現役メジャーリーガーが選んだ「絶対に負けられない試合」に歴代レジェンドがズラリ。ハーパーの興味深い人選に注目!

現役メジャーリーガーが選んだ「絶対に負けられない試合」に歴代レジェンドがズラリ。ハーパーの興味深い人選に注目!

通算630本塁打を放ったグリフィーJr.(左)とヤンキースを5度の世界一に導いたジーター(右)。もちろん、どちらも殿堂入りを果たしている。(C)Getty Images

MLBの公式インスタグラムには、メジャーリーガーが選んだ「マスト・ウィン・ラインナップ」がアップされている。「マスト・ウィン」とは、絶対に勝たなければいけない試合、何が何でも勝ちたい試合を意味する。具体的には、ワールシリーズ第7戦などがそれに当たる。

 今のところ、ラインナップは5つ。クリスチャン・イェリッチ(ブルワーズ)、ブレイク・スネル(レイズ)、ジャック・フラハティ(カーディナルス)、ブライス・ハーパー(フィリーズ)に、昨シーズン限りで引退したCC・サバシアのセレクションだ。順に紹介してこう。

■イェリッチ
1 デレク・ジーター    SS
2 ケン・グリフィーJr.    CF
3 アルバート・プーホルス    1B
4 バリー・ボンズ    LF
5 ハンク・アーロン    RF
6 チッパー・ジョーンズ    3B
7 ジョニー・ベンチ    C
8 クレイグ・ビジオ    2B
9 ノーラン・ライアン    SP

■スネル
1 デレク・ジーター    SS
2 マイク・トラウト    LF
3 ケン・グリフィーJr.    CF
4 ハンク・アーロン    RF
5 デビッド・オティーズ    DH
6 ルー・ゲーリッグ    1B
7 アレックス・ロドリゲス    3B
8 ロッド・カルー    2B
9 イバン・ロドリゲス    C
  ランディ・ジョンソン    SP
 ■フラハティ
1 デレク・ジーター    SS
2 ケン・グリフィーJr.    CF
3 アルバート・プーホルス    1B
4 バリー・ボンズ    LF
5 ハンク・アーロン    RF
6 チッパー・ジョーンズ    3B
7 ヤディアー・モリーナ    C
8 ロベルト・アロマー    2B
9 ボブ・ギブソン    SP

■ハーパー
1 カル・リプケンJr.    SS
2 ケン・グリフィーJr.    CF
3 ミッキー・マントル    RF
4 マイク・トラウト    LF
5 マイク・シュミット    3B
6 ジミー・フォックス    1B
7 チェイス・アトリー    2B
8 ジョシュ・ギブソン    C
9 クリフ・リー    SP
  チャーリー・マニエル    監督

■サバシア
1 リッキー・ヘンダーソン    LF
2 ロベルト・アロマー    2B
3 ケン・グリフィーJr.    CF
4 バリー・ボンズ    LF
5 フランク・トーマス    1B
6 チッパー・ジョーンズ    3B
7 マニー・ラミレス    DH
8 ヤディアー・モリーナ    C
9 オマー・ビスケル    SS

 スネルはDHを採用し、10人を選出。サバシアも同様だが、こちらは自分自身が投げる設定なのか、先発投手がいない。ハーパーは9人に加え、監督も選んだ。
  ポジション別に見ると、センターだけは満場一致。1990年代最高のスーパースターとして活躍したケン・グリフィーJr.だ。選者のうち、サバシア以外の4人は91〜95年に生まれた。物心ついた時、スーパースターとして最初に覚えた選手がグリフィーJr.だったのかもしれない。中でもスネルはシアトル出身だけに、マリナーズで長く活躍した“ザ・キッド”には特に思い入れが強いはずだ。ちなみに80年生まれのサバシアはグリフィーJr.とメジャーの舞台で対戦したことがある。結果は17打数4安打の打率.235、本塁打は打たれなかった。

 次いで共通する選手が多いのは三塁手と遊撃手、ライトだ。それぞれ3人が、チッパー・ジョーンズとデレク・ジーター、ハンク・アーロンを揃って挙げた。アレックス・ロドリゲスではなくジーターが選ばれているのは、やはり大舞台の強さが印象深いからだろう。「マスト・ウィン」の試合にはやはりA-RODよりジーターの方がふさわしい。
  意外にも、ベーブ・ルースは誰からも選ばれていない。一塁手のルー・ゲーリッグ(スネル選出)とジミー・フォックス(ハーパー選出)は、ルースと同時代に活躍した選手であることを考えると、なおさら興味深い。ゲーリッグはヤンキースでルースとともにプレーし、31年は2人で本塁打王を分け合った。その翌年と翌々年は、フォックスがア・リーグ1位、ルースが2位だった。

 ハーパーの選出もいろいろな意味で興味深い。まず、シュミット、アトリー、リー、マニエルとフィリーズと縁が深い選手を多く選んでいる点。マントルはハーパーが幼い頃から憧れていた選手で、ナショナルズ時代の背番号34には「3+4=マントルの背番号7」という意味が込められている。また、捕手に選んだジョシュ・ギブソンは、メジャーリーグではプレーしていない選手だ。1930〜40年代にニグロリーグで活躍したギブソンは“黒いベーブ・ルース”の異名を取った強打者で、非公式ながら通算800〜1000本のホームランを打ったという伝説を残している。
  なお、このインスタグラムのコメント欄には、ファンも自分の思い描くラインナップを書き込んでいる。そこには、ディー・ゴードン(マリナーズ)も参加。ゴードンはアフリカン・アメリカンだけのラインナップを組んでいる。こちらは、中継ぎとクローザーも選出。後者に挙げたのは、もちろん父のトムだ。
 ■ゴードン
1 リッキー・ヘンダーソン    CF
2 バリー・ボンズ    LF
3 ケン・グリフィーJr.    RF
4 ハンク・アーロン    DH
5 ジョシュ・ギブソン    C
6 ゲリー・シェフィールド    3B
7 デレク・リー    1B
8 バリー・ラーキン    SS
9 オジー・スミス    2B
  サチェル・ペイジ    SP
  リー・スミス    MR
  トム“フラッシュ”ゴードン    CL

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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