「大河、下向くなよ!」伸び悩む平沢大河にマリーンズファンが抱く歯がゆさと期待

「大河、下向くなよ!」伸び悩む平沢大河にマリーンズファンが抱く歯がゆさと期待

甘いマスクで女性人気も高い平沢。18年に飛躍のきっかけを作ったと思われたが、その後は苦しんでいる。写真:産経新聞社

プロ5年目を迎えた平沢大河(ロッテ)。右ヒジ痛の影響もあり二軍スタートとなった今季は、ここまで8試合に出場して20打数2安打、打率.100(7月7日試合終了時点)と苦しんでいる。

 3日の巨人戦では2番・遊撃で出場。無死一塁で迎えた第1打席は、変化球が止めたバットに当たり三塁ゴロ。2死一、三塁の好機で迎えた第2打席では見逃し三振。第3打席では初球から積極的に振りにいくも空振りし、2球目の直球を打ち上げて遊撃ファウルフライ。二死走者なしの第4打席では、変化球を打ち損じて二塁ゴロに終わった。

 結果もさることながら、自分のタイミングや芯でとらえた打球がなかったのが気がかりだ。

 3年目の2018年には、主に右翼手として自己最多となる112試合に出場。打率.213ながら13.6%の四球率を記録するなど優れた選球眼を発揮。交流戦以降は何度かお立ち台にも上がるなど一定の活躍を見せた。
  また、外野守備では類い希な野球センスを感じさせるビッグプレーも披露した。10月5日の楽天戦、1点リードで迎えた9回裏1死一、二塁の場面で、右中間を抜けたかと思われた田中和基の打球をドンピシャのタイミングで飛び込むダイビングキャッチ。サヨナラ負けの危機を救い、勝利に貢献した。

 シーズンを通して一軍に帯同した3年目を足がかりに、翌年の飛躍が期待されていたが、現実は厳しかった。

 昨季は開幕を一軍で迎えるも、オープン戦期間中に痛めていた右足の故障の影響もあり4月下旬に登録抹消。藤岡裕大や三木亮ら遊撃を争うライバルの相次ぐ故障離脱で8月に一軍に昇格したが、9月に藤岡が復帰すると出番は激減。首脳陣からの信頼を得るまでには至らなかった。

 ライバルは年々増えている。藤岡、三木だけでなくルーキーの福田光輝、新加入の鳥谷敬、今季から支配下登録された茶谷健太らがしのぎを削る。
  ただ、遊撃で絶対的な存在はまだいない。平沢にも当然チャンスはある。しかし、期待の大きさゆえに、もどかしさを感じるファンは多い。SNSでは「ライバルが増えて後輩の西巻賢二も入って本当に崖っぷち」「大河は自信を持ってやること。まだ遠慮している部分がある」「昨年は残念だったけど、まだ22歳。これからだよ!」といった声が飛び交う。

 確かにまだ22歳。回り道をしながらレギュラーをつかんだ選手は少なくない。平沢と同様、高校球界屈指の逸材としてプロ入りした高橋周平(中日)も、レギュラー定着まで長い時間を要したが、昨年はベストナインとゴールデン・グラブをW受賞。チームの看板選手となった。

 平沢も、前述した外野でのダイビングキャッチだけでなく、逆シングルでさばく華麗な遊撃守備、腕を畳みながら厳しい内角の変化球をさばいてスタンドまで運んだり、地面すれすれの球を拾う技術など、随所で優れた野球センスを見せてきた。多くのファンがその才能を知っているがゆえに、現状に歯がゆさを感じているのだ。
  平沢が不振に陥ったり、ミスをした時、ZOZOマリンのスタンドからは「大河、下向くなよ!」と声が飛ぶ。

 18年8月24日のオリックス戦、平沢は右翼の守備でタイムリーエラーを含む2つの失策を犯し、チームは逆転負けを喫した。しかし翌日、「悔しさを晴らしたかった」という言葉通り、適時打を含む3安打の活躍。この日はオリジナルの応援歌がお披露目され、「かっこいいなと思います。多く歌っていただけるように頑張っていきたいと思います」と意気込みを見せていた。

 その日からもうすぐ2年。ファンが期待していた場所に到達できていないもどかしさは自身が一番感じているだろう。状況は苦しくとも、ひたむきな努力を続ければ、必ず報われる時は来るはずだ。

文●浜田哲男

【著者プロフィール】
はまだ・てつお。千葉県生まれ。専修大学を卒業後、広告業界でのコピーライター業を経てフリーライターに。ワールド・ベースボール・クラシックでの取材をはじめ、数々のウェブスポーツメディアで編集・執筆・取材に携わる。

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