因果応報!? 大量点差の満塁HRにブチ切れたレンジャーズ、4戦連続グランドスラムの新記録を食らう屈辱

因果応報!? 大量点差の満塁HRにブチ切れたレンジャーズ、4戦連続グランドスラムの新記録を食らう屈辱

タティースJr.(左)の満塁弾から記録はスタート。これにブチ切れたウッドワード監督(右下)は炎上し、あわや報復死球を食らいかけたマチャド(右上)もサヨナラ満塁弾で応戦した。(C)Getty Images

口は災いの元、因果応報とでも言うべきか。少なくともテキサス・レンジャーズの指揮官、クリス・ウッドワードの脳裏にはこの言葉がよぎっているのではないだろうか。

 現地時間8月20日、サンディエゴ・パドレスの一塁手、エリック・ホズマーが5回に満塁本塁打を放ち、パドレスは17日から4試合連続のグランドスラムを達成。メジャー新記録となる快挙を成し遂げた。しかもその間は4連勝、2夜連続で延長10回にサヨナラ勝ちするなどチームの勢いは最高潮だ。球団公式ツイッターも偉大な記録に“便乗”し、アカウント名を『San Diego Padres』から『Slam Diego Padres』に変更して祝っている。

 もっとも、これがただの快挙であったら、球団公式が名前を変更するようなことはなかったかもしれない。大いなる伏線があったからこそ、喜びはひとしおなのだろう。記録がスタートした17日に、“事件”が起きた。

 17日、パドレスはレンジャーズの本拠地で行われたカード緒戦、7回まで10対3と大量リードしていた。そして8回に1死満塁の大チャンスを作り、この時点でメジャー最多本塁打の2番、フェルナンド・タティースJr.に打席が回ってきた。強打者相手ということもあってから、レンジャーズの投手はストライクが入らず、カウント3−0と押し出し寸前まで追い込まれてしまう。そして、安易に力のない速球でストライクを取りに行くと、タティースJr.はこれを逃さず一振り。右中間スタンドに見事な満塁ホームランを叩き込むのだった。

 しかし、このタティースJr.のスウィングを「不文律破り」として批判したのが、レンジャーズの監督ウッドワードだった。

 いわく、「個人的には気に入らなかった。8回に7点差でリードしている場面で打席に立ち、カウント3−0からスウィングするのはタイミング的に良くない。(そういう風に)我々は育てられてきた。しかし日々、基準というものは異議を唱えられてきている。だから、私が個人的に喜ばしく思わないことが、正しくないということにはならない。けれども、我々としては(あの場面でタティスが満塁弾を打ったことは)好ましいことだと思わなかった」
  タティースJr.の満弾後、代わった投手が次の打者マニー・マチャドの腰の後ろを通過する、報復とも取れる投球をしたことで、投手に3試合、ウッドワード監督に1試合の出場停止処分が科された。この投球の意図はさておき、試合後の指揮官の発言には批判が殺到。多くのメジャーリーガーがタティースJr.を擁護し、各種媒体も「試合に勝とうとする行為の何がいけないのか」「不文律は果たして必要なのか」「理解できない」といった論調であふれかえっていた。

 ウッドワードの“炎上”はこの試合だけにとどまらなかった。翌日のパドレス戦では初回にウィル・マイヤーズが連夜のグランドスラムを見舞うと、舞台をサンディエゴに移した19日の同カードでも、“報復”されかけたマチャドが延長10回に逆転サヨナラ満塁弾。そして本日20日、ホズマーに満塁弾が飛び出してメジャー新記録が誕生したというわけだ。

 ウッドワードは17日の試合後、「(タティースJr.の3−0からの満塁弾は)一線を越えてしまったかって? 私の意見ではイエスだ。(しかし)もしかしたら3−0でスウィングすることが新しい基準かもしれない。問題ないことなのかもしれない」と語っていた。そしてパドレスが4試合連続満塁ホームランという、新記録という形での“新しい基準”を作ったのは、皮肉に感じてしまう。

構成●SLUGGER編集部

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