【今週のパ・リーグ展望】2位のロッテは分が悪い西武に勝ち越せるか。3位の楽天も正念場

【今週のパ・リーグ展望】2位のロッテは分が悪い西武に勝ち越せるか。3位の楽天も正念場

週末にソフトバンク3連戦を控える楽天。文字通り「負けられない戦い」が続く。写真:滝川敏之

●日本ハム−ソフトバンク(札幌ドーム)
【予告・予想先発】
15日(火)上沢直之−千賀滉大
16日(水)杉浦稔大−二保旭
17日(木)上原健太−東浜巨

 9月4〜6日の2位・ロッテとの3連戦でスイープを許したソフトバンクは、首位陥落もあり得た先週、5勝1敗と圧巻の強さを見せた。ここぞという時の勝負強さはさすが。デスパイネの復帰、伏兵・高谷裕亮の活躍など改めて選手層の厚さを印象付けている。

 そんな中で札幌に乗り込んでの3連戦は初戦がキーになる。ソフトバンクは千賀が先発。上沢との投げ合いは注目したい一戦だ。千賀は先週の楽天戦で、8回零封のベストピッチを見せた。一方の上沢は前回登板こそ土がついたが、5試合連続QSを達成するなど、持ち前の安定感の高さを発揮している。

 借金3で4位の日本ハムははっきり言って後がない。2戦目先発が予想される杉浦は7月21日のソフトバンク戦で6回1失点と好投。3戦目は、金子弌大とのショートイニング登板もあり得るだろう。打線は中田翔が好調で、西川遥輝、近藤健介の出塁が高い。渡邊諒、大田泰示も含め、上位打線に限れば12球団でも屈指かもしれない。それだけに、ビヤヌエバや清宮幸太郎など下位の打者の奮起が求められる
 ●西武−ロッテ(メットライフ)
【予告・予想先発】
15日(火)高橋光成−石川歩
16日(水)内海哲也−小島和哉
17日(木)十亀剣−岩下大輝

 2位ロッテは5勝9敗と分が悪い西武との対戦成績を改善しなければならない。首位のソフトバンクが西武をカモにしているだけに、ここで負けていては差が縮まらないからだ。先発ローテーションを再編して初戦に石川歩を立てるのもそのためだろう。

 西武の初戦先発・高橋光は前回の対戦で7回1死までノーヒットに抑えられている。ここでもやられてしまうと苦手意識につながる。打線をどう組んでいくかも注目したい。マーティンを2番に置くラインナップが機能しているが、14日のオリックス戦は、左のアルバースに対して3番に中村奨吾、5番に清田育宏を置いて攻略に成功した。西武戦でも、このようなフレキシブルな起用が見られるかもしれない。

 西武は前節のソフトバンク戦で4カードぶりに負け越し。投打とも戦略の引き出しが底をついて打つ手がないと言った印象だ。このままズルズルと後退していくのか、意地を見せるのか。辻発彦監督も踏ん張りどころだ。
 ●オリックス−楽天(京セラドーム)
【予告・予想先発】
15日(火)山本由伸−辛島航
16日(水)田嶋大樹−涌井秀章
17日(木)増井浩俊−松井裕樹

 楽天にとって、週末のソフトバンク戦を前にしたオリックスとの3連戦は大事なカードになる。実は5勝6敗と負け越しているやりにくい相手なのだ。

 カギは初戦先発の山本をどう打ち崩すかだろう。茂木栄五郎、鈴木大地、浅村栄斗の中心選手は今季の山本との対戦成績は打率1割台で、ロメロは6打数でノーヒット。一方、島内宏明、小深田大翔は割と当たっている。彼らがポイントになるかもしれない。

 オリックスは先週、2度もノーヒット・ノーランを喰らいそうになった。高橋光成(西武)には8回まで、中村稔弥(ロッテ)には7回まで1本のヒットも打てなかった。しかも、山本と山岡が先発した試合だ。好投手を抱えていても、これでは勝てない。首位打者の吉田正尚に頼りきりの打線はもう一工夫必要だろう。1番・福田周平、2番・ジョーンズ、3番・吉田の並びにしてみてはどうか。吉田を3番に置くことで、ジョーンズにストライクゾーン勝負をさせるのが狙いである。
 ●ソフトバンク−楽天(PayPayドーム)
【予想先発】
18日(金)ムーア−石橋良太
19日(土)大竹耕太郎−岸孝之
20日(日)石川柊太−塩見貴洋

 楽天にとっては、ペナントレースに踏みとどまるためには絶対に負けられない対戦になる。

 だが、先発投手の状況が不透明だ。初戦は選手と同様に石橋でいいとして、2・3戦目が気になる。右手を負傷したエース・則本が復帰するという情報はまだない。岸、塩見と予想したが、中5日になってしまうのをどう考えるか。ソフトバンク戦に強い塩見はここで先発させたいはずだ。

 一方、ソフトバンク初戦先発が予想されるムーアは故障から復帰して以降、安定感が増した。平均150キロ近い快速球を主体とする本来のピッチングができつつある。石川は連勝が6で止まってから2連敗。ただ、13日の西武戦は完投して1失点と調子は決して悪くない。
 ●日本ハム−ロッテ(札幌ドーム)
【予想先発】
18日(金)河野竜生−中村稔弥
19日(土)有原航平−美馬学
20日(日)バーヘイゲン−二木康太

 首位ソフトバンクを追うロッテ、3位浮上を目指す日本ハム、どちらにとっても落とせないシリーズだ。

 初戦の先発は前回登板のオリックス戦で7回までノーヒット投球を継続した中村だろう。2戦目予想の美馬は4番・中田翔との因縁があるが、今季は中田が好調なだけに、インコースを攻め切れるかどうか。今季はここまで6打数ノーヒット。このまま黙らせたい。

 先週は吉田輝星がチャンスを与えられたが、今週もファームから若い投手が上がってくるだろう。即戦力ルーキーと期待された河野は、ここまで8先発で防御率4.64。そろそろ結果を出したい。13日の楽天戦で9失点と炎上してしまった有原は大事な登板になる。バーヘイゲンとともに中5日の登板になるが、まだまだシーズンを終わりにしたくない。
 ●オリックス−西武(京セラドーム)
18日(金)山岡泰輔−ニール
19日(土)山崎福也−ノリン
20日(日)アルバース−松本航

 優勝戦線から後退してしまった両チームだが、少しでもいい試合をして先につなげたい。

 復帰してから4試合目の登板になる山岡は3連敗中ながら、投球内容は改善傾向で、11日のロッテ戦は6回2失点で自責ゼロ。そろそろ今季初勝利を挙げられるだろう。ただ、打線は相変わらずつながりを欠いたまま。この状況が続くなら、思い切って選手を入れ替えることも必要だ。高卒ルーキーの紅林弘太郎、2年目の太田椋など次世代の選手を抜擢するのも選択肢だろう。

 西武は3戦目登板予定の松本が絶好調。13日のソフトバンク戦では7回を零封するなど、8月以降は6先発で防御率1.51とそれまでの不振が嘘のような投球を披露している。一方、捕手の森友哉の状態が心配だ。打撃の調子が上がってこないこともそうだが、先週はマスクをかぶった3試合に敗れ、残りの4試合は勝利している。本人としてはこの現実はきついだろう。どこかできっかけを見つけたい。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

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