【パ・リーグ開幕投手点検】則本が好スタートを切った一方、昨季のタイトルホルダー2人が意外にも…

【パ・リーグ開幕投手点検】則本が好スタートを切った一方、昨季のタイトルホルダー2人が意外にも…

開幕から絶好調の則本。首位を走るチームの原動力となっている。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

開幕から約1ヵ月。セ・リーグの開幕投手6人はここまでどんなピッチングを見せているのか。各投手の働きぶりを4段階(よくできました・まずまずです・可もなし不可もなし・がんばりましょう)で評価した。※QS率=先発して6イニング以上&自責点3以下のクオリティ・スタートを記録した割合

●則本昂大(楽天)
登板:4 勝-敗:3-0 防御率:0.98
投球回:27.2 奪三振:24 QS率:100.0%
評価:よくできました

 パ・リーグ6人の開幕投手の中では出色の好成績だ。開幕のオリックス戦に7回1失点で初勝利を挙げると、26日の日本ハム戦も7回1失点で10奪三振。ここまでの4登板はいずれもQSで、7回を投げ切れなかったのは7月3日のソフトバンク戦(6.2回)だけ、4試合とも1失点に抑えている。3勝、防御率0.98はいずれもリーグトップで、これこそエースの働きだ。あえて注文をつけるなら、2試合目以降は投球数が110球を超えている点。もともと球数がかさむタイプだが、もう少し効率的に8回、9回まで投げられればブルペンも楽になる。則本クラスならそのくらいのレベルを求めていいだろう。
 ●石川歩(ロッテ)
登板:4 勝-敗:0-1 防御率:3.96
投球回:25.0 奪三振:19 QS率:50.0%
評価:がんばりましょう

 開幕のソフトバンク戦は6回を2安打無失点、自己最速の154キロを計時するなど素晴らしいピッチングを披露した。しかし、その後の3試合は4、3、4失点といまひとつで、まだ1勝もできていない。6月26日オリックス戦の初回はジョーンズに先制2ラン、7月10日の西武戦も初回に山川穂高に先制3ランを浴びるなど、立ち上がりでいきなりビハインドの展開にしてしまうケースが目立つ。それでも4登板すべて6イニング以上投げており、立ち上がりにさえ気をつければ、今後はエースらしい成績も期待できるのではないか。
 ●ニール(西武)
登板:4 勝-敗:1-0 防御率:4.44
投球回:24.1 奪三振:15 QS率:50.0%
評価:可もなし不可もなし

 オープン戦は不調で心配されたが、開幕の日本ハム戦は6回1安打0点と好投して一安心。ところが、勝ち星がついたのはこの試合だけ。その後は登板を重ねるたびに内容が悪化し、7月10日のロッテ戦は6回6失点で降板した。守備に足を引っ張られた面もあったし、味方が追いついて「不敗神話」は18試合まで伸びたものの、救世主的活躍だった昨年の安定感はまだない。昨年は1.35だった与四球率が3.33と、自慢の制球が乱れているのも気になる。先発陣が総崩れ状態ということもあり、一刻も早く本来のピッチングを取り戻してもらいたいところだ。
 ●東浜巨(ソフトバンク)
登板:4 勝-敗:1-0 防御率:1.96
投球回:23.0 奪三振:17 QS率:50.0%
評価:まずまずです

 千賀滉大の出遅れで、プロ8年目にして初の開幕投手を務め、4試合で防御率1.96。これだけ見れば上々のようにも思えるが、実際の投球内容は手放しでは褒められない。唯一の白星を挙げた7月3日の日本ハム戦も、5回1失点ながら6四球。続く10日の楽天戦も、好調のイーグルス打線を7回で1安打に封じたはいいが4四死球を与え、犠飛を打たれて勝利を逃した。14与四球はリーグワーストで、9イニング平均にすると5.48人も歩かせている。試合を壊すような結果には一度もなっていないが、今後は安定感の向上を目指したい。
 ●山岡泰輔(オリックス)
登板:2 勝-敗:0-0 防御率:1.23
投球回:7.1 奪三振:5 QS率:50.0%
評価:がんばりましょう

 2年連続の開幕マウンドに立ち、白星こそつかなかったものの、楽天を7回1失点に封じる上々のスタートを切った。ところが続く6月26日のロッテ戦、先頭打者の荻野貴司をセンターフライに打ち取り、続く角中勝也に2球投げたところで左脇腹の違和感を訴えてわずか3球で降板。精密検査の結果「左内腹斜筋損傷」との診断が下り、登録を抹消された。山本由伸が好調とはいえ、昨季の最高勝率投手の離脱は間違いなく大きな誤算で、復帰時期も未定。ただでさえ過密日程で先発の駒不足が心配されているだけに、今後に響きそうだ。
 ●有原航平(日本ハム)
登板:4 勝-敗:0-3 防御率:3.67
投球回:27.0 奪三振:23 QS率:50.0%
評価:可もなし不可もなし

 昨年の最多勝投手がいまだ未勝利。エースがこれでは、チームが最下位に沈んでいるのも致し方ない。7月10日のオリックス戦では7回無失点で勝てなかったように、打線の援護はここまで4試合で5点のみ。23三振を奪って四球はわずか3、K/BB7.67は山本由伸(オリックス)を上回ってリーグ1位と投球内容は悪くない。一方で、黒星のついた3試合中2試合は、好投していたのが突然崩れて失点を重ねた。これも援護がなく精神的に余裕を持てないからとも考えられる。当面は我慢の投球を続け、調子自体を落とさないようにするしかない。

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。

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