ドジャース解雇はむしろ好都合だった!? 元CY賞投手バウアーにとって日本移籍はメジャー復帰への足掛かり?
2023年03月16日 05時30分THE DIGEST

投球技術はメジャーでも随一のバウアー。彼のDeNA移籍は球界を騒然とさせた。(C)Getty Images
まさか――。そう言っても差し支えないほどに球界を驚かせた大物のNPB到来に関する話題は尽きない。3月14日、横浜DeNAベイスターズは、今オフにメジャーリーグでフリーエージェント(FA)となっていたトレバー・バウアーの獲得合意を発表した。
【動画】これは打てない! バウアーの内角をえぐるフロントドア
侍ジャパンに帯同し、DeNAでエースを務める今永昇太も「事件と言っていい」と驚くほど、内部の人間にとっても寝耳に水(!?)な電撃移籍だった。
なにせバウアーはメジャーで2015年から5年連続2桁勝利を挙げ、新型コロナの影響で60試合に短縮された2020年のシーズンには11試合に先発して防御率1.73で最優秀防御率のタイトルを獲得。100奪三振(リーグ2位)、WHIP0.79(同1位)の好成績でサイ・ヤング賞も手にした実績を誇る大エースだ。32歳という年齢を考えても日本にやってくると想像した人はまずいないはずだ。
ではなぜ、バウアーは日本を新たな活動の場としたのか。それを読み解くうえで重要となるのは、すでに多くのメディアで語られているプライベートでの騒動だ。
20年6月に知人女性から性行為中に顔面を殴打するなどの暴行を加えたと告発されたバウアーは、出場制限リスト入り。ほどなくしてMLB機構から324試合の出場停止処分を科されてしまう。しかし、昨年12月に本人の異議申し立てによる調停で処分期間が194試合に短縮。その申し立てが認められるまでの期間も処分に含まれていたために、バウアーは即座に復帰可能となった。
だが、“厄介者”のレッテルを貼られた彼に対する風当たりは強まる一方であった。20年オフに3年1億200万ドルという大型契約を締結したドジャース内部でも、歯に衣着せぬSNSでの言動など含めてバウアーを問題視する声が噴出。今年1月に今季2250万ドル(約29億7000万円)の契約を残した状態でのDFA(事実上の戦力外)に。その後はウエーバー期間を経てFAとなっていた。
いわゆる“バリバリ”のメジャーリーガーをNPB球団が獲得する際に障壁となってきたのは、超が付くほどの高額な年俸だ。今オフのFA市場でテキサス・レンジャーズへ移籍した剛腕ジェイコブ・デグロムの年俸は3700万ドル(約49億2100万円)と、とてもNPB球団では支払い不可能な額となっている。文字通り次元が違うのだ。
そうしたなかで、DeNAのバウアー獲得は奇しくも、先述のプライベートにおける問題によって起きたドジャース解雇が可能性を広げたと言っていい。米メディアで報じられている契約内容は400万ドル(約5億3200万円)+出来高払い。これは彼が自由の身とならなければ、まずありえない破格だ。
そして、何よりも3年契約の期間中に解雇となったのが大きい。これにより2023年の年俸はドジャースの負担となり、今年に限っては高額年俸を肩代わりする形となったのである。 さまざまな要因が複雑に絡み合って実現したバウアーのDeNA移籍。だが、米メディアでは、32歳の現状を不安視する声も上がっている。
まず、彼は処分決定後から約1年も実戦から遠のいている。サイ・ヤングを獲得した投手といえども、そこからアジャストしていくのは容易ではないだろう。そしてやはり懸念材料となるのは、その素行をコントロールできるかどうかだ。各国のありとあらゆる移籍情報を伝えている『MLB Trade Rumors』も、そのリスクを指摘する。
バウアーはドジャースからのDFA後に、メジャー最低保証年俸は72万ドル(約9700万円)での獲得が可能になっていた。にもかかわらず、どの球団からも獲得に興味を示す声は上がらなかったというのだ。
「ドジャースとの3年契約が1年以上も残っており、2023年の年俸はドジャースが負担するため、どのチームもバウアーを自由に獲得できる状況にあった。しかし、投手補強が必要とされたヤンキース、メッツ、パドレス、ツインズ、ガーディアンズらは、他のチームとともにバウアー獲得に全く興味を示そうとはしなかった」
そして、同メディアはバウアー側がNPBでの挑戦の先に見据える目論見も説いている。
「現在、メジャーリーグに次ぐ世界で2番目に優れたリーグと広く見なされている日本で投球を磨くためにバウアーは海を渡る。そしておそらく最終的にメジャーリーグへの復帰を計画することを視野に入れている」
キャリアに傷は抱えてしまったものの、実績は間違いなく、野球に対する熱意もある。そんなバウアーがアジアでいかなる再生を遂げるのか。そのピッチングには日本だけでなく、世界が熱視線を向けている。
構成●THE DIGEST編集部
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なにせバウアーはメジャーで2015年から5年連続2桁勝利を挙げ、新型コロナの影響で60試合に短縮された2020年のシーズンには11試合に先発して防御率1.73で最優秀防御率のタイトルを獲得。100奪三振(リーグ2位)、WHIP0.79(同1位)の好成績でサイ・ヤング賞も手にした実績を誇る大エースだ。32歳という年齢を考えても日本にやってくると想像した人はまずいないはずだ。
ではなぜ、バウアーは日本を新たな活動の場としたのか。それを読み解くうえで重要となるのは、すでに多くのメディアで語られているプライベートでの騒動だ。
20年6月に知人女性から性行為中に顔面を殴打するなどの暴行を加えたと告発されたバウアーは、出場制限リスト入り。ほどなくしてMLB機構から324試合の出場停止処分を科されてしまう。しかし、昨年12月に本人の異議申し立てによる調停で処分期間が194試合に短縮。その申し立てが認められるまでの期間も処分に含まれていたために、バウアーは即座に復帰可能となった。
だが、“厄介者”のレッテルを貼られた彼に対する風当たりは強まる一方であった。20年オフに3年1億200万ドルという大型契約を締結したドジャース内部でも、歯に衣着せぬSNSでの言動など含めてバウアーを問題視する声が噴出。今年1月に今季2250万ドル(約29億7000万円)の契約を残した状態でのDFA(事実上の戦力外)に。その後はウエーバー期間を経てFAとなっていた。
いわゆる“バリバリ”のメジャーリーガーをNPB球団が獲得する際に障壁となってきたのは、超が付くほどの高額な年俸だ。今オフのFA市場でテキサス・レンジャーズへ移籍した剛腕ジェイコブ・デグロムの年俸は3700万ドル(約49億2100万円)と、とてもNPB球団では支払い不可能な額となっている。文字通り次元が違うのだ。
そうしたなかで、DeNAのバウアー獲得は奇しくも、先述のプライベートにおける問題によって起きたドジャース解雇が可能性を広げたと言っていい。米メディアで報じられている契約内容は400万ドル(約5億3200万円)+出来高払い。これは彼が自由の身とならなければ、まずありえない破格だ。
そして、何よりも3年契約の期間中に解雇となったのが大きい。これにより2023年の年俸はドジャースの負担となり、今年に限っては高額年俸を肩代わりする形となったのである。 さまざまな要因が複雑に絡み合って実現したバウアーのDeNA移籍。だが、米メディアでは、32歳の現状を不安視する声も上がっている。
まず、彼は処分決定後から約1年も実戦から遠のいている。サイ・ヤングを獲得した投手といえども、そこからアジャストしていくのは容易ではないだろう。そしてやはり懸念材料となるのは、その素行をコントロールできるかどうかだ。各国のありとあらゆる移籍情報を伝えている『MLB Trade Rumors』も、そのリスクを指摘する。
バウアーはドジャースからのDFA後に、メジャー最低保証年俸は72万ドル(約9700万円)での獲得が可能になっていた。にもかかわらず、どの球団からも獲得に興味を示す声は上がらなかったというのだ。
「ドジャースとの3年契約が1年以上も残っており、2023年の年俸はドジャースが負担するため、どのチームもバウアーを自由に獲得できる状況にあった。しかし、投手補強が必要とされたヤンキース、メッツ、パドレス、ツインズ、ガーディアンズらは、他のチームとともにバウアー獲得に全く興味を示そうとはしなかった」
そして、同メディアはバウアー側がNPBでの挑戦の先に見据える目論見も説いている。
「現在、メジャーリーグに次ぐ世界で2番目に優れたリーグと広く見なされている日本で投球を磨くためにバウアーは海を渡る。そしておそらく最終的にメジャーリーグへの復帰を計画することを視野に入れている」
キャリアに傷は抱えてしまったものの、実績は間違いなく、野球に対する熱意もある。そんなバウアーがアジアでいかなる再生を遂げるのか。そのピッチングには日本だけでなく、世界が熱視線を向けている。
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