欠点の少ないヤクルトが3連覇か!? “戦力充実”の阪神の不安材料とは?【出野哲也のセ・リーグ順位予想】
2023年03月29日 17時15分THE DIGEST

ヤクルトのドラ1吉村(左)は完成度の高さを見せている。阪神の新外国人ミエセス(右)の打棒にも注目だ。写真:滝川敏之
いよいよ3月30日に2023シーズンのプロ野球が開幕する。オープン戦を終え、各チームの戦力が見えてきた。そこで、開幕前に野球ライター出野哲也氏にペナントレースの順位を予想してもらった。
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【出野哲也氏のセ・リーグ順位予想】
1位 ヤクルト
2位 阪神
3位 巨人
4位 広島
5位 DeNA
6位 中日
■1位:ヤクルト
これまでセ・リーグでは巨人と広島しか達成していない3連覇のチャンスは十分ある。ドラフト1位の吉村貢司郎は新人王候補にふさわしい完成度の高さで、新外国人のピーターズも使えそう。奥川恭伸の回復も順調のようで、後半戦までには戻ってこれそうだ。退団したマクガフに代わる抑えは未定でも、いざとなれば清水昇に託せる。野手では、キャンプ中に離脱して心配された塩見泰隆が開幕直前に復帰。濱田太貴、内山壮真、並木秀尊、赤羽由紘ら若手もしっかり結果を出し、野手陣の層が厚くなっている。欠点が一番少ないチームであるのは間違いない。
■2位:阪神
戦力的には優勝してもおかしくない。実際、昨年も得失点差+61はリーグトップだった。もともと投手陣は強力。ミエセス、ノイジーの両外国人が加わった打線も、ルーキー森下翔太、新加入の渡邉諒がオープン戦では期待以上で、得点力は向上しそうな期待が持てる。しかしながら、岡田彰布監督が何かとネガティブな発言をする点が気になる。WBCを制した栗山英樹監督とは対照的で、近年ではこのようなタイプの監督はあまり結果が出ていない。ただでさえ雑音の多いチームで、好調時は問題にならないだろうが、負けが込み始めたときには不安材料になりかねない。
■3位:巨人
オープン戦の成績はセ・リーグ1位。新外国人選手が活躍しており、開幕投手候補のグリフィンのほか、ビーディとメンデスも好結果。野手のブリンソンもまずまずで、開幕後もこの調子なら優勝争いに加わる可能性も高まる。オコエ瑠偉も覚醒の兆しがあり、ルーキー門脇誠の評価も高く、投手では横川凱が急成長と若手も伸びている。その半面、長年チームを支えてきた菅野智之は故障、坂本勇人は不振に苦しんでいる。思い切って若返りを図ることで勢いがつくかもしれないが、常に優勝争いを求められるチームとあって、原辰徳監督はどのような決断を下すか。
■4位:広島
オープン戦では7連敗を喫するなど負けが込んで最下位。それでも能力の高い若手投手が多く、比較的安定した戦いが見込めるのではないか。昨年は不調だった大瀬良大地も順調で、WBCを途中離脱した栗林良吏も復帰した。一方、打線は巧打者タイプが多い反面、迫力には欠けている。マクブルーム、デビッドソンの両外国人で合計50本塁打くらい打ってほしい。試行錯誤を繰り返していたオーダーの組み方も、高出塁率が望める坂倉将吾を7番に置いているのはもったいない。その点も含め、新井貴裕新監督がいかに早い時点で采配の勘をつかむかもポイントだ。
■5位:DeNA
オープン戦は6勝13敗と大きく負け越し。気になるのは1番佐野恵太、2番宮﨑敏郎の新打順が機能していない点だ。上位に出塁能力の高い選手を集める発想は間違いではないが、その分中軸の厚みが薄れるので、ソト、オースティンの両大砲が本領を発揮できないと、絵に描いた餅となりかねない。好材料はルーキー林琢真の評判が上々で、レギュラー候補に浮上していること。投手は石田健太が好調で、今永昇太、大貫晋一との3本柱は確定。そして何よりの注目は超大物新外国人バウアー。1年半のブランクを感じさせない投球ができるなら、上位進出の目も出てくる。
■6位:中日
今の時点では、残念ながら高い評価を与えるのは難しい。阿部寿樹の放出で、もともと点の取れないチームの打撃がさらに弱体化した。石川昂弥が復帰できそうなのは朗報だが、期待されていた新人二遊間の村松開人、田中幹也が揃って故障。ブライト健太と鵜飼航丞の2年目コンビも、まだレギュラーにはほど遠い。となると望みは新外国人。アキーノは確実性に難ありでも当たったときの飛距離はすさまじく、出戻りのアルモンテもある程度の働きは見込める。打力さえ改善されれば、投手力はリーグトップクラスであるだけに、一気に浮上する可能性もなくはない。
文●出野哲也
【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『メジャー・リーグ球団史』『プロ野球ドラフト総検証1965-』(いずれも言視舎)。
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【出野哲也氏のセ・リーグ順位予想】
1位 ヤクルト
2位 阪神
3位 巨人
4位 広島
5位 DeNA
6位 中日
■1位:ヤクルト
これまでセ・リーグでは巨人と広島しか達成していない3連覇のチャンスは十分ある。ドラフト1位の吉村貢司郎は新人王候補にふさわしい完成度の高さで、新外国人のピーターズも使えそう。奥川恭伸の回復も順調のようで、後半戦までには戻ってこれそうだ。退団したマクガフに代わる抑えは未定でも、いざとなれば清水昇に託せる。野手では、キャンプ中に離脱して心配された塩見泰隆が開幕直前に復帰。濱田太貴、内山壮真、並木秀尊、赤羽由紘ら若手もしっかり結果を出し、野手陣の層が厚くなっている。欠点が一番少ないチームであるのは間違いない。
■2位:阪神
戦力的には優勝してもおかしくない。実際、昨年も得失点差+61はリーグトップだった。もともと投手陣は強力。ミエセス、ノイジーの両外国人が加わった打線も、ルーキー森下翔太、新加入の渡邉諒がオープン戦では期待以上で、得点力は向上しそうな期待が持てる。しかしながら、岡田彰布監督が何かとネガティブな発言をする点が気になる。WBCを制した栗山英樹監督とは対照的で、近年ではこのようなタイプの監督はあまり結果が出ていない。ただでさえ雑音の多いチームで、好調時は問題にならないだろうが、負けが込み始めたときには不安材料になりかねない。
■3位:巨人
オープン戦の成績はセ・リーグ1位。新外国人選手が活躍しており、開幕投手候補のグリフィンのほか、ビーディとメンデスも好結果。野手のブリンソンもまずまずで、開幕後もこの調子なら優勝争いに加わる可能性も高まる。オコエ瑠偉も覚醒の兆しがあり、ルーキー門脇誠の評価も高く、投手では横川凱が急成長と若手も伸びている。その半面、長年チームを支えてきた菅野智之は故障、坂本勇人は不振に苦しんでいる。思い切って若返りを図ることで勢いがつくかもしれないが、常に優勝争いを求められるチームとあって、原辰徳監督はどのような決断を下すか。
■4位:広島
オープン戦では7連敗を喫するなど負けが込んで最下位。それでも能力の高い若手投手が多く、比較的安定した戦いが見込めるのではないか。昨年は不調だった大瀬良大地も順調で、WBCを途中離脱した栗林良吏も復帰した。一方、打線は巧打者タイプが多い反面、迫力には欠けている。マクブルーム、デビッドソンの両外国人で合計50本塁打くらい打ってほしい。試行錯誤を繰り返していたオーダーの組み方も、高出塁率が望める坂倉将吾を7番に置いているのはもったいない。その点も含め、新井貴裕新監督がいかに早い時点で采配の勘をつかむかもポイントだ。
■5位:DeNA
オープン戦は6勝13敗と大きく負け越し。気になるのは1番佐野恵太、2番宮﨑敏郎の新打順が機能していない点だ。上位に出塁能力の高い選手を集める発想は間違いではないが、その分中軸の厚みが薄れるので、ソト、オースティンの両大砲が本領を発揮できないと、絵に描いた餅となりかねない。好材料はルーキー林琢真の評判が上々で、レギュラー候補に浮上していること。投手は石田健太が好調で、今永昇太、大貫晋一との3本柱は確定。そして何よりの注目は超大物新外国人バウアー。1年半のブランクを感じさせない投球ができるなら、上位進出の目も出てくる。
■6位:中日
今の時点では、残念ながら高い評価を与えるのは難しい。阿部寿樹の放出で、もともと点の取れないチームの打撃がさらに弱体化した。石川昂弥が復帰できそうなのは朗報だが、期待されていた新人二遊間の村松開人、田中幹也が揃って故障。ブライト健太と鵜飼航丞の2年目コンビも、まだレギュラーにはほど遠い。となると望みは新外国人。アキーノは確実性に難ありでも当たったときの飛距離はすさまじく、出戻りのアルモンテもある程度の働きは見込める。打力さえ改善されれば、投手力はリーグトップクラスであるだけに、一気に浮上する可能性もなくはない。
文●出野哲也
【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『メジャー・リーグ球団史』『プロ野球ドラフト総検証1965-』(いずれも言視舎)。
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