殿堂入り式典が1年延期へ。来年は現役時代にしのぎを削ったジーターとシリングがともに表彰される?

殿堂入り式典が1年延期へ。来年は現役時代にしのぎを削ったジーターとシリングがともに表彰される?

現役時代に何度も対戦したジーター(左)とシリング(右)。来年の殿堂入り式典ではそろって表彰されることになるかもしれない。(C)Getty Images

デレク・ジーターらの殿堂入りセレモニーの延期が決まった。例年、セレモニーは7月下旬に殿堂のあるニューヨーク州クーパーズタウンで行われる。今年は7月24〜26日に予定されていて、記者投票で選出されたジーターとラリー・ウォーカーに加え、モダン・ベースボール委員会が選んだマービン・ミラー(故人)とテッド・シモンズ、4人のプラークが殿堂に飾られることになっていた。それが1年延び、来年の7月23〜26日に21年度の殿堂入りメンバーととともに表彰されることになった。

 21年度の殿堂入りメンバーはもちろんまだ決まっていない。引退から5年を経て初めて投票にかかる候補に、ジーターのような殿堂入り間違いなしの選手は見当たらない。最も殿堂に近いのは、次が9度目の選考となるカート・シリングだろう。

 最多勝と奪三振王に各2度輝き、通算216勝を挙げたシリングは20年度の投票で得票率70.0%を記録した。これは得票率99.7%のジーターと76.6%のウォーカーに次ぐもので、あと20票多ければ殿堂入りに必要な75%に達していた。シリングの得票率は、ここ3度続けて前年比5%以上もアップしていて、来年のセレモニーではジーターらとともに新たな殿堂選手としてスピーチを行うことになってもおかしくない。
  ジーターとシリングは、どちらもメジャーで20年間プレーした。そのうち、1995〜07年の13年間は、時期が重なっている。レギュラーシーズンの対戦は、打率.327(55打数18安打)。ジーターに分がある。けれども、ポストシーズンは打率.154(13打数2安打)にシリングに軍配。。それだけでなく、シリングは2度にわたり、ジーターがキャプテンを務めるニューヨーク・ヤンキースの前に立ちふさがった。

 01年のワールドシリーズで、アリゾナ・ダイヤモンドバックスはヤンキースの4連覇を阻んだ。その原動力となったのは、シリーズMVPを分け合ったランディ・ジョンソンとシリングだ。第1、4、7戦に先発したシリングは、いずれも7イニング以上を投げて2失点以下に抑えた。ちなみに、延長戦に入った第4戦はジーターのサヨナラ本塁打で決着。試合が深夜まで及び、終わった時には日付が10月31日から11月1日になっていたことから、ジーターは“ミスター・ノーベンバー”と呼ばれた。
  その3年後、ボストン・レッドソックスにいたシリングは、ヤンキースを再び倒した。ヤンキースと対戦したリーグ優勝決定シリーズで、レッドソックスは3連敗から4連勝。ワールドシリーズも制し“バンビーノの呪い”を解いた。シリングはリーグ優勝決定シリーズの初戦に右足首の腱を痛めながら、皮膚を縫い合わせて腱を固定し、第6戦のマウンドに立った。そして、ソックスを血で染めながら7イニングを投げ、ヤンキースに1点しか与えなかった。
  殿堂入り式典の延期を喜ぶわけではない。だが、シリングの殿堂入りが決まり、来年のセレモニーではかつてのライバルが同じ壇上に並び立つことになれば、それはそれでかなり楽しみだ。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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