実は選手以上に心配? 高齢の監督・コーチはコロナ重症化リスクにどう備えるのか?

実は選手以上に心配? 高齢の監督・コーチはコロナ重症化リスクにどう備えるのか?

アストロズのベイカー監督(左)は30球団最年長の71歳。エンジェルスのマッドン監督(右)は66歳で、ともに15年以上の監督歴を持つ名将だが……? 写真:Getty Images

ミネソタ・ツインズは2人のコーチ、ボブ・マクルーア(ブルペンコーチ)とビル・エバース(コーチ)を今シーズンの試合から外す。解任ではなく、新型コロナウイルスの感染リスクに配慮した配置転換だ。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は、65歳以上の感染者は重症化のリスクが高いと報告しており、球団が68歳のマクルーア、66歳のエバースに配慮した形だ。2人の年俸を全額保証され、フロントで他の業務に就くという。

 新型コロナウイルスの検査で複数の選手が陽性反応を示したこともあるのか、ツインズは迅速に動いた。他にも65歳以上のコーチが在籍している球団はいくつかあり、今後この動きに追随するチームが出てくるかもしれない。ただ、コーチはともかく、監督となるとそう簡単には外すことはできないだろう。

 ツインズのロッコ・バルデリ監督は38歳と若いが、30球団の監督のうち6人は60歳以上。中でも、ダスティ・ベイカー監督(アストロズ)とジョー・マッドン監督(エンジェルス)は、それぞれ71歳と66歳。ツインズのコーチ2人と同じく、65歳を超えている。
  ベイカーもマッドンも、今シーズンが就任1年目となる。ベイカーはサイン盗みスキャンダルによって停職&解雇となったAJ・ヒンチの後任として、3年ぶりにフィールドへ戻ってきた。マッドンは昨季までカブスの監督を務めていたが、今季からはかつて選手やコーチとして在籍したエンジェルスへ15年ぶりに復帰。2人ともリスクを承知した上で、チームの指揮を執ることに意欲を示している。

 また、65歳未満でも、過去の既往症から健康状態を不安視される監督もいる。例えば、61歳のテリー・フランコーナ監督(クリーブランド・インディアンス)は不整脈のため、3年前にオールスターの監督を辞退した。48歳のデーブ・ロバーツ監督(ロサンゼルス・ドジャース)は、10年前にホジキンリンパ腫にかかっている。

 もちろん、彼らはしっかりと対策をした上でシーズンに臨むだろう。レンジャーズの元監督で、現在はブレーブスの三塁コーチを務めるロン・ワシントンは68歳と高齢で、長年の喫煙者でもあるが、フィールドを離れる気はないようだ。ワシントンは『ジ・アスレティック』に対して、「おそらく、三塁コーチをしている間はずっとマスクを着用しなければならないだろう。両手にグラブ(手袋)もはめておく。ヒジや拳を合わせることができなくても、選手たちに気持ちは伝わるはずさ」と語っている。選手だけでなく、コーチや監督たちも健康にシーズンを全うできることを祈りたい。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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