「ブルペンから内野手の声が聞こえた」「早く試合が終わってほしい」無観客試合を経験したメジャーリーガーの証言

「ブルペンから内野手の声が聞こえた」「早く試合が終わってほしい」無観客試合を経験したメジャーリーガーの証言

無観客で行われた5年前のオリオールズ対ホワイトソックス戦。ネット裏に陣取っているのはスカウトたちだ。(C)Getty Images

MLBは今、早期開幕を目指してさまざまなアイデアを検討している。どんな形でシーズン開幕が実現するにせよ、少なくとも当面の間は無観客試合になることだけは間違いなさそうだ。

 実は、MLBでは今から5年前に無観客試合が行われている。2015年4月29日にオリオールパーク・アット・カムデンヤーズで行われたボルティモア・オリオールズ対シカゴ・ホワイトソックスの一戦だ。地元警官の黒人への暴力事件に端を発した暴動のため急きょ無観客となったこの試合について、ウェブメディア『ジ・アスレティック』が選手やアナウンサーの回想をまとめて記事にしている。

 ファンが一人もいない状況で試合をするのは、選手たちにとってやはり相当な違和感があったようだ。オリオールズの捕手だったケイレブ・ジョセフは試合前のブルペンで先発投手のウバルド・ヒメネスのボールを受けている時、「すげえ、200マイル出ているぞと思った」。ボールがミットに収まる音が球場中にこだまするような感覚に襲われたという。
  選手たちの心に最も強い印象を残したのは、無人の客席から何一つ音がしないことだったようだ。ホワイトソックスの控え捕手だったタイラー・フラワーズによれば、「どちらのチームも(選手同士の)会話がいつもよりだいぶ少なかった。話していることが全部聞こえてしまうからね。相手側のダグアウトの話も聞こえるくらいだった」と回想。「外野のブルペンから内野手のおしゃべりが聞こえた」との証言もある。

 ホワイトソックスの解説者は放送席からネクストバッターズ・サークルにいたアダム・ジョーンズ(現オリックス)に「アダム、調子はどうだい?」と声をかけたら、返事がきたという。それほどまでに静かだったということだ。

 熱気や歓声がまったくないという状況は、選手のやる気にも影響を与えたようだ。ホワイトソックスの先発投手としてマウンドに立ち、初回に6点を失ったジェフ・サマージャは「球場の音や喧噪に慣れっこになっていた。なくなってみないとありがたみが分からないものさ」と振り返っている。「空っぽな気分だった。どちらのチームも早く試合が終わってほしいと思ったはずだ」という声もある。

 この時は1試合限り(結果はオリオールズが8−2で快勝)だったが、今年すべての公式戦で無観客試合になるとしたら、選手たちにどんな影響を与えるのだろうか。

構成●スラッガー編集部

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