【楽天の開幕1ヵ月診断】3人が得点圏打率4割を超える抜け目のない打線、“ポスト松井”のブルペン陣が圧巻の充実度!

【楽天の開幕1ヵ月診断】3人が得点圏打率4割を超える抜け目のない打線、“ポスト松井”のブルペン陣が圧巻の充実度!

絶好調の浅村(左)や島内(右上)擁する打線もさることながら、松井不在のブルペンにおける森原(右下)らの活躍も見逃せない。写真:徳原隆元(浅村)、金子拓弥(島内、森原)

6月19日の開幕から早1ヵ月。まだ30試合前後とはいえ、各チームとも長所と短所が徐々に浮き彫りになってきた。「開幕1ヵ月」の戦績を評価しつつ、残りシーズンを展望していこう。

[順位]1位
[勝敗/得失点差]16勝10敗0分/得失点差+58
[評価]よくできました

●プラス要素
・どこからでも点が取れる圧倒的な打線
・「抑え松井」の不在を感じさせないブルペン

 得失点差+58は、2位ソフトバンク(+19)を大きく上回っており、ゲーム差が1しかないのが不思議なくらいパフォーマンスは充実している。首位を走る一番の原動力は、まるで昨年までの西武を彷彿とさせる強力打線だ。チーム打率.277はリーグ2番目に高い西武を2分5厘も高く、得点数もソフトバンクより29点多い。

 何より驚異的なのは得点圏打率の高さで、4番・浅村栄斗(.481)、2番・鈴木大地(.480)、5番・島内宏明(.400)の3人がリーグトップ3を独占している。オリックスから加入したステフェン・ロメロも、6番打者ながらOPS1.012はリーグ4位。これらの主力級だけでなく、ともに2年目の辰巳涼介や太田光(リーグ2位の10二塁打)の活躍も光っていて、ジャバリ・ブラッシュと銀次以外の打者が軒並み好調を維持している。
  投手に目を向けると、こちらも防御率3.50は1位。エース・則本昂大の復活はもちろん、ロッテから獲得した涌井秀章がここまで4戦4勝と、良い意味で“裏切って”くれたのは大きかった。何より、絶対的守護神・松井裕樹を先発へ転向させたことで不安視する向きもあったブルペンが、何の問題もなく機能しているのだから凄い。

 新クローザーの森原康平は9試合に登板し、失点ゼロで4セーブ。新外国人のJT・シャギワや、アメリカ帰りの牧田和久の働きぶりも期待通りで、ブルペンで最も防御率の悪い酒居知史でも2.38(10登板)というのだから、層の厚さは群を抜いている。昨年までレフティキラーを務めた高梨雄平を巨人へトレードする余裕が生まれたくらいだ。
 ●マイナス要素
・松井の先発転向

 現時点で唯一の誤算は、松井の先発転向が思うようにいっていないことくらいだ。開幕2試合で8.2回を投げて5失点、7奪三振で8四死球。2試合でどうこう言うのは早すぎるとはいえ、春のオープン戦の頃から結果が出ておらず、また新型コロナウイルスによる休止期間は実戦登板の機会がなかったため調整を進められなかった。「(先発としての)スタミナが足りないので、球数を投げさせる」(伊藤智仁投手チーフコーチ)目的で降下させた二軍でも打ち込まれていて、復調の兆しが見えない。

 一部ではリリーフへ再転向するのでは? との声も出ているが、将来的にも先発の柱となってもらわないといけない投手。幸いチーム状態が良いこともあって、安易にリリーフへ戻したりすることなく初志を貫徹する猶予があるのは大きいだろう。
 ●今後の展望・キーマン
・ブラッシュ

 絶好調の打線の中にあって、主力級で唯一ブラッシュに当たりが出ていない。来日1年目の昨年はチームトップの33本塁打、95打点、OPS.936と期待以上の成績を収めた。ところが今季は25試合で.212の低打率はまだしも、ホームランが1本しか出ていないのが気になる。救いなのは選球眼が健在なことで、19四球を選んでいるため出塁率は.355。

 そのため、打線のつながりを分断するような事態にはなっていない。浅村や鈴木が今のペースで打ち続けるということは考えにくいので、彼らの調子が落ちてきた時に、代わりに大爆発してくれることを期待したい。

文●出野哲也

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