元人類最速左腕にノーヒッター男、実力派ベテランとの再合流も…エンジェルスが獲得を検討するべき5人の「途中補強候補」<SLUGGER>
2023年05月25日 16時30分THE DIGEST

左からチャップマン、ジオリト、カッブ。投手力向上が課題のエンジェルスの救世主となるだろうか。(C)Getty Images
ちょうど50試合を消化したところで、27勝23敗と4つ勝ち越しているエンジェルス。まずまず順調と言いたいところだが、順位表を見るとア・リーグ西地区では首位レンジャーズと4.5ゲーム差の3位、ワイルドカード争いでは1位オリオールズと3.5差の4位と後塵を拝している。
プレーオフ進出を果たすためには、今後さらに戦力を向上していかなければならない。補強ポイントはずばり投手陣だ。先発防御率はリーグ9位の4.70で、大谷翔平とパトリック・サンドバルに続く3番手以降が不安定。ブルペン防御率は6位の3.53と兄弟店のように見えるが、セットアップのマット・ムーア、クローザーのカルロス・エステベスにつなぐまでが心許ない。
では、トレード期限の8月1日までにどのような補強が考えられるのか。「実力」と「獲得難易度」も考慮しながら、チームにフィットしそうな獲得候補を挙げてみよう。
※今季成績は5月23日時点(現地)
▼ディラン・シース(ホワイトソックス)
実力:★★★★ 獲得難易度:★★★★
ア・リーグ中地区で低迷するホワイトソックスは、このままだと夏のトレード市場で「売り手」に回る可能性大。そうなった場合、引く手あまたとなること間違いなしなのがシースだ。 昨季はリーグ2位の防御率2.20、同1位の奪三振率12.28を記録してサイ・ヤング賞投票でも2位。MLBを代表するドクターKとして君臨している。今季はここまで11試合に先発して防御率4.60といまひとつだが、移籍市場に出れば争奪戦となることは間違いない。
ただ、ファーム組織ランキングで下位に低迷するエンジェルスが獲得できる可能性は高くないだろう。ルーキーながら遊撃の定位置をつかんだザック・ネトを放出するわけにもいかない。そう考えると、シースより一枚劣るランクの投手が現実的なターゲットになりそうだ。
▼ルーカス・ジオリト(ホワイトソックス)
実力:★★★☆ 獲得難易度:★★★☆
チームメイトでもあるシースと比べると一枚劣るが、ジオリトも実績は十分だ。19~21年は3年続けて防御率3.50前後にまとめ、20年8月にはノーヒッターも達成。昨季は不振に苦しんだものの、今季も10先発消化時点で防御率3.62と手堅くまとめている。1先発平均約6イニングをこなしてくれる点もプラス材料だろう。
今季終了後にFAとなるため、事実上の「レンタル移籍」となる可能性が高いが、その分、獲得のためのコストも比較的少なくて済む。この点も、前述したようにファーム組織が充実しているとは言えないエンジェルスにとっては好都合だ。
ハリウッド女優の母を持ち、自身もLA出身。故郷に錦を飾り、自身もオフに大型契約獲得となれば、ジオリトにとっても最高の展開だろう。▼アレックス・カッブ(ジャイアンツ)
実力:★★★☆ 獲得難易度:★★★☆
21年にエンジェルスに在籍したベテラン右腕との再合流するのも「アリ」だ。派手さはないが、シンカーとスプリッターでゴロを量産する投球が持ち味。怪我が多く、エンジェルスで投げた21年も18先発にとどまったものの、防御率3.76と及第点の投球だった。その年のオフにFAとなってジャイアンツへ移籍した際には「決定的な過ち」とエンジェルスファンから球団を批判する声も聞かれた。
今季は10先発時点で防御率2.17と絶好調。目下の時点でジャイアンツがプレーオフ争いにとどまっているので、移籍市場に出ない可能性もあるが、ターゲットとしては申し分ない。今季年俸は900万ドル、来季は1000万ドルの球団オプションと契約もリーズナブルで、獲得への障害は低い。
▼アロルディス・チャップマン(ロイヤルズ)
実力:★★☆☆ 獲得難易度:★★☆☆
ヤンキースの守護神として活躍した“元・球界速球王”。昨季は自己最悪のシーズンを送ったが、低迷球団ロイヤルズで復活を目指した今季は自慢の速球が威力を取り戻しつつある。
4シームの平均球速は99.5マイルにまで回復し、先日のパドレス戦では103.8マイル(167.1キロ)も計時。空振り/スウィング率や被打球初速などもMLBトップクラスと、自慢の4シームは全盛期と遜色ない威力を誇っている。 与四球率は5.79とコントロールは荒れ気味で、9回を任せるには不安が募るのも事実だが、エンジェルスのリリーフ陣に加わった暁には戦力アップにつながることは間違いない。
▼ブレント・スーター(ロッキーズ)
実力:★★☆☆ 獲得難易度:★★☆☆
同じ左腕でも、チャップマンとはありとあらゆる点で正反対の変則タイプ。4シームの平均球速は85.8マイル(138.1キロ)と球界で最も遅い部類だが、独特のフォームと角度から投じるため、打者はタイミングが取りづらい。ここに空振りを量産するチェンジアップを織り交ぜて打者を仕留める。
今季はここまで20試合に投げて防御率0.88。“打者天国”を本拠とするロッキーズにあって、30.2回で被本塁打0は驚異的だ。登板数とイニング数を見ても分かるように、ロングリリーフを難なくこなせる点も大きな魅力だ。
構成●SLUGGER編集部
プレーオフ進出を果たすためには、今後さらに戦力を向上していかなければならない。補強ポイントはずばり投手陣だ。先発防御率はリーグ9位の4.70で、大谷翔平とパトリック・サンドバルに続く3番手以降が不安定。ブルペン防御率は6位の3.53と兄弟店のように見えるが、セットアップのマット・ムーア、クローザーのカルロス・エステベスにつなぐまでが心許ない。
では、トレード期限の8月1日までにどのような補強が考えられるのか。「実力」と「獲得難易度」も考慮しながら、チームにフィットしそうな獲得候補を挙げてみよう。
※今季成績は5月23日時点(現地)
▼ディラン・シース(ホワイトソックス)
実力:★★★★ 獲得難易度:★★★★
ア・リーグ中地区で低迷するホワイトソックスは、このままだと夏のトレード市場で「売り手」に回る可能性大。そうなった場合、引く手あまたとなること間違いなしなのがシースだ。 昨季はリーグ2位の防御率2.20、同1位の奪三振率12.28を記録してサイ・ヤング賞投票でも2位。MLBを代表するドクターKとして君臨している。今季はここまで11試合に先発して防御率4.60といまひとつだが、移籍市場に出れば争奪戦となることは間違いない。
ただ、ファーム組織ランキングで下位に低迷するエンジェルスが獲得できる可能性は高くないだろう。ルーキーながら遊撃の定位置をつかんだザック・ネトを放出するわけにもいかない。そう考えると、シースより一枚劣るランクの投手が現実的なターゲットになりそうだ。
▼ルーカス・ジオリト(ホワイトソックス)
実力:★★★☆ 獲得難易度:★★★☆
チームメイトでもあるシースと比べると一枚劣るが、ジオリトも実績は十分だ。19~21年は3年続けて防御率3.50前後にまとめ、20年8月にはノーヒッターも達成。昨季は不振に苦しんだものの、今季も10先発消化時点で防御率3.62と手堅くまとめている。1先発平均約6イニングをこなしてくれる点もプラス材料だろう。
今季終了後にFAとなるため、事実上の「レンタル移籍」となる可能性が高いが、その分、獲得のためのコストも比較的少なくて済む。この点も、前述したようにファーム組織が充実しているとは言えないエンジェルスにとっては好都合だ。
ハリウッド女優の母を持ち、自身もLA出身。故郷に錦を飾り、自身もオフに大型契約獲得となれば、ジオリトにとっても最高の展開だろう。▼アレックス・カッブ(ジャイアンツ)
実力:★★★☆ 獲得難易度:★★★☆
21年にエンジェルスに在籍したベテラン右腕との再合流するのも「アリ」だ。派手さはないが、シンカーとスプリッターでゴロを量産する投球が持ち味。怪我が多く、エンジェルスで投げた21年も18先発にとどまったものの、防御率3.76と及第点の投球だった。その年のオフにFAとなってジャイアンツへ移籍した際には「決定的な過ち」とエンジェルスファンから球団を批判する声も聞かれた。
今季は10先発時点で防御率2.17と絶好調。目下の時点でジャイアンツがプレーオフ争いにとどまっているので、移籍市場に出ない可能性もあるが、ターゲットとしては申し分ない。今季年俸は900万ドル、来季は1000万ドルの球団オプションと契約もリーズナブルで、獲得への障害は低い。
▼アロルディス・チャップマン(ロイヤルズ)
実力:★★☆☆ 獲得難易度:★★☆☆
ヤンキースの守護神として活躍した“元・球界速球王”。昨季は自己最悪のシーズンを送ったが、低迷球団ロイヤルズで復活を目指した今季は自慢の速球が威力を取り戻しつつある。
4シームの平均球速は99.5マイルにまで回復し、先日のパドレス戦では103.8マイル(167.1キロ)も計時。空振り/スウィング率や被打球初速などもMLBトップクラスと、自慢の4シームは全盛期と遜色ない威力を誇っている。 与四球率は5.79とコントロールは荒れ気味で、9回を任せるには不安が募るのも事実だが、エンジェルスのリリーフ陣に加わった暁には戦力アップにつながることは間違いない。
▼ブレント・スーター(ロッキーズ)
実力:★★☆☆ 獲得難易度:★★☆☆
同じ左腕でも、チャップマンとはありとあらゆる点で正反対の変則タイプ。4シームの平均球速は85.8マイル(138.1キロ)と球界で最も遅い部類だが、独特のフォームと角度から投じるため、打者はタイミングが取りづらい。ここに空振りを量産するチェンジアップを織り交ぜて打者を仕留める。
今季はここまで20試合に投げて防御率0.88。“打者天国”を本拠とするロッキーズにあって、30.2回で被本塁打0は驚異的だ。登板数とイニング数を見ても分かるように、ロングリリーフを難なくこなせる点も大きな魅力だ。
構成●SLUGGER編集部
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