「いや、ないっすよ」栗山巧の初安打は同期・中村剛也からの“刺激”!? 声出し解禁には「いい雰囲気でしたね」【西武】
2023年03月10日 14時07分THE DIGEST

西武一筋22年目となる栗山。オープン戦で初安打をマークした。写真:THE DIGEST写真部
埼玉西武ライオンズは3月9日、ベルーナドームで行なわれたオープン戦で中日と対戦。3年目・山村崇嘉や6年目・西川愛也ら若獅子たちが躍動し、8対1で快勝。松井稼頭央新監督は嬉しい本拠地初勝利となった。
この日、一軍に合流したばかりの山村は9番・遊撃でスタメン出場。チーム今シーズン初本塁打を含む3安打3打点。3本とも長打の大活躍だった。
「きのうからスタメンで行こうと思っていた」と試合後に話した松井監督。その起用に答えた若獅子の活躍について、嬉しそうにこう話した。
「本当に素晴らしいし、最後のポテンヒットでもセカンドまで行った。あの走塁というのは、初めからしっかり走っていた成果だと思う。そういうところは非常に大きかった。(ホームランも)ファーストストライクをしっかり振れたというのは、山村自身が準備していきた成果だと思いますし、非常にいいアピールをしてくれたと思います」
続けて1番・西川についても語った。
「西川にしても3本。きれいな3本ってなかなか打てないですからね。1番打者としてはああいうヒットが本当に大きい。犠牲フライもそうですけど、いい働きをしてくれたと思います」
3安打のうち2本が内野安打だったが、打撃内容を踏まえた上で、こちらもその結果を称賛していた。
若獅子たちの輝きに目を奪われがちだが、この日は頼れるベテランたちも健在ぶりを示した。
1点を追いかける2回裏、先頭打者の4番・中村剛也が2試合連続ヒットで出塁すると、続く5番・鈴木将平の左中間を破るあたりで一塁から一気にホームへ。元々走塁には定評がある中村だが、見事な打球判断で同点のホームを踏んだ。
すると、途中出場の栗山巧も7回。ストレートを右翼線深くへ弾きかえすと、躊躇することなく一塁ベースを蹴った。こちらも積極果敢な走塁を見せ、二塁打とした。
栗山はこれがオープン戦初安打。先に打った中村の姿に刺激を受けたのかと尋ねると「いや、ないっすよ」と少し笑いながら答えた。そして、前を歩いていた中村も「ないっすよ」といつもと変わらぬ朴訥としたトーンで続く。22年間、同じチームで共に歩んできた2人の時間の深さを少しだけ感じた。そして、栗山は初安打と走塁について話してくれた。
「この時期は、とにかく自分のやることをしっかりトライすると言う感じでやっています。(走塁は)点差もありましたし、普通にいけるかどうかっていうところで、オープン戦とはいえ、ひとつでも先の塁へというのがあったので」
自分のやることをしっかりトライする。言葉で聞くと当たり前のことのように感じるが、2人がここまで積み上げてきた実績は、その繰り返しの上にあることを改めて気付かされた。
この日、守備につく事はなかった栗山だったが、試合前のシートノックでは、前日は入らなかったレフトに入りノックを受けていた。近日中に守るのかと尋ねた。
「オープン戦期間はキャンプからの継続というところもあるので、日々の鍛錬と言うところもあるし、試合に備えてシートに入らない時もあります。なので、メニューの中のひとつと言うくらいのところで、深い意味はなくて、はい。」
問いかけに多少驚いた様子だったことから、これも当たり前のことなのだろう。
今シーズンは3年ぶりにファンの声援が解禁となり、この日も応援歌や声援がベルーナドームのレフトスタンドから聞こえてきた。コロナ前、栗山がレフトを守りながら背中で感じてきたあの声援が戻ってきたのだ。
「皆さんも感じたようにいい雰囲気でしたね。応援も楽しんでもらいたいですし、プレーでも楽しんでもらいたいなと思いましたね」
開幕すれば今以上に多くのファンがスタンドへ詰めかけ、レフトスタンドのみならず、球場全体を大声援が包むことになるだろう。頼れるベテランたちはその声援に応えるべく、今年も自分のやるべきこと、日々の当たり前を淡々と積み重ねていく。
取材・文●岩国誠
【著者プロフィール】
岩国誠(いわくにまこと):1973年3月26日生まれ。32歳でプロ野球を取り扱うスポーツ情報番組のADとしてテレビ業界入り。Webコンテンツ制作会社を経て、フリーランスに転身。それを機に、フリーライターとしての活動を始め、現在も映像ディレクターとwebライターの二刀流でNPBや独立リーグの取材を行っている。
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この日、一軍に合流したばかりの山村は9番・遊撃でスタメン出場。チーム今シーズン初本塁打を含む3安打3打点。3本とも長打の大活躍だった。
「きのうからスタメンで行こうと思っていた」と試合後に話した松井監督。その起用に答えた若獅子の活躍について、嬉しそうにこう話した。
「本当に素晴らしいし、最後のポテンヒットでもセカンドまで行った。あの走塁というのは、初めからしっかり走っていた成果だと思う。そういうところは非常に大きかった。(ホームランも)ファーストストライクをしっかり振れたというのは、山村自身が準備していきた成果だと思いますし、非常にいいアピールをしてくれたと思います」
続けて1番・西川についても語った。
「西川にしても3本。きれいな3本ってなかなか打てないですからね。1番打者としてはああいうヒットが本当に大きい。犠牲フライもそうですけど、いい働きをしてくれたと思います」
3安打のうち2本が内野安打だったが、打撃内容を踏まえた上で、こちらもその結果を称賛していた。
若獅子たちの輝きに目を奪われがちだが、この日は頼れるベテランたちも健在ぶりを示した。
1点を追いかける2回裏、先頭打者の4番・中村剛也が2試合連続ヒットで出塁すると、続く5番・鈴木将平の左中間を破るあたりで一塁から一気にホームへ。元々走塁には定評がある中村だが、見事な打球判断で同点のホームを踏んだ。
すると、途中出場の栗山巧も7回。ストレートを右翼線深くへ弾きかえすと、躊躇することなく一塁ベースを蹴った。こちらも積極果敢な走塁を見せ、二塁打とした。
栗山はこれがオープン戦初安打。先に打った中村の姿に刺激を受けたのかと尋ねると「いや、ないっすよ」と少し笑いながら答えた。そして、前を歩いていた中村も「ないっすよ」といつもと変わらぬ朴訥としたトーンで続く。22年間、同じチームで共に歩んできた2人の時間の深さを少しだけ感じた。そして、栗山は初安打と走塁について話してくれた。
「この時期は、とにかく自分のやることをしっかりトライすると言う感じでやっています。(走塁は)点差もありましたし、普通にいけるかどうかっていうところで、オープン戦とはいえ、ひとつでも先の塁へというのがあったので」
自分のやることをしっかりトライする。言葉で聞くと当たり前のことのように感じるが、2人がここまで積み上げてきた実績は、その繰り返しの上にあることを改めて気付かされた。
この日、守備につく事はなかった栗山だったが、試合前のシートノックでは、前日は入らなかったレフトに入りノックを受けていた。近日中に守るのかと尋ねた。
「オープン戦期間はキャンプからの継続というところもあるので、日々の鍛錬と言うところもあるし、試合に備えてシートに入らない時もあります。なので、メニューの中のひとつと言うくらいのところで、深い意味はなくて、はい。」
問いかけに多少驚いた様子だったことから、これも当たり前のことなのだろう。
今シーズンは3年ぶりにファンの声援が解禁となり、この日も応援歌や声援がベルーナドームのレフトスタンドから聞こえてきた。コロナ前、栗山がレフトを守りながら背中で感じてきたあの声援が戻ってきたのだ。
「皆さんも感じたようにいい雰囲気でしたね。応援も楽しんでもらいたいですし、プレーでも楽しんでもらいたいなと思いましたね」
開幕すれば今以上に多くのファンがスタンドへ詰めかけ、レフトスタンドのみならず、球場全体を大声援が包むことになるだろう。頼れるベテランたちはその声援に応えるべく、今年も自分のやるべきこと、日々の当たり前を淡々と積み重ねていく。
取材・文●岩国誠
【著者プロフィール】
岩国誠(いわくにまこと):1973年3月26日生まれ。32歳でプロ野球を取り扱うスポーツ情報番組のADとしてテレビ業界入り。Webコンテンツ制作会社を経て、フリーランスに転身。それを機に、フリーライターとしての活動を始め、現在も映像ディレクターとwebライターの二刀流でNPBや独立リーグの取材を行っている。
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