【日本ハム野手陣の最終序列は?】外野3ポジションはいずれも不動のレギュラーが君臨。遊撃争いは石井が一歩リードか

【日本ハム野手陣の最終序列は?】外野3ポジションはいずれも不動のレギュラーが君臨。遊撃争いは石井が一歩リードか

オープン戦では中田が絶好調。今季も不動の一塁レギュラーだ。写真:金子拓弥

猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で開幕は延期になったが、いずれの球団も来るべき時に備えて準備を進めている。果たして、日本ハムの野手陣はどのような陣容で開幕を迎えるのか。一軍で出場機会を得られそうな選手を対象に、キャンプやオープン戦で見えてきた現時点での序列を整理する。

<記号の見方>
◎=不動のレギュラー、〇=有力レギュラー候補、△=バックアップ、★=将来のレギュラー、×=故障離脱中/開幕二軍濃厚

【捕手】
〇清水優心
△宇佐見真吾
△石川亮
△鶴岡慎也

 正捕手筆頭候補は清水。持ち前の打力は年々進化していて、守備でも昨年は強肩を発揮していた。3月上旬にヒジの不調を訴え再調整となったが、大きな問題にはならないだろう。ただし日本ハムには不動の正捕手は存在せず、先発投手との相性で出場機会が決まる。というわけで、開幕マスクを被るのはおそらく有原の専属捕手となった宇佐見。元専属の石川も復権を狙う。マルティネスの先発時はコーチ兼任の鶴岡の出番もありそうだ。

【一塁】
◎中田翔
△清宮幸太郎

 オープン戦の中田は絶好調。これまでは絶好球が来ても、力み返って打ち損なうというシーンが多々見られたが、今季はそうしたケースがほとんどなく、右方向への長打も目立っている。シーズン中もこのような打撃を継続できるなら、四番の座も死守できるだろう。守備面で与える安心感も見逃せない。将来的には清宮に守ってほしいポジションではあるが、中途半端な起用になるくらいなら、じっくり二軍で数字を残してからのほうが良い。

【二塁】
◎渡邉諒
△杉谷拳士
△谷内亮太

 昨年1年間を通じてレギュラーを守り続けたことで、渡邉は完全に自信をつけた。具体的な数字としては、最低でも打率.270、15本塁打、出塁率.345くらいは期待したい。6〜7番あたりでこれだけの成績を残せるなら、守備では最低限投手の足を引っ張らない程度でもOKだろう。杉谷は二塁だけでなく外野の控えも兼任し、右の代打としても使われる。オープン戦で当たっている谷内は、内野のユーティリティーとして重宝されそうだ。【三塁】
〇ビヤヌエバ【NEW】
〇横尾俊建

 本来はビヤヌエバに◎をつけたかったところだが、練習試合やオープン戦を見る限り「変化球が打てない→それを警戒して速球に差し込まれる」パターンに陥っている印象。外国人枠を争う王が調子を落とさないようだと、二軍スタートもあり得る。一方、絶好調の横尾も毎年「オープン戦好調→開幕後に失速」を繰り返している。守備でもミスが多く、昨年に続いて不安なポジションとなっている。

【遊撃】
〇石井一成
○平沼翔太
△谷内亮太
×中島卓也

 中島、平沼がキャンプ中に怪我を負ってしまい、石井が一歩リードの状況。守備ではいささか安定感を欠くが、打撃は進歩の跡が見られ、レギュラー獲得の最大のチャンスは絶対に逃せまい。打撃センスのいい平沼はすでに実戦復帰。開幕が延期になったことも手伝って、出遅れを取り返す時間は充分残っている。このままでは守備要員になってしまいそうな中島も奮起したい。谷内も、他の3人とは異なる右打ちの利点を生かして出場機会を窺う。【左翼】
◎近藤健介
△清宮幸太郎

 昨年までは三塁も守っていた近藤だが、守備面での負担と故障の危険性を減らすため、左翼とDHで王との併用になる。春先は打撃の調子が上がっていなかったが、開幕すれば元通りになるはず。昨年手にした最高出塁率のタイトルに続き、今季は目標に掲げている首位打者の可能性も充分。昔取った杵柄で、緊急捕手としての出番もあるかもしれない。もし栗山監督が清宮をどうしても使いたいのなら、ここで起用する方法もあり得る。

【中堅】
◎西川遥輝
△松本剛
△淺間大基
★万波中正

 新キャプテンに就任した西川が不動のレギュラー。昨年は盗塁数を大きく減らしてしまったが、今季は4度目の盗塁王だけでなく、4年ぶりの打率3割でメジャー挑戦権獲得を確実なものとしたい。来季以降の後釜も考えておきたいところで、バックアップにはレギュラーとしての実績もあり、今季は打撃も好調の松本が第一候補。故障がなければ能力の高さは間違いない淺間か、パワフルな打撃が魅力の万波が成長してくれるのが長期的には理想だ。【右翼】
◎大田泰示
△谷口雄也

 昨年は“2番打者最強説”へのこだわりからか、2番で使われることの多かった大田だが、適性は塁に出ることではなく走者を還す役。5〜6番で使われれば本来の持ち味を発揮できるし、昨年以上の成績も見込める。守備での貢献度も高く、守備固めを送る必要がないので、故障しない限りバックアップの選手は出場機会が限られそう。谷口は左の代打としての起用が主な役割になるだろう。

【指名打者】
〇王柏融
△清宮幸太郎

 ビヤヌエバが三塁に定着した場合は二軍行きの可能性もあった王だが、2年目の今季は球の見極めが改善され、ラインナップから外し難い存在になっている。腰の古傷を抱えている近藤とレフトで併用されるだろう。もっとも、清宮に打席数を与えたいと首脳陣が判断すれば、一塁には中田がいるのでDHがベストポジションとなる。王としては、少しでも不調に陥れば外されるかもしれないというプレッシャーをプラス材料に変えたい。

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。

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