キャンプMVPのDeNA齊藤俊介「開花宣言」から「満開宣言」へ!3年目のブレイク候補が追い求める“ホールドポイント”と“一発芸”

キャンプMVPのDeNA齊藤俊介「開花宣言」から「満開宣言」へ!3年目のブレイク候補が追い求める“ホールドポイント”と“一発芸”

齊藤は「先発から中継ぎ抑えとどこでもできる投手になります」と力強く語った。写真:金子拓弥(THE DIGEST)

「マウンドでもガッツを見せて、一発ギャグでも存在感を示してくれた。色々な意味で チームに貢献してくれた、と監督に直接言って頂きました」 
 
 キャンプMVPとしてラミレス監督から名前が上がった3年目右腕・斎藤俊介は横浜に戻ってきてもなお、真っ黒に日焼けした顔を綻ばせた。 
 
 スタートから順風満帆とはいかなかったプロ野球生活を送ってきただけに、監督の言葉は余計に心に響いた。

 2017年ドラフト4位、大学、社会人を経て即戦力として期待されて入団した右腕は、ルーキーイヤーのキャンプ時にいきなり右肘痛を発症。「肘を強化していたら、肩が固まって手術するまでになってしまった」と投げられない日々を経て、昨年7月5日にやっと日の当たる場所へたどり着いた。

 ファンフェスティバルの“ひょっこりはん”の仮装で、本業より先に名前を轟かせた齋藤は、遅ればせながら一軍合流した際に、自らの肘と肩の故障をネタに「開花宣言!」と声出しし、チームメイトを爆笑の渦に巻き込んだ。そうしてムードメーカーとして実力を発揮しただけでなく、肝心のピッチングでもブルペン陣の苦しい夏場に、150キロを超えるストレートと、スライダー、フォークを武器に中継ぎとして貢献。7月は7試合、8月は6試合登板した。

 疲れもあり一度ファームでの調整を強いられたが、9月8日には先発として5回1失点の好投を見せるなど、 その実力も「開花」したことを披露した。 
  いい投球はあったものの、昨年度の成績は16試合登坂、0勝1敗、防御率5.76に終わった。プロの舞台を実際に経験したことで課題も明確になり、オフには心と身体の両面を見直した。 

 まず「もう一段階上のストレートの威力を手に入れ、また威力のついたストレートを1年間投げられる持久力をつける」ことをテーマに「このオフは、今までの重さ重視のウエイトから、負荷は軽くしジャンプしたりなど爆発力をテーマにしたウエイトに切り替え、ジャンプを繰り返し行うことで持久力も一緒に鍛えた」と体力強化を図った。
 
 また1月には宮古島でチームの絶対的守護神・山崎康晃の自主トレに参加。プロ野球選手のみならず、各スポーツ界の一流アスリートとともに研鑽を積んだ。同行したトレーナーのもと「爆発力と持久力をつけたいと伝えて、縄跳びなどの跳躍メニューを数多くやりました。 そしてもう一つの課題である胸郭周りの柔軟性もトレーナーさんの指導のもと多くの時間を費やすことができました」と充実した時間を過ごした。 
 
 さらに“アクティングレスト”を目標に掲げる自主トレだけあって「短い時間で集中してやるべきことをやって、終わったらしっかりケアをすることを学びました。また何事もやり過ぎてしまう癖があるので、いい意味で力を抜く、ということが苦手でしたが、一年間戦い抜くためのオンとオフを切り替える術も身につけることができました」とプレッシャーのかかる抑えのポジションで、ルーキーイヤーからケガ知らずの“小さな大魔神”から、心と身体の整え方も伝授された。 
  昨年の投球内容を見直し「自分のピッチングスタイルからしても、バッターにインコースを意識させることが重要」と分析。「右バッターのインコースを狙うとナチュラルに動いていくので意識づけできるが、左バッター対策として胸元にくい込んで行く、スライダーより曲がりの小さいカットボール」の習得に挑んだ。実戦形式でも「まだ精度は高くはないですが、イメージ通り打ち取れるシーンも多々ありますね。成功体験を積み重ねて、新たな武器にします」と力強く語る。

 マスター出来れば、威力を増したストレートとともに「内側を意識させて、外へのフォークなどの勝負球をより有効に」することで、ピッチングの幅は増すだろう。 
 
 そして初めて充実したオフを過ごせたことで、チーム内での存在感アップも狙う。 
 
「昨年はビハインド時の登板で悪い流れを断ち切る役割でしたから、ホールドはつけることができずに終わってしまいました。今年もビハインドで流れを断ち切ることはもちろんですが、少しづつステップアップして、勝っている場面で後ろに繋ぐ場面を任されるようになりたいです。ホールドポイントが付く場面で投げて、チームの勝利に貢献したいと思います」と今シーズンを見据えた。その先には「先発から中継ぎ抑えとどこでもできる投手になります」と、マルチに活躍出来るプレーヤー像を描く。 
  その明るい性格と、コメディアン顔負けのギャグセンスを持つ齋藤は、常に周囲に笑いを求められる。「アップの時に一発芸を任されるのですが、1日の始まりをいい雰囲気でアップに入れるのと、なんとなくアップに入るのとでは全然違いますから」と語り、「自分も一発芸をやるときは思いっきりふざけて、終わったら試合に向けてしっかり気 持ちを切り替えられますしね」と、チームにとっても自分自身にとってもメリットがあると真剣に話した。 
 
 “チームのために”ムードメーカーとしても、もちろん戦力としても重要な存在を目指す齋藤俊介。オープン戦でもセーブが付く場面で起用されるなど、首脳陣の評価も上がっている。 
 
 遠回りしながら昨年「開花」した背番号24は、今年は開幕からファンの歓声を浴び続け 「満開」の花を咲かせる年にして見せる。

写真・取材・文●萩原孝弘(ライター兼カメラマン)

【著者プロフィール】
はぎわらたかひろ。1971年、横浜生まれ横浜育ち。フリーとして野球はDeNAを担当。プロレス、格闘技とともに芸能も手掛ける。

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