【2020ドラフトのダークホースは?】常総学院が誇る菊地&一條の二枚看板は、今後の活躍次第で急浮上の可能性十分

【2020ドラフトのダークホースは?】常総学院が誇る菊地&一條の二枚看板は、今後の活躍次第で急浮上の可能性十分

身長190cmを超える大型右腕の一條。まだ線は細いが、ポテンシャルは相当高い。(写真)大友良行

新型コロナウイルス感染拡大はプロ野球のペナントレースだけでなく、スカウティングにも大きな影響を与えている。アマチュア野球も各カテゴリーで大会の中止、延期が相次いでおり、スカウト活動は実質休止となっている。ドラフト候補となる選手にも辛い時期が続いているが、そんな時だからこそ有望選手を積極的に紹介していきたい。今回は、今後の活躍次第で上位指名への浮上する可能性がある選手をピックアップした。

 まず高校生。投手では常総学院高の菊地竜雅、一條力真の右腕2人が面白い。菊地はがっちりとした体格のパワーピッチャー。昨年夏の茨城大会では背番号11ながら主戦として活躍し、4回戦の東洋大牛久高戦では最速150キロもマークした。良いボールと悪いボールの差が大きく、ばらつきがあるのは課題だが、好調時の投球は迫力十分だ。
  一條はまだまだ細く身体つきは頼りないものの、190cm近い長身を上手く使いこなすセンスの良さが光る。秋は菊地を抑えて背番号1を背負い、チームの関東大会進出にも貢献した。身体ができれば見違えるようなボールを投げるようになりそうな雰囲気が漂っている。

 関東では篠木健太郎(木更津総合高)も指折りの実力者だ。細身だが下半身主導の躍動感あふれるフォームとシャープな腕の振りが特長で、140キロ台のストレートと鋭く変化するスライダーを駆使した投球は西勇輝(阪神)を彷彿とさせる。木更津総合は目玉クラスの選手でなければ高校から直接プロ入りはしないという五島卓道監督の方針のため進学の可能性は高そうだが、志望届を提出すれば十分に指名されるレベルの投手である。

 完成度の高さでは昨年夏の甲子園でも好投した笠島尚樹(敦賀気比)と岩崎峻典(履正社高)、スケールの大きさでは山下舜平大(福岡大大濠高)と川瀬賢斗(大分商高)の九州勢などが挙げられる。
  捕手で候補になるのが須永武志(前橋育英高)、古谷将也(成田高)、牧原巧汰(日大藤沢高)、内山壮真(星稜高)、関本勇輔(履正社高)の5人。捕手らしさで言えば須永と関本が少し上という印象だが、他の三人も攻守に見どころ十分で、夏まで注目を集めることになるだろう。

 それ以外の野手ではショートに好素材が多く、入江大樹(仙台育英高)、津田啓史(横浜高)、相羽寛太(静岡高)、中山礼都(中京大中京高)土田龍空(近江高)、宗山塁(広陵高)の名前が挙がる。走攻守のバランスでは中山がわずかにリードか。他のポジションではともに強打の三塁手である佐々木泰(県岐阜商高)と西野力矢(大阪桐蔭高)も注目の存在だ。
  大学生投手は上位候補で紹介した選手以外にも楽しみな選手が多く、河村説人(星槎道都大)、大道温貴(八戸学院大)、山野太一(東北福祉大)、赤上優人(東北公益文科大)、入江大生(明治大)、今西拓弥(早稲田大)、中川颯(立教大)、村上頌樹(東洋大)、内間拓馬(亜細亜大)、平内龍太(亜細亜大)、小郷賢人(東海大)、有村大誠(立命館大)、吉川貴大(大阪商業大)、益田武尚(北九州市立大)などの名前が挙がる。

 総合力では大道、山野、村上が高く、先発候補として期待できる。スケールの大きさでは河村、入江、今西、平内が目立ち、スピードでは赤上、小郷がコンスタントに150キロを超える。

 大学生野手では一芸が目立つ選手が多い。瀬戸西純(慶応大)、矢野雅哉(亜細亜大)、小川龍成(国学院大)、児玉亮涼(九州産業大)の4人はショートの守備名人。全員が高い守備力を誇るが、中でも目立つのが児玉だ。165cmの上背ながら広い守備範囲を誇り、プレーのスピードは頭一つ抜けている。小坂誠(元ロッテ)のようにプロでも守備で生きていける可能性があるだろう。
  遠くへ飛ばす力であれば赤尾光祐(東海大北海道)、三井健右(立教大)、渡部健人(桐蔭横浜大)、平良竜哉(九州共立大)の4人が際立っている。いずれも打つ以外のプレーは目立たないが、強打者タイプの需要は高まっているだけに指名の可能性もあるだろう。

 足では並木秀尊(独協大)がピカイチだ。首都大学二部所属ながら、昨年秋には日本代表候補に選出され、選考合宿では上位候補の五十幡亮汰(中央大)に匹敵するスピードでアピールした。肩も強く、打撃に力強さが出てくれば荻野貴司(ロッテ)のような外野手になれるだろう。捕手は萩原哲(創価大)、山崎基輝(東洋大)、立松由宇(立正大)、栄枝裕貴(立命館大)の4人が攻守に力のある実力者として注目だ。
  社会人の投手では山本晃希(日本製鉄かずさマジック)、平川裕太(鷺宮製作所)、伊藤優輔(三菱パワー)、森田駿哉(Honda鈴鹿)、松本竜也(Honda鈴鹿)、大江克哉(NTT西日本)、川瀬航作(日本製鉄広畑)などの名前が挙がる。どの投手も良さはあるものの、上位候補の栗林良吏(トヨタ自動車)に比べると安定感、完成度はまだまだという印象は否めない。

 野手は、捕手では高い守備力が光る辻本勇樹(NTT西日本)、内野手ではともにリードオフマンタイプでスピードとシュアな打撃が光る上川畑大悟(NTT東日本)と中野拓夢(三菱自動車岡崎)、外野手では三拍子揃った向山基生(NTT東日本)と逢沢峻介(トヨタ自動車)などが候補になる。

 ただ、7月に予定されていた日本選手権とその出場枠を賭けた各地での対象大会が全て中止となったのは候補選手にとっては大きな痛手だ。今後は、数少ない実戦の場でいかにアピールできるかが重要になるだろう。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる。ドラフト、アマチュア野球情報サイト「PABBlab」を今年8月にリリースして多くの選手やデータを発信している。

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