ロッテ和田だけじゃない!華麗にダイヤモンドを駆け抜けた“走塁のスペシャリスト”たち

ロッテ和田だけじゃない!華麗にダイヤモンドを駆け抜けた“走塁のスペシャリスト”たち

通算代走盗塁の日本記録を持つ鈴木。規定打席到達は1度もなかったが、05〜16年に12年連続2ケタ盗塁を決めている。写真:産経新聞社

和田康士朗(ロッテ)が16日に1試合3盗塁を決め、12盗塁でリーグトップタイに立った。このうち8つは代走で出場して決めたもの。高校時代は野球部ではなく陸上部だったという彼は、まさに“足のスペシャリスト”である。今回は彼のように、足でファンを沸かせた歴代の“走塁のスペシャリスト”たちを紹介しよう。

▼飯島秀雄(元ロッテ)
 1968年のドラフトで東京オリオンズ(現ロッテ)が飯島を9位で指名した際は誰もが耳を疑った。それもそのはず、彼は前年のメキシコ五輪では10秒3の日本記録を樹立した陸上100メートルの選手だったからだ。派手なやり方を好み、“ラッパ”の愛称で知られた永田雅一オーナーの奇策であった。野球経験は中学時代の軟式のみだったという飯島はプロ入り後、一切打席に立たず“代走専門選手”としてプレーしたが、陸上と野球の走塁ではやはり勝手が違うのか、通算23盗塁で失敗17、成功率57.5%とイマイチで、わずか3年で引退。ただし、彼が塁上にいた際の打者の打率は.424。投手の集中力を奪う役割は存分に果たしていたようだ。
 ▼盛田嘉哉(元中日)
 社会人を経て大学進学、という普通とは逆の進路を辿った森田は、名城大時代の打撃成績は通算74試合で打率.261、2本塁打と平凡な一方、現在も愛知大学野球リーグ記録として残る108盗塁と走りまくった。これが中日の目に留まり、70年のドラフト7位で指名された。プロ1年目の71年は代走専門選手として26試合に出場し11盗塁を記録したが、8月に“商売道具”でもある左足を複雑骨折してシーズン終了。その後遺症でプロ生活はわずか4年と短命に終わったものの、通算51試合にすべて代走で出場して16盗塁を決めた。

▼藤瀬史郎(元近鉄)
 史上最高の“走塁のスペシャリスト”といえば、この藤瀬だろう。大阪体育大の野球部でプレーしていたが、当初は体育教師を志望。だが、採用試験に落ちて冷やかしのつもりで近鉄の入団テストを受けたら見事に合格してしまい、ドラフト外で入団した。当時の西本幸雄監督に俊足を評価されて代走のスペシャリストとして活躍し、79年にはシーズン代走盗塁25の最多記録を樹立。同年の広島との日本シリーズ第7戦における伝説の“江夏の21球”で、スクイズ失敗で刺されたのがこの藤瀬である。歴代2位の通算105代走盗塁、成功率82.0%と極めて高い数値を誇る一方、通算247打席に立って45安打、本塁打も4本放つなど、決して代走だけの選手ではなかった。
 ▼今井譲二(元広島)
 中学時代には野球と陸上の“二刀流”で活躍。中央大時代に受けた広島の入団テストで見せた50メートル走5秒6の俊足が評価されて79年にドラフト外入団を果たした。プロ入り後は俊足と投手の癖を盗む技術で代走専門選手としての地位を確立し、84・86年にはそれぞれ2ケタ盗塁を記録。盗塁王を獲得したこともある俊足の高橋慶彦や正田耕三よりも盗塁成功率が高いという理由で、彼らの代走に起用されたことすらあった。広島には11年在籍して263試合に出場したが、打席数はわずかに31。自らのバットで出塁したのはわずか7回(通算5安打&2四球)ながら、62盗塁を記録した。

▼鈴木尚広(元巨人)
 巨人に20年間在籍し、代走では歴代最多の通算132盗塁を積み上げた韋駄天。プロ入り後しばらくは一軍出場がなかったが、チームに鈍足の強打者ばかりが揃っていた00年代初頭に貴重な俊足選手として台頭し、03〜09年は規定打席未到達にもかかわらずいずれも盗塁数はチームトップだった。10年以降は外野の層が厚くなってレギュラー争いから脱落するも、“代走のスペシャリスト”として毎年2ケタ盗塁を記録。14年には通算200盗塁に到達するとともに、藤瀬を抜いて通算代走盗塁106の最多記録を樹立した。この活躍が評価されてMVP投票でも票が投じられ、翌15年にはオールスターにも出場した。
 ▼現役の“スペシャリスト”たち
 昨年、主に代走で25盗塁を決めた周東佑京(ソフトバンク)の活躍はまだ記憶に新しい。その俊足はプレミア12日本代表にも選ばれたほどで、4盗塁は大会最多だった。周東と同じ育成出身の佐野皓大(オリックス)は今季、これまでに決めた盗塁9個のうち、実に8個が代走でのものだ。また、今年8月6日の阪神戦でマウンドに上がったことでも話題となった増田大輝(巨人)も、本職は代走のスペシャリスト。昨年は代走中心でチームトップの15盗塁、今季もすでに10盗塁を決めている。思えばプロ野球史上、これほど多くの代走で活躍する選手が出現した例はなく、今は“走塁のスペシャリスト”全盛の時代と言えるかもしれない。

構成●SLUGGER編集部

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