【12球団U-23充実度ランキング│10位:楽天】辰己らは順調に成長も甲子園のスターが伸び悩み

【12球団U-23充実度ランキング│10位:楽天】辰己らは順調に成長も甲子園のスターが伸び悩み

ダイナミックな守備と強肩が魅力の辰己。打撃には課題が残るが、今後も成長が楽しみだ。写真:滝川敏之

有望な若手選手をどれだけ多くそろえているかがチームの将来を左右する。今回は各球団のU-23、すなわち23歳以下の選手の充実度を、「一軍での活躍度」「個々の選手のポテンシャル」「選手層の厚さ」をそれぞれA~Dの4段階で評価した上で12球団を格付けし、カウントダウン形式で紹介していく(年齢は9月1日時点)。積極補強で優勝争いを演じている楽天だが、一方で複数の高卒ドラフト1位選手が伸び悩んでいる現状もある。

●東北楽天ゴールデンイーグルス:総合評価10位
活躍度:B- ポテンシャル:C 選手層:C

●主なU-23選手
辰己涼介    外野手    23歳
黒川史陽    内野手    19歳
太田光    捕手    23歳
藤平尚真    投手    21歳
津留﨑大成    投手    22歳
オコエ瑠偉    外野手    23歳
安楽智大    投手    23歳
髙田萌生    投手    22歳
堀内謙伍    捕手    23歳
渡辺佳明    内野手    23歳
  2年目の太田、辰己がレギュラーポジションをほぼ確保。すでに24歳だがドラフト1位ルーキーの小深田大翔もリードオフマンに定着し、若手によるセンターラインが固まりつつある。キャンプの時点から卓越した打撃センスで評判となっていたドラフト2位の黒川も、まだ一軍出場はないがイースタン・リーグで打率.271。高卒新人としては上出来以上の結果を出している。黒川が二塁、小深田が遊撃に定着すれば、浅村栄斗を一塁、茂木栄五郎を三塁に回すことができ、将来的なセンターラインはいっそう盤石になる。

 このように若手選手が次々に台頭しているので、育成能力が高いチームのようなイメージもあるかもしれないが、実際にはそこまでではない。2011~17年にドラフト1位で指名した選手のうち、主軸となったのは13年の松井裕樹だけ。14年の安楽、15年のオコエ、16年の藤平と3年続けて指名した甲子園のスターがいずれも伸び悩んでいる。今季は安楽が中継ぎでよく投げているが、本来であればローテーションの中心になってほしい素材だ。
  もちろん、いずれもまだ若く、見限るには早すぎる。とはいえ、彼らの伸び悩みもあって、U-23で将来のチームを背負って立ちそうな選手がそれほど見当たらないのも事実だ。特に先発投手の育成が思うように進んでおらず、セーブ王のタイトルまで獲得した松井を先発へ再転向させたのも、シーズン途中に中継ぎ左腕の高梨雄平を放出して巨人から高田を獲得したのも、このことが背景にある。
  また、生え抜き大砲の育成というチーム結成以来の課題も解決できていない。今季は25歳の内田靖人が健闘しているがレギュラー獲得には至っておらず、東京六大学屈指のスラッガーだった岩見雅紀も一軍ではほとんど出番がない。そもそも、U-23世代にはそもそも長距離砲系の打者自体がほとんどいない。一軍は現在、首位争いを展開しているけれども、数年後を考えるといささか心許ない状況と言えそうだ。

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。

関連記事(外部サイト)

  • 記事にコメントを書いてみませんか?