【世代別で見るプロ野球】2人のメジャーリーガーを輩出した「雄星・筒香世代」と人気者揃いの「山田・千賀世代」

【世代別で見るプロ野球】2人のメジャーリーガーを輩出した「雄星・筒香世代」と人気者揃いの「山田・千賀世代」

筒香(左)は今季からメジャーに挑戦。山田は今オフに国内FA権を取得する見込みだ。(C)Getty Images、THE DIGEST

プロ野球は世代別で見ると面白い。

 現在の球界で最も存在感を示している1988年度生まれの世代(以下、88世代)、89年度生まれの世代(以下、89世代)を脅かそうとしているのが、91年度生まれの世代(以下、91世代)と92年度生まれの世代(以下、92世代)だ。

 91世代は「雄星・筒香世代」と言い換えてもいい。菊池雄星(シアトル・マリナーズ)と筒香嘉智(タンパベイ・レイズ)、日本球界からメジャーリーグに活躍の場を移した2人は、高校時代からドラフトの目玉として大きな注目を浴びながら、当時からメジャー挑戦を前提として成長のステップを踏んできた。

 この2人が世代全体を引っ張っているのは間違いない。実力だけでなく、筒香は野球界の在り方について積極的に発信を続け、菊池もこれに追随するなど、フィールド外での影響力も非常に大きい。
  彼らに続くのがソフトバンクの2人だ。クローザーとして圧倒的な存在感を誇る森唯斗と、ショートストップとしてゴールデン・グラブ賞5度を誇る今宮健太である。

 今宮は高校時代から菊池、筒香と並ぶ目玉選手と注目され、09年の春・夏ともに甲子園で菊池と対戦している。この2人は、プロに入ってからも強烈に意識し合っていたことで知られる。

 大卒組では大瀬良大地(広島)、山川穂高(西武)が筆頭格だ。18年にリーグ最多勝のタイトルを獲得した大瀬良は、高3夏の甲子園に出場し、1回戦では菊池と投げ合っている。九州共立大進学後、メジャーのスカウトからも声をかけらるようになるほど成長を遂げ、ドラフト1位でプロ入りした。

 一方、高校・大学時代はほぼ無名の存在だった山川は、一昨年、昨年と2年連続本塁打王に輝くなどプロ入り後に大成。筒香とはまったくアプローチが異なる豪快なスウィングで観客を魅了する。お互いのバッティングをどう見ていたのか、聞いてみたいものである。
 
 91世代の他の主な選手としては、岡田俊哉(中日)、原口文仁(阪神)秋山拓巳(阪神)が挙げられる。3人とも高校時代に甲子園に出場し、そのままプロ入りした。
  92世代はとにかく実力者・人気者が多い。トリプルスリーを史上最多の3度も達成した山田哲人(ヤクルト)を筆頭に、昨年ノーヒッターを成し遂げた千賀滉大(ソフトバンク)、2年連続セーブ王の山崎康晃(DeNA)と、侍ジャパンの常連でファンからの人気も高いスタープレーヤーが居並ぶ。

 日本ハムのスピードスター・西川遥輝やソフトバンクの強肩捕手・甲斐拓也、源田壮亮&外崎修汰の西武の二遊間コンビ、阪神でキャプテンを務める糸原健斗もこの世代だ。投手ではクローザーとしてカープのリーグ3連覇に大きく貢献した中崎翔太、昨季のパリーグ最多勝投手・有原航平(日本ハム)もいる。
  個人的に、この世代で特に印象深いのは関西の高校出身の4選手だ。イの一番に有名になったのは、智弁和歌山高出身の西川。入学直後の県大会で4試合連続の本塁打を放って話題の選手となり、その年の夏から甲子園出場を果たしている。高校2年夏の甲子園には、西川とともにP L学園の吉川大幾(現巨人)と天理高の中村奨吾(現ロッテ)も出場した。

 実は、この時点で山田(履正社高)の名前を知る関係者はそれほど多くなかった。彼の名が一気に聞こえてくるようになったのは、3年春の大阪府大会から。この大会で優勝すると、夏は前年秋に敗れた吉川擁するPLにリベンジを果たして甲子園出場。甲子園では初戦で、小・中学時代から同じリーグにいた中村がいた天理と対戦。ここで天理を破って、一気にトップ評価を得るようになったのだ。

 その山田は今季中に国内FA権を取得の見込みで、数年前からMLB移籍の噂も囁かれている。また、千賀、山崎、有原、西川の4人はすでにメジャー志望を公の場で口にしている。

 近い将来、88世代や89世代に取って代わる世代になるかもしれない。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

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