史上最強級助っ人タフィー・ローズが26年前のMLB開幕戦で達成した大記録とは?

史上最強級助っ人タフィー・ローズが26年前のMLB開幕戦で達成した大記録とは?

94年開幕戦で意外な大活躍を見せたローズだったがMLBではレギュラーを獲得できず、96年に近鉄へ入団した。(C)Getty Images

新型コロナウイルスの影響により、日本プロ野球は開幕の延期を決定。メジャリーグは少なくとも現段階では、予定通り3月26日(日本時間27日)に開幕を迎える。

 これまで、開幕戦の1試合3本塁打は4人が成し遂げている。その2人目はタフィー・ローズ。後に、近鉄や巨人でプレーし、2001年に王貞治が持つプロ野球記録(当時)に並ぶ年間55本塁打、通算でも歴代13位、助っ人外国人では最多の464本塁打を放ったスラッガーだ。

 今から26年前の1994年4月4日。カブスの「1番センター」としてメッツ戦に出場したローズは、1回裏の先頭打者アーチを皮切りに、3打席続けてリグリー・フィールドのスタンドへ叩き込んだ。相手はサイ・ヤング賞経験もあるドワイト・グッデンだっただけに、カブスファンの熱狂も相当なものだった。この日のローズは4打数4安打、1四球、3打点。続く4打席目と5打席目も、四球とシングルヒットで出塁した。
  ちなみに、ローズの4打席目に4球を投げ、半ば敬遠のように歩かせたエリック・ヒルマンは、翌年から日本プロ野球へ移った。ローズは96〜03年に近鉄/大阪近鉄、04〜05年に巨人、07〜09年にオリックスでプレーし、ヒルマンは95〜96年に千葉ロッテ、97年は巨人で投げた。2人は日本でも96年に対戦しているが(メジャーではこの1打席のみ)、日米のどちらでも本塁打はなかった。

 カブスは8対12で敗れたものの、同じ日に他の球場でプレーした選手を含め、ローズは誰よりも強烈なインパクトを残した。当時は、メジャー5年目の25歳。それまでの4シーズンは計107試合の出場で5本塁打に過ぎなかったが、前年は3Aの123試合で30本塁打を記録した。この開幕戦から2年後に日本でプレーすることになろうとは、まったく想像できなかった。特に、3本塁打とも引っ張らずにセンターの左へ打ち返したところに、将来性を感じさせた。
  けれども、ローズがセンターを守り、ライトのサミー・ソーサとレフトのデリック・メイ(01〜03年に千葉ロッテ)とともに外野トリオを組んだのは6月半ばまで。グレナレン・ヒルにポジションを奪われた。結局、7月半ばのシーズン8本目(通算13本目)が、メジャーでは最後の本塁打となった。

 開幕戦の本塁打は、この3本だけ。ローズはメジャーで6年を過ごしたが、他の開幕戦出場は91年しかない。日本プロ野球では、開幕戦13試合で2本塁打。98年は近藤芳久(ロッテ)、07年は斉藤和巳(ソフトバンク)から打った。
  なお、ローズ以外の開幕戦3本塁打は、ジョージ・ベル(ブルージェイズ/88年)、ドミトリー・ヤング(タイガース/05年)、現レッズのマット・デビッドソン(18年)が記録している。日本プロ野球は、森下重好(近鉄/51年)、田代富雄(大洋/79年)、小早川毅彦(ヤクルト/97年)の3人だ。中でも、前年オフに広島を戦力外になり、先日亡くなった野村克也監督率いるヤクルトに拾われた小早川の3発は、今も多くのファンの脳裏に焼き付いている。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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