センバツ出場校予想!各地区の選考ポイントを抽出し、運命の32校を占う

センバツ出場校予想!各地区の選考ポイントを抽出し、運命の32校を占う

神宮枠で3校選出になった東海は、中京大中京(写真)と県立岐阜商業が確実だ。写真:徳原隆元

第92回選抜高等学校野球大会(3月19日開幕・阪神甲子園球場)の出場校を決める選考委員会が1月24日(金)に迫った。14日(火)に承認された全国131校の候補校の中から、一般枠29校(神宮大会枠を含む)、21世紀枠3校の計32校が決まる。

 一般選考は、4つの地区別小委員会に分かれて行なわれる。一般枠は秋季大会終了後にある程度の予想はできるが、実際に選考委員会で話し合われると、昨年のようにサプライズと思える選出もあるのが過去の歴史だ。また小委員会は別々の部屋で行われているため、各地区での選考経過に少なからず違いが出てくる。

 地区別小委員会と21世紀枠特別選考委員会ごとに、選考のポイントを探っていきたい。

 各地区の出場枠は以下の通り。

【一般枠の地区別枠数】
北海道:1
東北:2
関東・東京6(関東4、東京1を基数に、残り1枠を両地区で比較)
東海:3(中京大中京が昨秋の神宮大会で優勝したため、神宮大会枠1を加える)
北信越:2
近畿:6
中国・四国5(中国2、四国2を基数に、残り1枠を両地区で比較)
九州:4
 【地区別小委員会1/北海道1枠、関東・東京6枠】
 北海道は例年通り優勝校が最有力。秋の全道初優勝を果たし、神宮大会でも1勝した白樺学園で決まりそうだ。

 関東・東京は、関東4強の高崎健康福祉大高崎、山梨学院、東海大相模、桐生第一と、東京優勝の国士舘がほぼ確定。残り1枠は、関東5番目と東京2番目の比較になる。

 関東5番目の候補が、関東大会の準々決勝で敗れた4チームだ。まず、候補に挙がるのは、1点差の惜敗を喫した花咲徳栄と西武台。両校は埼玉県大会決勝で対戦し、花咲徳栄が勝っている。

 8強組の残る2校は、6点差負けの習志野と桐光学園。サプライズがあるとしたら、千葉1位の習志野か。東海大相模には敗れたが、中盤に一時逆転する場面もあった。関東8強で唯一の公立(市立)校であり、なおかつ前回センバツ準優勝。昨年の横浜のようにセールスポイントを推す可能性は否定できない。

 一方、東京2番目は準優勝の帝京が有力。4強の創価も評価が高かったが、直接対決で帝京がサヨナラ勝ちしている。ただ、帝京は東京大会決勝で国士舘に0対6で完敗。この戦いぶりがどう評価されるか。さらに帝京にとっては、比較される関東5番目がどこになるかが気になるところ。

 関東5番目か、東京2番目か。昨年は及川雅貴(現阪神)を擁する横浜がサプライズと言える選出をされたが、定年により、地区別選考委員長が交代した今年は、難解なラスト1枠にどんな結論を出すのか注目だ。
 【地区別小委員会2/東北2枠、近畿6枠】
 NHK高校野球解説でおなじみの前田正治氏が昨年から地区別小委員長を務める。

 2枠の東北は、東北大会で優勝した仙台育英と準優勝の鶴岡東が順当に選ばれそうだ。

 6枠の近畿は、天理、大阪桐蔭、履正社、智辯学園の4強は確実。残り2枠が焦点になる。

 昨年の選考を振り返ると、近畿大会準々決勝で完敗だった報徳学園が8番目になり、次に7番目ではなく5番目を先に決める方法をとり、同じく近畿大会準々決勝で完敗ながらレベルが高い京都1位校として福知山成美を5番目に選出。最後の1枠を残った市和歌山と大阪桐蔭で相対させ、近畿大会準々決勝がサヨナラ負けだった市和歌山を6番目として選出した。

 この手順の選出方法や報徳を8番目とした判断がやや驚きだっただけに。今年はどうなるか。

 近畿大会の8強組では、奈良大附属が「同県から3校選出しない」というセンバツ大会の内規で、まず脱落候補になる。
  残るは近畿大会の準々決勝で1点差負けの明石商業、壮絶な打ち合いで4点差負けだった智辯和歌山、8回2死からの一発でコールド負けした京都翔英の3校。

 いずれのチームも同府県勢の4強進出チームがなく、3校の間での地域性の差はない。あとは試合内容などだが、単純に負けた試合の点差だけを比較すれば明石商業が5番目、智辯和歌山が6番目になる。明石商業は地元・兵庫で、昨春夏ベスト4の実績なども考えると選出の可能性は高いだろう。

 智辯和歌山に不安があるとすれば、準々決勝で1試合17失点を喫した点だ。また、1回戦で9点をリードしながら2回終了後に降雨ノーゲームとなった。再試合は8対3で勝ったが、降雨ノーゲームの内容も評価の対象になるのかという疑問もわいてくる。

 京都翔英は、8回2死からコールドとなる本塁打を浴びたのがマイナスポイントである一方、昨年の福知山成美と同様に京都1位というのがプラス材料になるか。
 【地区別小委員会3/北信越2枠、東海3枠、九州5枠】
 例年、選考委員の移動距離がもっとも長いのが特徴。今年は東海、北信越と九州で選考委員長を分ける可能性がある。

 4枠の九州は例年通り4強の明豊、大分商業、創成館、鹿児島城西で決まりそう。

 2枠の北信越は、優勝した星稜は確実。残り1枠は、準優勝の日本航空石川と準決勝で星稜にコールド負けした佐久長聖の比較になる。

 日本航空石川は県決勝でも星稜に2対16の大敗を喫しているが、北信越大会での勝利数は佐久長聖より1つ多い。佐久長聖は確かに分が悪いが、北信越で2試合連続完封。星稜にはコールド負けしたが、得点差は7点だった。

 神宮枠で3校選出になった東海は、中京大中京と県立岐阜商業が確実。残り1枠を藤枝明誠と加藤学園の静岡勢で争う。県決勝では藤枝明誠が5対4で勝ったが、東海準決勝ではコールド負け。一方の加藤学園は東海準決勝が延長サヨナラ負けで、2位出場で1回戦からの登場だったため、シード校だった藤枝明誠より東海での勝利数が1つ多い。この点が選考のポイントになりそうだ。
 【地区別小委員会/中国・四国5枠】
 例年通り中国2、四国2は基数のため、中国の倉敷商業、鳥取城北と、四国の明徳義塾、尽誠学園のファイナリスト4校は確実。残り1校を中国と四国の3番目で争う。

 中国の3番目は、優勝した倉敷商業に延長で敗れた広島新庄が優勢と見る。

 一方の四国3番目は高知中央と岡豊の争いだが、四国大会の準決勝はともにコールド負け。県決勝の直接対決では7対1で高知中央が勝っており、四国大会での勝利数が1つ少なくても、優勢と見ることができる。

 3番目同士の比較は、負けた試合と地域性を見れば広島新庄。ただし高知中央は県大会では明徳義塾を破り、初出場を目指す点は評価できるかもしれない。
 【21世紀枠】
 候補は9校。東日本5校(帯広農業、磐城、宇都宮、近大高専、敦賀)、西日本4校(伊香、平田、城東、本部)に分かれて1校ずつを選出し、残り7校の中で地域を限定せずに1校を選出する。

 21世紀枠の選出は、事前の推薦理由書、毎日新聞の特集記事に加え、当日の当該都道府県の理事長が推薦理由を説明するプレゼンテーションを行って3校を決めるため、予想が難しい。

 秋の地区大会成績だけで言えば、北海道大会4強の帯広農、東北大会8強の磐城、三重大会を制し東海大会に出場した近大高専の3校にやや分がある。磐城は東日本大震災と昨年の台風被害に加え、かつて夏の甲子園準優勝経験も推薦理由説明に盛り込まれそうで、ポイントが高いのではという見方もある。
  一方の西日本は激論が予想される。昨年21世紀枠補欠の平田は、推薦理由説明会で推した部内の普及班などの取り組みが、高校野球200年構想にマッチしている。今年も推薦理由説明に盛り込まれるはずだ

 21世紀枠と一般枠の選考は1月24日午前11時にスタートし、午後3時から選出校と選考経過が発表される。
 センバツは予選を持たない招待大会。どの高校に春の招待状が届くだろうか。

取材・文●松倉雄太(スポーツライター)

【著者プロフィール】
まつくら・ゆうた/1980年12月5日生まれ。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『報知高校野球』などに寄稿している。ABCテレビ『速報甲子園への道』、『熱闘甲子園』、スカイA『明治神宮大会中継』などのリサーチャーとしても活動中。
 

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