の契約は、このプロセスを丸々すっ飛ばしたということだ。

 最後の調停会まで進むと、次の年のキャンプまでずれ込む可能性もある。おそらく大谷は年俸をめぐる問題がオフのトレーニングの支障になるのを嫌ったのではないだろうか。それが、レギュラーシーズン終了直前という異例のタイミングでの調停回避につながったのだろう。

 ただ、今回の契約成立を持って「大谷は来季もエンジェルスでプレーする」ことが確約されるわけではない。エンジェルスはその気になればいつでも大谷をトレードできる。すでに来季年俸額を確定させたのは、獲得を狙うチームにとってはかえって好都合という味方もできる。

 ワールドシリーズが終わってストーブリーグに突入すると、今夏に続いて大谷の去就をめぐる「狂騒曲第2章」が幕を開けるだろう。

構成●SLUGGER編集部

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