「オンリーワンの方がいいなんて言っている甘い奴が大嫌い」強い気持ちが生んだ唯一無二のスタイル【イチローの軌跡をたどる「51」の言葉:哲学編 Vol.2】

「オンリーワンの方がいいなんて言っている甘い奴が大嫌い」強い気持ちが生んだ唯一無二のスタイル【イチローの軌跡をたどる「51」の言葉:哲学編 Vol.2】

「僕は天才ではありません」と語っていイチロー。その理由は果たして…?(C)Getty Images

さまざまなタイトルや打ち立てられた記録とともに、示唆に富んだ言葉が並ぶ。イチローがメジャー19年の間で残した発言には、トップアスリートならではの矜持が凝縮されている。偉業を成し遂げる道中で、研ぎ澄まされた感覚と独自のこだわりが唯一無二の価値観を築き上げた。稀代のヒットメーカーが残した言葉から今一度、その深淵に触れてみよう。

「僕のプレーヤーとしての評価はディフェンスや走塁を抜きにしては測れない。どの部分も人より秀でているわけではないし、全てはバランスと考えています」
(2001年11月20日/MLB1年目で新人王とMVPを受賞。自らのプレースタイルを語って)

「僕は天才ではありません。自分がどうしてヒットを打てるかを説明できるからです」(2002年9月29日/シーズンを終えて、自身を「天才」とは定義していないと説明)
 「メディアと選手は戦っています。お互いが緊張しなくてはいけないし、お互いが育て合う関係だと思います」
(2003年9月28日/シーズン終了後、メディアとの関係にも妥協しない理由について)

「守備や走塁にスランプがないというのは、そこそこのレベルの人の話です」
(2005年11月2日/ゴールドグラブ賞を獲得して、守備と走塁に対する考えを述べる)

「間違いなく似合うと分かっていましたから」
(2006年2月21日/WBC日本代表の練習でジャッキー・ロビンソンスタイルのストッキング履きを披露して)

「出ましたじゃなくて、出しました。全然違います」
(2007年7月10日/オールスターで史上初のランニングホームランを含む3安打の活躍でMVP獲得)

「日本で積み上げてきた安打だけではなく、凡打も僕の技術を磨いてくれた」
(2008年7月29日/日米通算3000安打に到達して「アメリカでのヒットの方がペースが速い」と日本で培った技への誇りをにじませる)

「オンリーワンの方がいいなんて言っている甘い奴が大嫌い」
(2008年9月28日/日米通算3083安打まで伸ばしながら、張本勲の記録に2本届かずシーズンを終えて「ナンバーワン」へのこだわりを口にした)
 「結果はあとからついてくるという感覚は多分持てないだろうし、持ちたくもない」
(2011年2月21日/前年は目標を設定せずにシーズン200安打達成を10年連続まで伸ばしたが、記録を追いかけるスタンスに立ち返る)

「いろんなことが諦められない。そんな自分を諦めることはある」
(2013年8月21日/日米通算4000安打に到達して「諦め」について問われ)

「僕はいっぱい満足します。今日も満足。それを重ねないと駄目だと思うんです」
(2013年8月21日/日米通算4000安打に到達して「満足したら終わりって、とても弱い人の発想」「達成感を感じることで次が生まれる」と持論を展開)

「自分の思いを秘めてやるのが日本人らしいというか、格好いいと思う」
(2014年12月23日/毎年オフに、故郷の愛知県で行っていたイチロー杯で子供たちに我慢の大切さを伝える)
 「これからも応援よろしくお願いしますとは、僕は絶対に言いません」
(2015年1月29日/マーリンズ入団会見で、応援してもらえる選手であろうとし続ける姿勢を改めて表明する)

「かなり確率が高いタイミングでしか行かない」
(2016年4月29日/通算500盗塁を達成して、「最も難しい」とする走塁に対する考えを披露)

「2位じゃ駄目なんですよ。忘れ去られちゃう」
(2017年10月1日/代打のシーズン最多28安打まで1本届かず)

「50歳までという話をされることが多いですけど、僕は最低50歳といつも言っているので、そこは誤解しないでほしいですね」
(2018年3月8日/マリナーズへの復帰会見で、現役を続けることに対しての強い決意を口にする)

「人より頑張ることなんて、とてもできない」
(2019年3月21日/現役引退会見で「自分の限界を少し超えていく」ことが大切と説く)

文●藤原彬
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『スラッガー』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。
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