【セ・リーグMVPレース最新動向】本命は首位・巨人のエース菅野だが、三冠王獲得なら広島・鈴木にもチャンスあり?

【セ・リーグMVPレース最新動向】本命は首位・巨人のエース菅野だが、三冠王獲得なら広島・鈴木にもチャンスあり?

チーム成績という点では菅野(左)に分があるが、個人成績では鈴木(右)が出色。三冠王の快挙達成ならあるいは……? 写真:山崎賢人、金子拓弥(THE DIGEST編集部)

シーズンも3分の1にあたる40試合近くを消化。現時点でMVP=「最も価値ある選手」にふさわしいのは誰なのかを見ていこう。

●5 梅野隆太郎(阪神)
打撃成績だけなら、チームメイトの大山悠輔の方が上だが、捕手というポジションを考えれば梅野の貢献度は相当高い。捕手ではリーグでただ一人規定打席に達し、打率.308は9位、OPS.854は11位。打順も開幕当初の8番から6番まで上がった。もちろん、2年連続ゴールデン・グラブ受賞の守備での貢献も見逃せない。41試合でマスクをかぶり、失策も捕逸もゼロ。そして一番の魅力である肩では、盗塁阻止率が実に50.0%、両リーグを通じてトップの数字と“梅ちゃんバズーカ”が炸裂しまくっている。
 ●4 岡本和真(巨人)
不動の4番サードとなり、充実度は巨人打線の中では頭一つ抜けている。15本塁打、40打点の2部門でリーグトップ、長打率.615も2位で昨年の.485から大幅にアップしている。松井秀喜以来18年ぶりに巨人の日本人本塁打王となれば、MVP受賞を大きく後押しすることになるだろう。ただし7月以降の打率は.207と、開幕当初の勢いはなくなっているのも事実で、MVPの最有力候補という位置からはだいぶ後退してしまった。

●3 佐野恵太(DeNA)
昨季までは控えだった男が、MLBへ移籍した筒香嘉智の後任として4番打者に抜てきされて予想以上の大活躍。打率.351は堂々のリーグトップ、OPS.981もリーグ4位だ。開幕から1ヵ月は本塁打が一本もなく、筒香とはまた違ったタイプの活躍を見せていたが、7月22日に今季第1号を放つと、その後18試合で8本を量産して一気にリーグ6位タイまで上昇。確実性とパワーを兼ね備えた真の強打者となった。
 ●2 鈴木誠也(広島)
チームが下位に沈んでいることを考えると受賞の可能性は高くないが、個人成績は非の打ちどころがない。打率.335でリーグ2位に入っているのをはじめ、本塁打・打点を含め全3部門で4位以内、OPS1.073は1位。打者としては完成形に近づいている。盗塁は2個だけで失敗3回、過去2年合計で7本だった併殺打がすでに5本と細かなマイナス点はあるものの守備での貢献度も高い。もし、ここから調子を上げて04年の松中信彦(当時ダイエー)以来の三冠王獲得となれば、MVP受賞も現実味を帯びてくる。

●1 菅野智之(巨人)
昨年は腰痛もあって調子が上がらず、規定投球回にも達しなかったが、新フォームを取り入れた今季は完全復活。6月26日のヤクルト戦こそ5.2回5失点と打ち込まれたものの、その後5試合は37イニングでたった4失点(自責点3)、2完封と快投を続けている。奪三振率や被本塁打率なども一昨年までのレベルに戻った。他球団のエース級を見回すと、そのステータスにふさわしい投球をしているのは、他には今永昇太(DeNA)くらい。大黒柱がしっかりしているのが巨人独走の一番の要因であって、そこも考慮すればMVPの最有力候補だろう。
 ●その他の候補
村上宗隆(ヤクルト)は本塁打こそ7本と少ないが、その代わり打率は昨年の.231から1割も上昇。ヤクルト躍進の原動力となっている。チームメイトの青木宣親もOPS.988はリーグ3位と、38歳の大ベテランとは思えないほど充実したシーズンを送っている。バットマンレースを開幕からリードした堂林翔太(広島)は、現時点で5位の.325、本塁打も8本放っているが、やや勢いは落ちている。投手では、DeNAの今永が両リーグ最多の60奪三振を奪って5勝を挙げている。同じDeNAの平良拳太郎も、勝ち星こそ3つだけだが防御率1.72はリーグ1位。8試合に先発して、すべてクォリティスタートを記録している。

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。

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