「すごく力をもらった言葉」今季16勝のダルビッシュ有が胸中を吐露。気持ちが救われたスタッフの言葉とは――

「すごく力をもらった言葉」今季16勝のダルビッシュ有が胸中を吐露。気持ちが救われたスタッフの言葉とは――

メジャー自己最多タイ16勝をマークしたダルビッシュ有。POに向け、エースの活躍は必要不可欠だ。(C)Getty Images

現地時間10月2日、サンディエゴ・パドレスが本拠地で2年ぶり7度目のポストシーズン進出を決めた。試合はシカゴ・ホワイトソックスに1対2で敗れたが、ワイルドカードを争っていたミルウォーキー・ブルワーズがマイアミ・マーリンズに3対4で負けたため、ワイルドカードでのプレーオフ進出が決まった。

 試合終了後、ダルビッシュ有を含めたパドレスナインはクラブハウスで歓喜のシャンパンファイトを浴びせ合い、喜びを分かち合った。4日、ダルビッシュは自身のSNSにて『note』を更新。チームのポストシーズン進出が決定したため、5日のレギュラーシーズン最終戦には登板しなくなったことを明かした。

 今季のダルビッシュは30試合に登板し、メジャー1年目に並ぶ16勝(8敗)、投球回194.2、防御率3.10、奪三振197、被安打148、与四死球49。勝利数はチームトップ。絶対的なエースとして、シーズンを通してローテーションを維持した。特に9月は圧巻だった。2日のロサンゼルス・ドジャース戦で日米通算3000奪三振(日本=1250、MLB=1750)を達成したのを皮切りに1ヶ月間で6試合に先発して5勝1敗、防御率1.85。39回を投げて被安打23、奪三振44、与四死球10と、抜群の安定感でナ・リーグの月間最優秀投手賞に選出された。

 数字にも、今季の安定感は際立つ。勝利数はナ・リーグ3位タイ。WHIP(1イニング当たり何人のランナーを出塁させたかを表す数値)は驚異の「0.95」。これはザック・ギャレン(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)の「0.89」に次いでリーグ2位の高い数字。そして、先発投手が6回以上を投げて自責点を3点以下に抑えるクオリティ・スタート(QS)は25回。これはリーグ最多記録だ。
  今季これ程までピッチングに安定感が増した要因について、ダルビッシュは『note』の中で、“ある出来事”が転機になったと触れている。

 5月13日。敵地アトランタ・ブレーブス戦に先発したダルビッシュは5回途中99球を投げ、被安打9、被本塁打1、5失点で降板。チームは逆転勝ちを収めたが、自身にとってはフラストレーションが溜まった試合だった。翌日も気持ちが消化できずにいたダルビッシュはベストフレンドと称すピーター・サマービル氏と野球の話をしていた。そこへ、チームスタッフが二人の会話に入ってきた。
 「(チームスタッフは)ピーターに向かって『お前は球場に来るのが早すぎるし、野球のことしか考えていない。他に楽しいことがいっぱいあるのに何故なんだ?』と冗談でいじりにきた時に、ピーターが『Because I Love Baseball!!(なぜなら、僕は野球を愛しているからだ)』と言いました。笑いながらだったけど、心から出た言葉だったのが理解できましたし、自分自身としても凄く力をもらった言葉でした」

 サマービル氏の仕事は、投手のアタックプランを作成する。相手打者に有効な球種、カウントごとに打者がよく打つ球種などを分析し、それをまとめたスカウティングレポートを選手に配布している。それを選手らが見て、参考にして試合に臨む。サマービル氏の何気ない一言は、ダルビッシュの琴線に触れたようだった。その出来事から、ダルビッシュはサマービル氏と一緒に打者の研究をするようになり、時には打者の弱点を探すのを競い合っていたという。

 次に登板した5月19日のフィラデルフィア・フィリーズ戦から、結果的に最終登板となった9月30日のホワイトソックス戦まで、ダルビッシュは23試合連続で6回以上を投げることができた。最高の友人と一緒に相手打者を研究し、不断のたゆまぬ努力が成果となり、先発の役割を十分に果たす安定した投球につながった。
  ダルビッシュは「自分の今の役割は派手なピッチングよりも、ある程度点を取られてもいいから、なるべく長いイニングを投げる事だと思っていたので、打者の研究もコンディショニングも自分の目標(長いイニングを投げる)を達成するための研究、調整の仕方になっていましたし、それを実行出来ていたのが自信になりました」と、今季のピッチングを振り返っている。

 だが、まだ戦いは終わっていない。現地時間7日から、世界一に向けたプレーオフが幕を開ける。パドレスの相手はリーグ東地区2位のニューヨーク・メッツだ。

「シーズン色々ありましたが、ポストシーズン進出を決めた試合後のシャンパンファイトでの、みんなの喜びようを見た時はすごく嬉しかったです。まだ試合は続くので、気を引き締めて日々を過ごしていきたいと思います!」と、意気込みを綴った。

 全幅の信頼を寄せる親友と相手打者を研究して築き上げた、卓越したピッチング。大舞台で威風堂々と投げるダルビッシュの姿を楽しみに待とう。

構成●湯川 泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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