【パ6球団開幕1ヵ月通信簿】13年ぶり4月首位のロッテが最高評価。大補強ソフトバンクは3位でもBマイナス<SLUGGER>

【パ6球団開幕1ヵ月通信簿】13年ぶり4月首位のロッテが最高評価。大補強ソフトバンクは3位でもBマイナス<SLUGGER>

故障者が続出しているロッテだが、佐々木朗の活躍にも助けられて同率首位で4月を終えた。写真:産経新聞社

2023年のプロ野球も開幕から1ヵ月以上が経過。そこで、パ・リーグ6球団の3・4月をA~Dの4段階で採点しながら振り返ってみよう。
※データ提供:DELTA

■ロッテ
14勝10敗 勝率.583(1位)得失点差+11

主力選手の故障や不振に悩まされたが、同率とはいえ13年ぶりに首位で4月を終えた。打線は迫力不足ながら、藤原恭大と平沢大河の“伸び悩み元ドラ1”コンビや新人の友杉篤輝が健闘。一方、“令和の怪物”佐々木朗希を擁する先発陣はリーグベストの防御率を記録してチームを引っ張っている。抑えの増田直也は被打率3割近くとやや安定度を欠くが、ペルドモや西村天裕の活躍もあって、6回までにリードしていれば11勝負けなしの粘り強さを発揮。不振の中村奨吾、ポランコが復調すれば、さらに勢いに乗る可能性もありそうだ。


評価:A

【月間MVP】佐々木朗希
4月14日に山本由伸(オリックス)とのマッチアップを制して、開幕から3先発で20イニング無失点を続けた。自己最速165キロも計測し、WBC疲れをまったく感じさせていない。

■オリックス
14勝10敗 勝率.583(1位)得失点差+4

さまざまな用兵をテストしている段階で、得失点差4でも同率首位に立っている。昨季、リーグ最少の89本塁打にとどまった打線は、逆にここまでパ最多の22本。昨季不振だった杉本裕太郎がリーグ最多8ホーマー、新加入の森友哉も早くも5本塁打を量産している。森効果は目覚ましく、捕手全体の得点貢献度(wRAA)はリーグダントツの11.4と違いを生み出すことに成功している。先発陣では、高卒3年目の山下舜平太が3登板で防御率0.52と好投。リーグ3連覇へ向け、視界は良好だ。

評価:B+

【月間MVP】杉本裕太郎
昨季は春先から極度の不振に苦しんだが、大学の後輩でもあった吉田正尚が抜けた今季は開幕からアーチを量産。二冠王に輝いた2021年を彷彿とさせる豪打を披露している。
 ■ソフトバンク
12勝10敗 勝率.545(3位)得失点差+6

オフにまたも大型補強を敢行。開幕5連勝で滑り出したが、その後は噛み合わずに貯金を2つしか作れなかった。打線はリーグワーストタイの11本塁打と長打力不足が顕在化。投手陣では、ブルペンでオスナ、松本裕樹、田浦文丸の3人がいずれも8登板以上で無失点と好投しているものの、奪三振率リーグ5位、被本塁打率がワーストと内容は芳しくない。有原航平やガンケルら補強組の出遅れも誤算で、不安なスタートとなってしまった。

評価:B-

【月間MVP】柳田悠岐
打率.373で首位打者レースのトップを走る。4月23日に今季初本塁打と迫力は薄れているが、開幕から22試合連続出塁中で出塁率.500もリーグ1位。

■西武
13勝11敗 勝率.542(4位) 得失点差+16

4位とはいえ、3位のソフトバンクと並んで貯金2。得失点差+16はリーグ1位と内容は悪くない。打線は、山川穂高と源田壮亮を欠きながらも中村剛也や新助っ人マキノン、愛斗の奮闘もあってリーグベストのOPS.706を記録し、昨季、一気に飛躍した投手陣も防御率リーグ1位(2.67)。高橋光成、今井達也らのパワフルな投球は魅力いっぱいだが、コントロールが荒れがちな点が課題。無駄な四球が減り、さらに長いイニングを稼げるようになると、チーム全体もさらに安定するだろう。

評価:B

【月間MVP】中村剛也
OPS1.154は堂々のリーグトップ。打率.364と7本塁打は2位と絶好調で、不惑を迎えるシーズンに全盛期並みの打棒を振るっている。■楽天
9勝14敗 勝率.391(5位)得失点差-23

勝率4割に届かないもどかしい戦いが続く。打線はリーグトップと1本差の21本塁打を放ち、四球率11.2%と三振率17.1%とも1位ながら、チーム打率.205、65得点はいずれもワーストといまひとつ機能していない。中軸の島内宏明、浅村栄斗、フランコがいずれも2割前後の低打率にあえぎ、トレードで獲得した阿部寿樹も不振で早々に二軍落ちしてしまった。投手陣は、先発陣もピリッとしないが、それ以上にブルペンが防御率リーグワーストと不安定。3年目の早川隆久、4月下旬にデビューしたドラフト1位ルーキー・荘司康誠の奮闘に期待したい。

評価:D

【月間MVP】松井裕樹
WBCでは不本意な結果に終わったが、チームが苦しむ状況で8登板して防御率0.00、奪三振率14.63と好投している。4月5日には史上最年少で通算200セーブに到達。■日本ハム
9勝16敗 勝率.360(6位)得失点差-14

勝利を目指して臨んだはずの新球場1年目だが、ここまでの勝率は昨季を下回り、最下位に低迷している。比較的計算が立つはずだった先発陣がリーグワーストの防御率4.10とつまずき、試合の主導権を握れなかったのが大きな要因だ。経験の浅い野手陣も所々で守備のミスが目立ち、UZR-16.5は他5球団を引き離してワーストの数値。一方、打撃はリーグ2位の87得点。清宮幸太郎の故障離脱は残念だが、万波中正がブレイクの兆しを見せるなど、明るい材料がないわけではない。

評価:D

【月間MVP】万波中正
チーム最多タイの4本塁打を放ち、16打点はリーグ3位タイ。昨季は12のみの四球をすで9つ選んでいる点も成長を感じさせる。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。

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