【今週のパ・リーグ展望】正念場の楽天は首位ソフトバンクとの「絶対に負けられない」3連戦

【今週のパ・リーグ展望】正念場の楽天は首位ソフトバンクとの「絶対に負けられない」3連戦

則本は一軍復帰登板がいきなりソフトバンク戦。エースらしい投球に期待したい。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

●楽天−ソフトバンク(楽天生命パーク)
【予告・予想先発】
29日(火)則本昂大−千賀滉大
30日(水)涌井秀章−武田翔太
1日(木)松井裕樹−和田毅

 3位楽天がホームに首位・ソフトバンクを迎えての大事な3連戦。楽天は決戦に合わせて強力なローテーションを組んできた。初戦の先発は9月4日以来の登板となる則本。いきなり大一番で投げることになるが、エースの意地に期待したい。2戦目の涌井は8月5日のソフトバンク戦で1安打完封を記録したが、9月9日は逆に5回8失点と大炎上。今回はどんな結果になるか。松井は先週のロッテ戦で5回12奪三振。左打者が多いソフトバンク打線に対し、優位性を生かしたい。一方、打線は週末の西武3連戦で計7点と一斉に沈黙。特に主砲・浅村栄斗は11打数7三振と散々だった。浅村はソフトバンクも打率.227と苦手としているだけに不安が募る。

 ソフトバンクは初戦の千賀がカギだ。昨季の天王山の西武戦では圧巻の投球を見せており、ここ一番での強さは実証済みだ。2戦目先発予想の武田に不安があるだけに、千賀の役割はより一層重要になる。打線は、前節のロッテ戦では上位打線は機能したものの、思うように得点をあげることはできなかった。内川聖一、長谷川勇也、明石健志らの昇格はあるのか。工藤公康監督の決断にも注目が集まる。
 ●日本ハム−ロッテ(札幌ドーム)
29日(火)石川歩−上沢直之
30日(水)小島和哉−バーヘイゲン
1日(木)岩下大輝−上原健太

 首位・ソフトバンクとの天王山に2勝1敗と勝ち越したロッテは、5位・日本ハムと対戦する。今週は下位チームとの対戦が続くが、札幌ドームでは負け越しているだけに慎重に戦いたい。

 日本ハムは前節のオリックス戦で負け越して5位に転落、苦しい戦いが続いている。チームトップの7勝を挙げている上沢も、実は3敗はいずれもロッテから喫している。特にマーティンには8打数5安打、3本塁打と一方的にやられている。角中勝也にも6打数4安打、2三塁打と打ち込まれている。この2人をどうケアするかがカギになりそうだ。

 一方、ロッテ初戦先発の石川も、前回登板は7回途中8失点で3連敗の流れを作ってしまった。今季の対日本ハム戦も、1勝1敗ながら防御率7.82と打ち込まれている。2戦目の小島、3戦目の岩下も日本ハム戦は相性が良くない。日本ハム打線は爆発も沈黙もある不安定さも抱えるが、実力の最大値は高い位置にあるとも言える。派手な打ち合いになる可能性もありそうだ。
 ●オリックス−西武(京セラドーム)
29日(火)山本由伸−高橋光成
30日(水)田嶋大樹−浜屋将太
1日(木)張奕−輿座海斗

 下位に沈む両チームだが、どちらも現在の状態は良好。ようやく思い通りのゲームができるようになってきた。

 オリックスは特に打線が活気に満ちている。27日の日本ハム戦では20安打12得点の暴れっぷり。序盤に4点を先制して追いつかれながらまた突き放した。開幕当初は二軍にいた杉本裕太郎、モヤ、大下誠一郎といったあたりがパワフルな打撃を披露して得点力向上に貢献している。こつこつ当てるばかりで迫力に欠けていた以前のオリックス打線とは見違えるようだ。一方、投手陣では初戦先発の山本が防御率、奪三振で現在リーグトップ。安定感を欠いた時期もあったが、再びトップフォームに戻りつつある。

 西武は高橋光のピッチングに注目したい。前回のオリックス戦(9月8日)は8回までノーノーの快投。この時も投げ合った山本との対戦を楽しみにしているフシがあり、今回も期待が高まる。打線はさまざまなバリエーションを試している段階だ。前節は1番に源田壮亮を据えるなど面白い試みもあったが、サウスポーが相手の時はどんな打順にするか、辻発彦監督の手腕が問われる。ベテラン勢が後押ししてくれているうちに、森友哉、山川穂高ら本来活躍すべき打者たちが状態を上げたいところだ。
 ●ロッテ−西武(ZOZOマリン)
【予想先発】
2日(金)二木康太−ニール
3日(土)中村稔弥−内海哲也
4日(日)美馬学−松本航
 
 2位のロッテは6勝11敗と大きく負け越している西武をホームに迎える。この戦績を改善しない限り、リーグ優勝はおぼつかない。

 初戦の先発は二木だろう。西武戦は今季初登板となるが、昨季は5試合に投げて1勝3敗、防御率は6点台と散々だった。エースナンバーをつけている以上、苦手意識を持ってはいけない。打線では、中村奨吾が今季西武戦で打率.153(59打数9安打)と沈黙。9月に入って調子を落としていることも含め、気になるところだ。

 一方、西武も初戦先発予想ニールがここ2試合で10失点とあまり状態は良くない。ただ、ブルペン陣がここに来て調子を上げている。何とか5回までゲームを作ってくれれば勝機は広がるはずだ。
 ●ソフトバンク−日本ハム(PayPayドーム)
【予想先発】
2日(金)ムーア−杉浦稔大
3日(土)東浜巨−有原航平
4日(日)石川柊太−金子弌大

 首位・ソフトバンクは今後、週末のゲームをどう戦うかがポイントになる。来週はロッテ戦、その次は楽天戦を控えるなど週末に重要な試合が続く。その意味でも、この日本ハム戦は意外に重要なシリーズとなる。

 初戦先発予定はムーア。8月29日の一軍復帰以降、5試合続けて自責点2以下と安定感を発揮している。先週のロッテ戦も、失策がらみで6失点したものの8回途中まで投げた。パ・リーグは左の好打者が多いだけに、終盤戦のキーマンとなりそうだ。東浜も復帰後3連勝と好調。日曜日は石川が上がってきそうだ。

 一方、日本ハムは先発予想が難しい。マルティネスは抹消されたばかりで、杉浦やルーキーの河野竜生が昇格するかもしれない。2戦目の有原は、ソフトバンク戦は今季3戦3敗ながら防御率は2.74と内容が悪いわけではない。「4度目の正直」で勝ち星を手に入れたいところだ。
 ●オリックス−楽天(京セラドーム)
2日(金)山岡泰輔−塩見貴洋
3日(土)増井浩俊−石橋良太
4日(日)宮城大弥−岸孝之

 楽天は最下位・オリックスに6勝8敗1分と負け越し中。しかも、9月に限れば得点(87)、防御率(4.56)ともリーグワーストと苦しい戦いが続く。だが、CS圏内を死守するためにもこのカードは勝ち越したい。

 初戦先発は塩見が務めるだろう。前回登板からカード頭に回ったが、投手陣の順列からすれば当然かもしれない。意気に感じて投げてほしい。3戦目は岸が一軍再登録か。今季はここまで5先発で防御率7点台と不振を極めているが、何とか意地を見せたい。

 一方のオリックスは、前週登板したアルバースと山崎福也が登録抹消。土曜日は増井と予想したが、日曜日は若手投手が抜擢される可能性も十分ある。そのうちの一人として挙げられるのが、ドラフト1位ルーキーの宮城大弥だ。ファームでは11試合で5勝2敗、防御率は2.90と好成績を残している。同じ高卒ドラフト1位投手の佐々木朗希(ロッテ)、奥川恭伸(ヤクルト)より先に一軍デビューなるか注目したい。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

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