強肩の加藤、ルーキー郡司に打力が持ち味の木下拓…2020年ドラゴンズの司令塔は誰だ!?

強肩の加藤、ルーキー郡司に打力が持ち味の木下拓…2020年ドラゴンズの司令塔は誰だ!?

新人の郡司(左)は選球眼も含めた攻撃力とインサイドワークが持ち味。強肩が魅力の加藤は打力向上が正捕手定着の絶対条件だ。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

レジェンド・谷繁元信の引退以降、正捕手不在が慢性化している中日ドラゴンズ。捕手以外のレギュラーがほぼ固定されている中、絶対的レギュラー不在の捕手はチームの大きな弱点となっている。セ・リーグにおける昨季の捕手打撃成績を見てみると、その差は一目瞭然だ。

●2019 セ・リーグ捕手打撃成績
広島   打率.270 本塁打17 OPS.805
阪神   打率.267 本塁打12 OPS.723
ヤクルト 打率.253 本塁打6 OPS.705
巨人   打率.266 本塁打9 OPS.678
DeNA  打率.234 本塁打11 OPS.667
中日   打率.210 本塁打3 OPS.543

 8年ぶりのAクラス入りを狙うにあたり、弱点となっている正捕手の存在は必要不可欠。正妻候補たちの長所や弱点を整理しながら、今季のレギュラー争いを占ってみよう。
  現時点で正捕手候補筆頭と言えるのは、ドラフト4位ルーキーの郡司裕也だ。オープン戦ではボール球にはほとんど手を出さない好球必打ぶりで、持ち前の選球眼を遺憾なく発揮した。ストライクゾーン内のボールを的確に捉え、打率.357、OPS.955と猛アピール。また二軍戦では得点圏に走者を置いた場面において、軽打で打点を稼ぐクラッチヒッターとしての一面も披露。打力ではチームの捕手陣で頭一つ抜けていると言っていいだろう。

 一方で、守備にはまだ改善の余地が残る。まだ致命的なミスこそないが、スローイングやフレーミングではライバルの木下拓哉や加藤匠馬に見劣りするのは否めない。スタメンマスクの機会は多く与えられるはずだが、まずは併用からスタートすることになるだろう。

 攻守に総合力の高さが光るのは木下拓だ。昨季は加藤に次ぐ出場機会を得ると、少ない打席数ながら2本塁打を放ち長打力をアピールした。守備も安定感があり、特にフレーミングの巧みさはチーム随一。郡司の成績次第では、一気に正捕手の座に就いてもおかしくない。
  一つ課題を挙げるなら、コンタクト能力の低さだろうか。打撃はパワフルだが確実性に欠け、特に郡司と比較すると空振りの多さが目立つ。ファームでの通算OPSは.861で、すでに二軍レベルは卒業。今季こそは一軍でしっかり結果を残したい。

 強肩を武器に昨季チーム最多の92試合にマスクをかぶった加藤は、現状では3番手。代名詞の加藤バズーカは昨季の盗塁阻止率こそ.286と飛び抜けた数字ではないが、抑止力としては十分機能する。巧みなフレーミングも強みで、昨季は大野雄大、柳裕也から女房役として多く指名されるなど投手からの信頼も厚い。

 それでも3番手評価に留まるのは、致命的な打力の弱さが理由だ。長打力に乏しいだけでなくコンタクト能力にも難があり、かつボール球の見極めにも弱点を抱える。前述の通りライバル球団における捕手の打力はここ数年で格段に向上しているので、加藤を正捕手に固定するのは正直心許ない。今季の起用法としては大野雄・柳の専属捕手か、試合終盤からの守備固め起用が現実的だろう。
  一軍捕手は以上の3人がメインになると予想する一方で、二軍では石橋康太に「将来の正捕手」としての英才教育を施したい。試合数削減も視野に入る今季の状況だと、昨季後半戦のような「経験を積ませるための一軍帯同」の余裕はないと思われるので、今年は土台固めの一年となる可能性は高い。ただ石橋も攻守ともにポテンシャルは十分のため、上に挙げた3人が結果を出せなければ、実力でチャンスを勝ち取ってもおかしくないことは付け加えておく。

 大野奨太や桂依央利は、オープン戦での起用状況を見るに開幕二軍が濃厚だ。若手の台頭が著しい現状では出場機会も限られるだろうが、両者の捲土重来にも期待したい。

 今季の先行きは未だ不透明だが、激しい正捕手争いの末にチーム力が向上することを願いつつ、静かに開幕の時を待ちたいと思う。

文●ロバートさん (@robertsan_CD)

【著者プロフィール】
1988年生まれ。Twitterにて中日ドラゴンズの戦力分析・考察を行う中日ファン。中日新聞プラスにて「データで考える中日ドラゴンズ」を連載中。

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