【2010年代プロ野球"最強投手"ランキング】メジャーへ羽ばたいた田中と前田に加え菅野、則本も活躍。果たして1位は…?

【2010年代プロ野球"最強投手"ランキング】メジャーへ羽ばたいた田中と前田に加え菅野、則本も活躍。果たして1位は…?

田中(左)や菊池(中)ら並み居るメジャーリーガーを抑え、印象的な活躍も多かった菅野(右)が1位を獲得した。写真:金子拓弥、川本学、朝日新聞社

2010年代のプロ野球最強投手は一体誰なのか。活躍期間の長さや傑出度、印象度も加味しながら選考。マウンドの支配者として存在感を発揮し、チームを勝利に導いた10人の投手を紹介しよう。
※防御率、奪三振率、与四球率など率系の数字の順位は10〜19年に計1000投球回以上を対象。

▼1位 菅野智之
プロ2年目の14年に早々とMVPに選ばれ、17、18年には2年連続で沢村賞を受賞。実働7年で8つもの投手タイトルを獲得し、10年代の防御率2.36は全体2位、与四球率1.77とK/BB4.51は1位と圧巻の内容だった。18年のクライマックスシリーズではヤクルト相手にポストシーズン史上初のノーヒッターを達成。17年のWBCでも準決勝のアメリカ戦で堂々の投球を披露するなど、日本球界の誇る最高の投手として君臨した。

▼2位 前田健太
史上最年少で投手三冠に輝いた10年と、日本でのラストシーズンとなった15年に沢村賞を獲得。10年代の防御率2.16、被本塁打率0.48、WHIP1.01は全体1位。最多奪三振のタイトルを2回獲得しているが奪三振率は7.69とそれほど高くはなく、優れた制球力を軸とする安定度の高い投球が持ち味だった。12年にはノーヒットノーランを達成。200投球回以上を4度記録した耐久性も光る。
 ▼3位 田中将大
日本ではわずか4年のプレーながら防御率1.66、K/BB6.47と傑出度はずば抜けている。96先発で10年代最多の38完投を記録し、勝率.810と無双ぶりを発揮した。沢村賞は11、13年と2度獲得。11年は8月27日のソフトバンク戦で歴代2位の1試合18奪三振を記録し、2リーグ制で歴代5位の防御率1.27をマーク。13年には、おそらく空前絶後の24勝0敗の偉業を成し遂げて楽天を初の日本一に導いた。

▼4位 金子千尋
10年代に100勝に到達した投手はこの人だけ。変幻自在の変化球を武器に10年に最多勝を獲得すると、13年は沢村賞の条件項目をすべてクリア(賞自体は獲得できず)、翌14年にはMVPと沢村賞をW受賞した。同年5月31日の巨人戦では、9回まで無安打無失点に封じる快投を演じた。14年オフの右ヒジ手術後は支配力が薄れてしまったが、一定のレベルは維持している。
 ▼5位 則本昂大
ルーキーで開幕投手を務めた13年に新人王を受賞して日本一に貢献。14年から史上3人目の5年連続奪三振王、17年にはプロ野球新の8試合連続2ケタ奪三振、史上5番目の速さで通算1000奪三振に到達と「K」にまつわる記録が多いが、K/BB4.19は全体2位と投球の完成度も高い。小柄な身体でリーグ最多の投球回を4度も記録するなど、エースとしての"存在感"は群を抜く。

▼6位 菊池雄星
16〜18年の防御率はいずれもリーグ2位以内で、10年代の2.77は全体3位。左腕では史上最速(当時)の球速158キロを計測した17年には最多勝と最優秀防御率のタイトルを獲得する活躍で、菅野と沢村賞同時受賞の声も上がった。ただ、故障もあって本格開花まで時間を要し、25先発以上のシーズンは一度だけとやや物足りなさも残る。
 ▼7位 岸孝之
18年に最優秀防御率のタイトルを獲得するなど、規定投球回到達での2点台を4度記録した“ミスター安定感”。10年代のWHIP1.05は全体3位、K/BB3.87は同4位と内容も上質そのもの。故障の多さがたびたび指摘されるが、30完投も4位と試合を投げ抜くスタミナは十分。ただし、安定度が高い分、印象度やインパクトは少し弱いかもしれない。

▼8位 メッセンジャー
日本でのプレーは2010〜19年とちょうどディケイドにすっぽり収まる。その間、他の誰よりも多い先発(249)と投球回(1604)をこなし、98勝は2位。最多奪三振2回、最多勝1回とタイトル獲得もあるが、通算防御率3.14は全体17位と圧倒的な支配力を誇ったわけではない。昨年の引退セレモニーでは多くのファンが別れを惜しんだ。
 ▼9位 ジョンソン
来日1年目の15年に最優秀防御率のタイトルに加え、外国人史上2人目となる沢村賞を受賞。16年と19年もリーグ2位の防御率を記録するなど常に質の高い投球を見せている。巧みにボールを動かし、被本塁打率0.49と一発を浴びない投球が安定感の源泉。通算防御率2.54は菅野(2.36)と比べても遜色ない。

▼10位 杉内俊哉
10年に218三振を奪い、14年には歴代最短の投球回で通算2000奪三振に到達した。巨人に移籍した12年は5月にノーヒットノーランを達成し、最高勝率のタイトルと史上初となる両リーグでの最多奪三振も獲得。10〜15年の6年間に5度のリーグ優勝を経験した"優勝請負人"だが、16年以降は一軍未登板で18年に引退した。
 〈惜しくもトップ10から外れた投手〉
千賀滉大は奪三振率10.43と圧倒的な数値を残し、昨季はノーヒットノーランを達成するなど印象度も強いが、先発としての実績は実質4年で泣く泣くトップ10から外した。石川雅規は菅野と並ぶ87勝を挙げたが、防御率が3.89と高かったことが災いした。84勝、防御率3.23の西勇輝もやや印象度に欠けた。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『スラッガー』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。

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