【斉藤和巳のセ・リーグ順位予想】ヤクルト以外が混戦模様!?「ブルペンに活気を感じた」中日の躍進に期待!

【斉藤和巳のセ・リーグ順位予想】ヤクルト以外が混戦模様!?「ブルペンに活気を感じた」中日の躍進に期待!

キャンプで見た中日投手陣の状態を見て、斎藤氏は“昇り龍”を感じたという。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

3月20日に予定されていたプロ野球の開幕が、新型コロナウイルスの影響で4月10日以降に延期になり、さらに24日へと先送りされた。現時点で明確な再開の見通しは示されていないが、過去に例を見ない変則的なスケジュールになるのは間違いないだろう。そんな過酷なシーズンを、野球解説者たちはどう見ているのか。現役時代はプロ野球史上7人目の投手五冠を達成し、パ・リーグ初の沢村賞を複数回受賞した斉藤和巳氏に、今季の順位を予想してもらった。

【斉藤氏のセ・リーグ順位予想】
1位 広島
2位 中日
3位 巨人
4位 阪神
5位 DeNA
6位 ヤクルト

 セ・リーグは、ヤクルト以外は混戦です。どこも決め手がないですね。ただ、その中では少し広島がいいかな、と思います。大きな不安要素としては先発陣です。大瀬良大地、ジョンソンはいますが、他は何とも言えません。ドラフト1位の森下暢仁はかなり能力が高いとはいえ、新人が3番手に名前が上がるようでは……。

 一方で、打線の評価はかなり高いです。バティスタ退団は得点力やオプションの幅が少なくなるという意味で確かに痛いですが、逆に言えば外国人枠を投手3人に使うこともできますし、また総合的には彼の貢献を補える選手はいます。いればプラスですが、いなくても大丈夫です。昨年不振だった田中広輔も今年は状態が良さそうですし、小園海斗の存在が良い刺激になっていい競争が生まれていくと思います。
  中日の2位予想は、完全な期待値です。昨年はチーム防御率がリーグ3位、打率は1位と投打のバランスが良くなっていました。1点差試合で19勝27敗と負け越すなど、接戦の弱さが改善されれば浮上は大いにあると思います。

 今年のキャンプでブルペンを見た時、久しぶりに活気の良さを感じました。評論家になって1年目(2014年)の頃は賑わっていたのですが、ここ数年はチームの低迷と歩調を合わせるように活気を感じなかったんですね。それが今年は良い雰囲気になっていて。

 根尾昂、石川昂弥は期待を集めていますが、まだ一軍の戦力としてカウントするのは早すぎます。ただ、石川は方々からの評価が非常に高いですね。根尾も良い刺激をもらえているのではないでしょうか。2人が今後、中日を担っていくのは間違いないですね。

 巨人は投手力が厳しいと思っているので3位です。名前が出てこないですよね。菅野智之、メルセデス……次ぎに来る選手がなかなかいない。最近は若手が育っていないですし、首脳陣のコメントからも期待している選手の名前が挙がっていないような気がします。山口俊(現トロント・ブルージェイズ)が昨年稼いだ15勝をどう補うのか、簡単ではないでしょう。
  一方、阪神は兎にも角にも打線でしょう。期待されている選手が毎年、それに応えることができていません。ベテランの糸井嘉男、福留孝介に頼っているようでは厳しいですね。彼らをしっかり休ませながらプレーさせる環境を作らないとダメです。ピッチャーも、藤川球児は素晴らしい投手ですが、彼を抑えから押し退けるくらいに勢いのある選手が出てこないと。一年だけでなく、継続して活躍できる選手が出てきてほしいですね。

 巨人も阪神もマスコミがうるさいチームではあるので、選手はそうしたプレッシャーとも戦わないといけないのは大変ではあります。特に阪神はより厳しいので、若手が出づらい環境なのかもしれませんね。ただ、シーズン終盤は6連勝を挙げて大逆転でCSに進出したように、そういう力はあるはずですから、頑張ってほしいと思っています。

 DeNAは筒香嘉智(現タンパベイ・レイズ)の穴も大きいですが、リリーフ陣がカギでしょう。なかなか山ア康晃の前の投手が固定されないですし、連勝したら連敗する波の大きさも気になります。結局は先発陣がまだまだなので、安定した戦いができないんでしょうね。

 筒香に代わる新キャプテンの佐野恵太への期待は大きいです。ただ、今までレギュラーで出場していた選手ではないだけに、過度の期待は禁物です。周りがしっかりサポートして、筒香の穴を埋めていきたいです。
  ヤクルトは投打ともに不安要素しかないです。バレンティンがソフトバンクへ移籍してしまったので、誰が代わりに4番を打つのか。打撃のチームだけに、得点力が落ちてしまっては苦しいでしょう。首脳陣は攻撃力がダウンした一方で守備の面でプラスαがある、というコメントをしていますが、はるかにマイナスの方が大きいのでは?

 ドラフト1位の奥川恭伸は非常に高いポテンシャルを持っていますが、投手がいないからといって、彼をすぐに一軍に上げるようなことをしては、木を見て森を見ずという感じです。将来のヤクルトを担う選手なので、大事に育成してほしいと思います。どんなに苦しくても、今後数年を見据えて、しっかり時間をかけて、我慢することが大事です。

 いかに先発を育てていくか。ベテランの石川雅規が開幕投手になるようでは、本当に苦しい。小川泰弘も含めて、彼らをローテーションの4番手、5番手に追いやるような選手が出てこないと。石川は素晴らしい選手ですし、僕の中では最も過小評価されていると感じています。

 あれだけ小柄な体格にもかかわらず、大きな故障なく、ずっと一軍で投げ続けるのがどれだけ難しいことか。僕はその難しさがよく分かります。だからこそ、石川という素晴らしいお手本が身近にいるのですから、若手は気持ちの面も技術的な部分も、彼から多くを吸収して成長してほしいですね。

【著者プロフィール】
さいとう・かずみ/1977年11月30日、京都府京都市出身。1995年ドラフト1位で福岡ダイエー(現ソフトバンク)に指名されてプロ入り。2003年にパ・リーグ18年ぶりとなる20勝の大台をクリアし、最多勝・最優秀防御率・最高勝率のタイトルを獲得して沢村賞に選ばれた。06年にはプロ野球史上初の開幕15連勝を達成するなど、史上7人目の投手五冠を達成して自身2度目の沢村賞を受賞。その後は故障もあって13年限りで現役を引退し、以降は評論家・解説者に転身。
 

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