【担当記者が見た大谷翔平】紅白戦で大荒れの投球もすがすがしい表情を見せていた理由

【担当記者が見た大谷翔平】紅白戦で大荒れの投球もすがすがしい表情を見せていた理由

7日の紅白戦では制球が乱れたが、本人は順調な調整に手応えを感じているようだ。(C)Getty Images

「Zoom」で取材に応じた大谷翔平は、すがすがしい表情をしていた。現地7月7日、エンジェルスの紅白戦初戦に先発し、速球、スライダー、スプリット、カーブと全球種を投げ50球。打者延べ10人に対して1安打1失点、7四球1三振とコントロールに苦しんだが、「しっかり球数を投げられたことは良かった」。2018年9月2日のアストロズ戦以来、674日ぶりの実戦登板を終え、まずはホッと胸を撫で下ろした。

 18年10月にトミー・ジョン手術を受けてから、地道にリハビリを続けてきた。以前は、節目に到達しても一喜一憂しない大谷がいた。19年3月8日、術後初めてキャッチボールを行った。6〜12メートルの距離で60球。軽めに腕を振った。久々の投球に日米メディアから注目を浴びたが、囲み取材ではうれしそうな表情は見せず、コメントも淡々としていた。

「特に何もないですね。普通に投げられるだろうなとは思っていましたし。投げてみてその通り普通に出来たのでそういう安心感はありましたけど、特に驚きとかはなかった」
  術後初ブルペンの時も同じだった。19年6月26日、本拠地エンジェル・スタジアムで43球、50%程度の力で投球練習を行った。復帰へ向けてまた新たな節目を迎え、「久しぶりだなと。懐かしいなという感じはしました」と話したが、感慨については「そんなにないですね」と表情を崩すことなく振り返った。

 選手としては当然のことだろうが、試合に出場してチームに貢献することが大前提にある。大谷自身も「実戦復帰が一つのあれかなと思うので、そこまでしっかりやりたい」と、試合での登板を節目と捉えていた。元々、本番でアドレナリンが出るタイプで「ブルペン自体はあまり好きではない。ゲームで投げるのは好きですけど」とも話していた。だからこそ、紅白戦登板は喜びもあったのだろう。表情のすがすがしさは、これまでの節目の時とは違うものだった。

 キャンプが再開され、約1週間が経過。7月下旬の開幕から二刀流として期待される大谷は、投打で順調に調整を続けている。紅白戦とはまた違う雰囲気の中、さらに無観客という異様な状況の中、どんな表情を見せてくれるのか。感情の動きにも注目していきたい。

文●斎藤庸裕

【著者プロフィール】
さいとう・のぶひろ。1983年、埼玉県生まれ。日刊スポーツ新聞社でプロ野球担当記者を務めた後サンディエゴ州立大学でスポーツビジネスを学ぶ。2018年から大谷翔平の担当記者を務める。日刊スポーツでコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」を配信中。

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