【シーズン後半戦展望:セ・リーグ】首位独走の巨人の死角は? DeNAは故障者復帰がカギ

【シーズン後半戦展望:セ・リーグ】首位独走の巨人の死角は? DeNAは故障者復帰がカギ

不振だった坂本にも当たりが出てきた巨人は、このまま最後まで突っ走るだろうか。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

シーズンの折り返し地点を越え、いよいよ勝負の後半戦へと突入した。各球団の前半戦の戦いを振り返ってチーム状況を整理しつつ、今後の戦いを展望していこう。

■巨人
35勝21敗3分/勝率.625(1位)/得失点差+82(1位)

 リーグダントツの得失点差+82とともに、勝率も12球団トップで首位の座を堅持。本塁打と打点の二冠でトップを走る4番・岡本和真が打線を牽引し、ともに防御率1点台の菅野智之と戸郷翔征がチームの全貯金を稼ぎ出している。途中加入のウィーラー、高梨雄平も力を発揮し、失策がリーグ最少の14個と堅実な守備も見逃せない。貪欲に勝利を求める原辰徳監督の大胆な采配も見事で、不振だった坂本勇人と丸佳浩にも当たりが戻ってきた。

 不安要素を挙げるとすれば投手陣で、特に先発3番手以降が頼りない。CSも行われない今季、リーグ優勝はもはや「通過点」で、目指すは日本一のはず。頂点の座へ向け、隙のないチームをどう作り上げていくかが後半戦の課題だろう。

■DeNA
31勝28敗3分/勝率.525(2位)/得失点差+23(2位)

 4番に抜擢された佐野恵太が首位打者を争う活躍で筒香嘉智の穴を埋めているものの、2年連続本塁打王のソトはやや精彩を欠き、新加入のオースティンも故障がち。得点数はリーグ5位と意外なほど少なく、さらに絶対的守護神の山崎康晃も大不振。それでも2位につけているのは先発投手陣の頑張りに尽きる。平良拳太郎は一時、防御率リーグトップに立つ快投を披露し、2年目の大貫晋一も活躍。今永昇太もエースらしい投球で、先発防御率3.31は堂々のリーグ1位を誇る。
  8月16日に今永、20日に平良がそれぞれ故障で登録抹消となったが、その日からの10試合も5勝5敗と健闘している。故障者が帰ってくるまで何とか踏みとどまり、そこからラストスパートをかけたい。

■阪神
29勝28敗3分/勝率.509(3位)/得失点差+20(3位)

 連勝と連敗の波が激しかった前半戦は昨季の弱点が改善され、逆に長所には陰りが見られた。リーグワーストの得点力だった打線は大山悠輔とボーア、サンズの両助っ人が2ケタ本塁打をクリアし、リーグ最多の40盗塁と機動力もうまく絡めている。

 対照的に、盤石を誇っていたブルペンは藤川球児が打ち込まれるなど綻びが見られた。先発陣は長いイニングをこなせる投手が多いため、リリーフの負担を減らしたいところ。特に先発陣は、2年ぶりの白星を飾った藤浪晋太郎が完全復調すれば12球団屈指の陣容にもなれる。2勝8敗と一方的に負け越している巨人戦で、どれだけ巻き返せるかも今後のポイントだ。

■中日
27勝32敗4分/勝率.458(4位)/得失点差−54(5位)

 3位の阪神に3ゲーム差と、8年ぶりのAクラスに向けて何とか踏みとどまってはいるものの、得失点差は−54と大幅なマイナスを計上。特に打線の不振が目立ち、得点数・OPS・打率・本塁打などは軒並みリーグワースト。34本塁打は5位のヤクルトより20本以上も少なく、3得点以下の試合が全体の3分の2以上を占める。4連続完投を記録している大野雄大をはじめ、投手陣は全体に健闘しているが、貧打で見殺しにする試合が目立った。
  難しいのは今後の戦い方で、クライマックスシリーズも開催されない中でAクラス入りに全力を尽くするのか、それとも根尾昂や石川昂弥、石垣雅海といった期待の若手に出場機会を与えて来期以降に布石を打つのか。球団の判断に注目が集まる。

■広島
24勝30敗6分/勝率.444(5位)/得失点差−14(4位)

 鈴木誠也は今季もMVP級の充実ぶりで、堂林翔太の才能がついに開花。森下暢仁は前評判どおり新人王候補に挙がる活躍を見せ、有望株捕手の坂倉将吾も台頭している。ポジティブな要素をこれだけ揃えながら、開幕前から不安視されていたブルペンが崩壊し、1点差試合は3勝10敗と大きく負け越し。元沢村賞投手のK・ジョンソンは0勝6敗と大不振に陥った。無観客〜5000人限定という状況で例年の熱い声援を受けられないせいか、ホームのマツダスタジアムで7勝14敗と大きく負け越しているのも大きな誤算。
  ただ、得失点差は−14にとどめており、上位陣との地力の差は勝率ほどにないことがうかがえる。遠藤淳志、島内颯太郎ら頼もしい若手の成長もあり、決して悲観するような状況ではない。

■ヤクルト
24勝31敗5分/勝率.436(6位)/得失点差−57(6位)

 一時は単独首位に立ち、8月7日時点で貯金2と下馬評を覆す健闘を見せたが、その後5勝14敗と一気に崩れて最下位へ転落。小川泰弘が8月15日のDeNA戦で達成したノーヒットノーランも追い風にはならなかった。チーム再建のメインテーマである投手陣は防御率リーグワースト、QS率がわずか35.6%と先発がゲームを作れていない。

 一方で打線はチームの顔である山田哲人が不振に陥りながら、進化を続ける村上宗隆とベテランの青木宣親を中心に、他チームに引けをとらない得点力を維持している。もともと今季は将来へ向けての土台固めのシーズンという位置付けだったはず。投手陣では吉田大喜、野手陣では濱田太貴ら期待の若手にチャンスを与えながら力を蓄えていきたい。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。

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