オリックスは3連覇達成なるか? 混戦が続くパ・リーグの“CS進出チーム”を識者が徹底予想!
2023年08月18日 05時30分THE DIGEST

オリックスの指揮を務める中島監督。的確な采配で勝利を積み重ねる。写真:鈴木颯太朗
プロ野球のペナントレースは100試合を消化。シーズンの趨勢もようやく見えてきたが、セパともにペナントレースやCS争いの行方はまだまだどう転ぶかわからない。終盤戦を迎える今後の展開を識者に予想してもらった。
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パ・リーグは3連覇を狙うオリックスが抜け出した。この2年はシーズン最終盤で追い抜いていただけに、過去2年より充実してシーズンを過ごしていると言える。投手陣はエースの山本由伸を軸として、宮城大弥、山崎福也、山下舜平大が安定。この4人だけで35勝も挙げている。4人の二桁勝利もあり得るだろう。
救援陣も、クローザーは平野佳寿がいるものの、極端に固定しすぎず、連投を減らすマネジメントを今年も続けている。山崎颯一郎、宇田川優希のWBC組が存在感を示し、山岡泰輔がリリーフに回ってチームを救っているのも大きい。
打線は今季好調の頓宮裕真、紅林弘太郎の新しい“顔”がチームを引っ張っているのが面白い。頓宮はかつて左の吉田正尚(レッドソックス)とクリーンアップに並べるつもりで編成がドラフト指名した選手だ。やや遅くに台頭したが、その期待通りの選手になっている。
開幕は2軍でスタートした紅林も冷飯を食べたことが功を奏している。中川圭太、宗佑磨といった去年からのメンバーに加えて、選手をたくさん起用して終盤に備えているところはさすが中嶋聡采配である。まだまだ力を蓄えている。3連覇に死角はない。
2位以下は混戦の様相だ。これからまだまだ順位が変動するだろう。CSはロッテ、楽天が進出するのではないか。
ロッテは投手力が安定している。しかし、数字だけを見ると誤解を招くかもしれない。なぜなら、突出したものがあるわけではないからだ。エースの佐々木朗希が怪我により離脱。エース不在の中で戦っているが、リリーバーも含めて、無理な起用をしていない。チームトップのイニング数は小島和哉の104.1イニングだが、これはリーグで8、9番目の数字。一方のブルペン陣は一人も3連投をした投手がいない。
これはどういうことかと言うと、投手陣はいまだフル回転の起用をしているとは言えず、その中で、現在2位のポジションをキープしているということである。夏場はある程度、打線の方が活発になってくる中で、投手力が効いてくるという予測が立つ。
一方で、攻撃面は課題になる。安田尚憲、山口航輝ら若い世代の台頭は著しい。しかし、他球団の脅威になるところまでは到達しているとは言い難い。主将の中村奨吾がイマイチ波に乗れていないのも気がかりなところだ。夏場に打線が活発になるこの時期に、状態を上げられるかがポイントとなるだろう。
主砲のポランコが4番に座ってくれているのは大きい。また荻野貴司が戦列に復帰、トレードで獲得した石川慎吾などプラス面も大きい。ここから打線がどこまで浮上してくるかが鍵になりそうだ。
楽天は浅村栄斗の復調が大きい。3、4月は打率が1割台に低迷して、チームの中心が機能せず、混乱していた印象だった。浅村が調子を取り戻したため、打線に一本の軸が出てきた。その中で、小郷裕哉、村林一輝といった若い世代がようやく台頭してきた。
もともと、小深田大翔や辰己涼介ら職人タイプの選手はいた。小郷のような豪快な打者が打線に入り、待望の右打者である村林が1番に固定できたのも、チームの状態の良さにつながっている。今季不調だった島内宏明もこのほど復帰した。前半戦は5連敗もあったが、7月に8連勝をマークするなど、上位戦線に食い込むと見ている。
課題は投手陣だ。後半戦に入って投手コーチを配置転換。無茶な起用が多かった前任者に比べて、どうチームをマネジメントしていくか鍵になる。クローザーの松井裕樹が好調。ルーキーの渡辺翔太もセットアップの役割を果たしている。
先発陣も、則本昂大を中心に、岸孝之の状態も上がっている。辛島航らの中堅に加え、早川隆久、荘司康誠ら若手もいて年齢のバランスは良くなっている。投手陣が高いパフォーマンスを維持できれば、まだまだ追いかけることができるはずだ。
ソフトバンクは7月に12連敗を喫するなど急降下している。一時期の最悪な状態は脱したとはいえ、かといって昇り調子になるわけではないのが気がかりな状況だ。
打線は近藤健介、柳田悠岐などが好調を維持している。数字的にも悪くないが、接戦で勝ちきれない印象だ。チーム力の厚みを感じないのがやや不安だ。
投手陣は有原航平がエース級のピッチングをしているが、移籍1年目とあってまだまだ遠慮しがちだ。エース格になるべきはずの石川柊太が3勝止まりと、先発陣の不安定さが気になるところ。リリーフもモイネロが故障で離脱。再整備を進めている段階で、どう改善していくか。このままでは楽天の勢いに屈してしまうのではないか。
西武はソフトバンクより不気味な存在だ。これまで思い通りにいかないことが続いてばかり。開幕からWBC出場の源田壮亮が間に合わず、山川穂高の離脱など、ベストメンバーを組めない状況が続いている。だが、7月末からペイトンや中村剛也が復帰し、投手陣の疲労度も少なく追いかける体勢が整ってきた。
ベストが組めれば、力はある。投手陣は高橋光成がチームを引っ張り、平良海馬、今井達也、與座海人らも安定していて、防御率はリーグトップの位置にいる。投手力を全面に押し出して、打線は若手の台頭を待ちつつ巻き返しを図っているところだ。
エースの帰還とベストを組んでどこまで追い詰めることができるか。楽天、ソフトバンクとの対戦成績がいいだけに、パ・リーグのシーズンを占う意味ではキーになる存在かもしれない。
日本ハムは新庄剛志監督の続投が濃厚とのことだ。若手の成長ぶりは期待感がある。リーグトップクラスの打者に成長しつつある万波中正、清宮幸太郎、野村佑希で組む主軸は夢を抱かせている。松本剛ら中堅世代、マルティネスらも融合し、最下位にいることすらおかしい。
投手陣は加藤貴之、上沢直之、伊藤大海の3本柱はリーグトップの18試合以上先発。当たり方によっては、他チームの脅威になる存在だ。来季以降へ見据えて、爪痕を残したい。CS争いは厳しい状況である。
そういうわけで、ペナントレースの行方は1位オリックス、2位ロッテ、3位楽天と予想する。
文●氏原英明
【著者プロフィール】うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『SLUGGER』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設。このほど、パ・リーグ特化のWEBマガジン「PLジャーナル限界突パ」を創刊した。
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パ・リーグは3連覇を狙うオリックスが抜け出した。この2年はシーズン最終盤で追い抜いていただけに、過去2年より充実してシーズンを過ごしていると言える。投手陣はエースの山本由伸を軸として、宮城大弥、山崎福也、山下舜平大が安定。この4人だけで35勝も挙げている。4人の二桁勝利もあり得るだろう。
救援陣も、クローザーは平野佳寿がいるものの、極端に固定しすぎず、連投を減らすマネジメントを今年も続けている。山崎颯一郎、宇田川優希のWBC組が存在感を示し、山岡泰輔がリリーフに回ってチームを救っているのも大きい。
打線は今季好調の頓宮裕真、紅林弘太郎の新しい“顔”がチームを引っ張っているのが面白い。頓宮はかつて左の吉田正尚(レッドソックス)とクリーンアップに並べるつもりで編成がドラフト指名した選手だ。やや遅くに台頭したが、その期待通りの選手になっている。
開幕は2軍でスタートした紅林も冷飯を食べたことが功を奏している。中川圭太、宗佑磨といった去年からのメンバーに加えて、選手をたくさん起用して終盤に備えているところはさすが中嶋聡采配である。まだまだ力を蓄えている。3連覇に死角はない。
2位以下は混戦の様相だ。これからまだまだ順位が変動するだろう。CSはロッテ、楽天が進出するのではないか。
ロッテは投手力が安定している。しかし、数字だけを見ると誤解を招くかもしれない。なぜなら、突出したものがあるわけではないからだ。エースの佐々木朗希が怪我により離脱。エース不在の中で戦っているが、リリーバーも含めて、無理な起用をしていない。チームトップのイニング数は小島和哉の104.1イニングだが、これはリーグで8、9番目の数字。一方のブルペン陣は一人も3連投をした投手がいない。
これはどういうことかと言うと、投手陣はいまだフル回転の起用をしているとは言えず、その中で、現在2位のポジションをキープしているということである。夏場はある程度、打線の方が活発になってくる中で、投手力が効いてくるという予測が立つ。
一方で、攻撃面は課題になる。安田尚憲、山口航輝ら若い世代の台頭は著しい。しかし、他球団の脅威になるところまでは到達しているとは言い難い。主将の中村奨吾がイマイチ波に乗れていないのも気がかりなところだ。夏場に打線が活発になるこの時期に、状態を上げられるかがポイントとなるだろう。
主砲のポランコが4番に座ってくれているのは大きい。また荻野貴司が戦列に復帰、トレードで獲得した石川慎吾などプラス面も大きい。ここから打線がどこまで浮上してくるかが鍵になりそうだ。
楽天は浅村栄斗の復調が大きい。3、4月は打率が1割台に低迷して、チームの中心が機能せず、混乱していた印象だった。浅村が調子を取り戻したため、打線に一本の軸が出てきた。その中で、小郷裕哉、村林一輝といった若い世代がようやく台頭してきた。
もともと、小深田大翔や辰己涼介ら職人タイプの選手はいた。小郷のような豪快な打者が打線に入り、待望の右打者である村林が1番に固定できたのも、チームの状態の良さにつながっている。今季不調だった島内宏明もこのほど復帰した。前半戦は5連敗もあったが、7月に8連勝をマークするなど、上位戦線に食い込むと見ている。
課題は投手陣だ。後半戦に入って投手コーチを配置転換。無茶な起用が多かった前任者に比べて、どうチームをマネジメントしていくか鍵になる。クローザーの松井裕樹が好調。ルーキーの渡辺翔太もセットアップの役割を果たしている。
先発陣も、則本昂大を中心に、岸孝之の状態も上がっている。辛島航らの中堅に加え、早川隆久、荘司康誠ら若手もいて年齢のバランスは良くなっている。投手陣が高いパフォーマンスを維持できれば、まだまだ追いかけることができるはずだ。
ソフトバンクは7月に12連敗を喫するなど急降下している。一時期の最悪な状態は脱したとはいえ、かといって昇り調子になるわけではないのが気がかりな状況だ。
打線は近藤健介、柳田悠岐などが好調を維持している。数字的にも悪くないが、接戦で勝ちきれない印象だ。チーム力の厚みを感じないのがやや不安だ。
投手陣は有原航平がエース級のピッチングをしているが、移籍1年目とあってまだまだ遠慮しがちだ。エース格になるべきはずの石川柊太が3勝止まりと、先発陣の不安定さが気になるところ。リリーフもモイネロが故障で離脱。再整備を進めている段階で、どう改善していくか。このままでは楽天の勢いに屈してしまうのではないか。
西武はソフトバンクより不気味な存在だ。これまで思い通りにいかないことが続いてばかり。開幕からWBC出場の源田壮亮が間に合わず、山川穂高の離脱など、ベストメンバーを組めない状況が続いている。だが、7月末からペイトンや中村剛也が復帰し、投手陣の疲労度も少なく追いかける体勢が整ってきた。
ベストが組めれば、力はある。投手陣は高橋光成がチームを引っ張り、平良海馬、今井達也、與座海人らも安定していて、防御率はリーグトップの位置にいる。投手力を全面に押し出して、打線は若手の台頭を待ちつつ巻き返しを図っているところだ。
エースの帰還とベストを組んでどこまで追い詰めることができるか。楽天、ソフトバンクとの対戦成績がいいだけに、パ・リーグのシーズンを占う意味ではキーになる存在かもしれない。
日本ハムは新庄剛志監督の続投が濃厚とのことだ。若手の成長ぶりは期待感がある。リーグトップクラスの打者に成長しつつある万波中正、清宮幸太郎、野村佑希で組む主軸は夢を抱かせている。松本剛ら中堅世代、マルティネスらも融合し、最下位にいることすらおかしい。
投手陣は加藤貴之、上沢直之、伊藤大海の3本柱はリーグトップの18試合以上先発。当たり方によっては、他チームの脅威になる存在だ。来季以降へ見据えて、爪痕を残したい。CS争いは厳しい状況である。
そういうわけで、ペナントレースの行方は1位オリックス、2位ロッテ、3位楽天と予想する。
文●氏原英明
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