走攻守すべてを備えた“歴代最強“の「5ツール・プレーヤー」は誰だ?偉大なる10人をランキング形式で紹介

走攻守すべてを備えた“歴代最強“の「5ツール・プレーヤー」は誰だ?偉大なる10人をランキング形式で紹介

現役では山田(左)と柳田(右)が代表格。2人ともトリプルスリーを達成している。写真:金子拓弥、山崎賢人(THE DIGEST編集部)

MLBには“5ツール・プレーヤー”という言葉がある。野球で重要な5つのツール(アベレージ、パワー、スピード、肩、守備)をすべて兼ね備えた選手のことを指す。つまり、5ツール・プレーヤーとは野球選手の理想像と言っても過言ではない。今回は、プロ野球史上最高の5ツール・プレーヤー10人をランキング形式で選んでみた。なお、最も重視したのは5ツール全体のバランスであることに留意されたい。

▼10位 野村謙二郎(元広島)
アベレージ:A パワー:B スピード:A 肩:C 守備:B
 1995年にトリプルスリーも達成した遊撃手で、盗塁王3度に代表されるように最も優れたツールはスピード。97年オフにFAとなった際にMLB球団からオファーを受け、MLB史上初の日本人野手になる可能性もあった。俊足を生かして守備範囲も広かったが、肩はあまり強い方ではなく、同時期のセ・リーグに好守の川相昌弘(巨人)がいたこともあってゴールデン・グラブ受賞は1度しかなかった。

▼9位 福留孝介(阪神)
アベレージ:A パワー:B スピード:C 肩:A 守備:A
 中日時代に首位打者を2度獲得。広いナゴヤドームを本拠にしながら年間30本塁打以上も2度記録するなどパワーもあった。遊撃では不安定だった守備も外野へ移って向上し、ゴールデン・グラブ受賞は5回。2ケタ補殺を4度記録するなど強肩でも有名だった。足も速く、ベースランニングも優秀だったが、年間盗塁数は13が最高でスピードスターというイメージは薄い。
 ▼8位 長嶋茂雄(元巨人)
アベレージ:S パワー:A スピード:B 肩:A 守備:A
 プロ入り1年目の58年に打率.305、29本塁打&37盗塁。踏み忘れの一本がなければ新人トリプルスリーの快挙を達成していた。首位打者6度は右打者としては歴代最多、本塁打王も2度獲得とアベレージ、パワーは文句なし。遊撃手が捕るべき打球を奪い取ってキャッチするなど守備範囲の広さも折り紙付きで、ダイナミックな送球でもファンを沸かせた。

▼7位 簑田浩二(元阪急ほか)
アベレージ:B パワー:B スピード:A 肩:S 守備:A
 知名度は低いが、阪急の黄金時代を支えた実力派。自ら「走攻守三拍子そろった選手が目標」と語り、83年には史上4人目のトリプルスリーを狙って達成した。特に守備へのこだわりが強く、外野手歴代3位となる8度のゴールデン・グラブを受賞を誇る。「ホームランを打つよりバックホームでランナーを刺す方が気持ちいい」と言うほど肩の強さも折り紙付きで、83年には両リーグ最多の17補殺を記録した。

▼6位 秋山幸二(元西武ほか)
アベレージ:C パワー:A スピード:A 肩:A 守備:A
 90年に史上唯一の30本塁打&50盗塁を達成。ホームラン後のバック転に象徴されるように、抜群の身体能力を生かしたセンターの守備も一級品で、ゴールデン・グラブ受賞11回は外野手歴代2位。メジャーでの実績もあるクロマティ(巨人)からも、「メジャーでも通用する本物の5ツール・プレーヤー」と絶賛されたが、通算打率は.270。三振王にも3回なっており、打撃の確実性に関してはやや難があった。
 ▼5位 山本浩二(元広島)
アベレージ:A パワー:A スピード:B 肩:A 守備:A
 ここまで紹介した選手はほとんどが1番ないし3番を主に打った選手で、“ミスター赤ヘル”こと山本のような5ツール・プレーヤーの4番打者は珍しい。20盗塁以上を4度記録し、75年には首位打者を獲得。30歳を超えてからはパワーが増し、77年から5年連続40本塁打以上を記録した。ゴールデン・グラブ受賞10回、通算154補殺は外野手歴代2位と守備も文句なしだが、あえてマイナスポイントを挙げるとすれば、スピードを発揮したのはキャリア初期、後半からはパワーが持ち味で、同時に発揮した時期が短い点か。

▼4位 イチロー(元オリックス)
アベレージ:S パワー:B スピード:S 肩:S 守備:A
 94〜00年に7年連続首位打者、オリックスでの実働9年の通算打率は実に.353と、アベレージでは他の追随を許さない。日米両方で盗塁王を獲得した俊足や、MLB移籍後に”レーザービーム“の異名を取った強肩も言わずもがなで、連続首位打者と同じ時期に7年連続ゴールデン・グラブを受賞した。95年は首位打者、打点王、盗塁王、最多安打、最高出塁率をすべて獲得し、25本塁打も2位と、あわや連盟表彰タイトルをすべて独占する勢いだった。ただ、年間20本塁打以上はこの年も含めて2度しかなかった。

▼3位 松井稼頭央(元西武ほか)
アベレージ:A パワー:B スピード:A 肩:A 守備:A
 プロ3年目の97年から7年連続打率3割を記録するなどアベレージの高さは折り紙付き。当初は非力だったが徐々にパワーも増して、02年にはスウィッチヒッターでは史上初のトリプルスリーを達成した。その年も含め、20本塁打&20盗塁以上のシーズンが3度。流麗な動きで知られた守備でもゴールデン・グラブを4度受賞し、西武第二球場のホームベース付近からバックスクリーンを軽々超える大遠投を披露するなど、肩もとにかく強かった。
 ▼2位 山田哲人(ヤクルト)
アベレージ:A パワー:A スピード:A 肩:B 守備:A
 史上最多3度のトリプルスリーを達成した“ミスター・トリプルスリー”。2015年には、史上初めて本塁打王と盗塁王を同時に獲得した。18〜19年に記録した史上最長の38連続盗塁成功に代表されるように、成功率が高いのも特徴だ。菊池涼介(広島)がいるためゴールデン・グラブ受賞は1度もないが、UZRなどのセイバーメトリクス指標では、両者の守備力にそれほど差はない。18・19年の併殺参加はリーグ最多で、二塁手としては強肩の部類に入る。

▼1位 柳田悠岐(ソフトバンク)
アベレージ:A パワー:A スピード:A 肩:A 守備:B
 今季も特大ホームランを連発してファンの度肝を抜いているが、あれだけフルスウィングして打率も高いのが持ち味。これまで2度の首位打者に輝き、どちらも3割5分以上のハイアベレージを残している。トリプルスリーを達成した15年も含めて20盗塁以上が4度とスピードにも優れる。遠投120メートル強と強肩も武器で、ゴールデン・グラブは4度受賞。すべてのツールを高レベルで兼ね備えるスケールの大きさは、まさに史上最高の5ツール・プレーヤーと言っていいだろう。

文●筒居一孝(SLUGGER編集部)

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