【ワイルドカード・シリーズ展望:ナ・リーグ】“打”のブレーブスと“投”のレッズはどちらに軍配?パドレスvsカーディナルスの新旧スター対決にも注目!

【ワイルドカード・シリーズ展望:ナ・リーグ】“打”のブレーブスと“投”のレッズはどちらに軍配?パドレスvsカーディナルスの新旧スター対決にも注目!

ドジャースとブルワーズには18年のMVPであるベッツ(右)とイェリッチ(右)がそれぞれ在籍しているが、今季の成績は明暗が分かれている。(C)Getty Images

いよいよ明日(現地時間29日)、2020年ポストシーズンが開幕する。まず最初は、両リーグでそれぞれ8チームが3試合制(2勝先取)でしのぎを削るワイルドカード・シリーズからだ。ここでは、ナ・リーグの4つのカードの見どころを紹介する。

▼ドジャース(西地区1位)vsブルワーズ(中地区4位)
 両チームの対戦は、過去2年ともドジャースの4勝3敗だが、チームとしてはほぼすべての点でドジャースがブルワーズを上回る。リーグ3位タイの16本塁打を放ったムーキー・ベッツとAJ・ポロックをはじめ、ドジャースには2ケタ本塁打が5人いる。一方、ブルワーズはケストン・ヒウラ(13本)とイェリッチ(12本)の2人だけ。昨年は打率.329で首位打者に輝いたイェリッチは今季.205、昨季.303だったヒウラも今季は.212と不振だった。

 さらにブルワーズはエースのコービン・バーンズの故障が痛い。これで頼りになる先発投手はブランドン・ウッドラフだけになってしまった。一方のドジャースは、若いながらもプレーオフに強いウォーカー・ビューラーと、サイ・ヤング賞3度のエース、クレイトン・カーショウがいる。もっともカーショウはポストシーズンに弱い“逆シリーズ男”として有名で、ブルワーズに付け入る隙があるとすればその点か。
 ▼ブレーブス(東地区1位)vsレッズ(中地区3位)
 ブレーブスは、本塁打と打点の二冠を獲得したマーセル・オズーナをはじめ、フレディ・フリーマン、ロナルド・アクーニャJr.とOPSリーグトップ5に3人がランクインした強力打線を擁し、348得点はリーグ2位。それに対し、レッズは(90本)こそリーグ4位だが、243得点はリーグワースト3位だ。この点で、9月の出塁率が.456のリードオフマン、秋山翔吾にかかる期待は小さくない。

 一方、先発投手陣に関してはレッズの方が上だろう。サイ・ヤング賞候補のトレバー・バウアーを筆頭に、ルイス・カスティーヨ、ソニー・グレイも好成績を残している。それぞれが本領を発揮すれば、ブレーブスの打線でも攻略は容易ではない。ブレーブスは救援防御率がリーグ2位とブルペンは強固だが、初戦に先発するエースのマックス・フリードは9月下旬に捻った左足首の状態が懸念される。なお、ポストシーズンの対戦は1995年のリーグ優勝決定シリーズ以来。この時はブレーブスが4勝0敗で勝ち上がったが、今回はどうなるか。
 ▼カブス(中地区1位)vsマーリンズ(東地区2位)
 カブスはいずれも防御率リーグトップ10にランクインしたダルビッシュ有とカイル・へンドリクスのダブルエースを擁する。しかし一方のマーリンズも、驚異の新人シクスト・サンチェスをはじめ先発投手陣はまずまず。特に次代のサイ・ヤング賞候補にも挙げられるサンチェスは、ハマった時の爆発力はダルビッシュにも引けを取らない。打線はどちらもイマイチなので、投手陣の出来がシリーズを左右しそうだ。

 カブスは初戦がへンドリクス、2戦目にダルビッシュを投げさせるようだが、この順序がどう出るか。ヘンドリクスは打たせて取るタイプのピッチャーなので、バックの守備に左右されやすいのが難点。ダルビッシュもポストシーズンでは通算防御率5.81で、カブスが初戦を落とすと若手の多いマーリンズを勢いづかせることになりかねない。
 ▼パドレス(西地区2位)vsカーディナルス(中地区2位)
 このカードは、新旧勢力の激突といった感もある。パドレスの象徴は21歳のフェルナンド・タティースJr.だ。本塁打17本はリーグ2位、11盗塁は4位で、ファインプレーを幾度も見せるなど走攻守に躍動。28歳のマニー・マチャドとともに打線の中軸を形成し、MVPの呼び声も高い。一方、カーディナルスでは39歳のアダム・ウェインライトがリーグ8位タイの5勝、リーグ10位の防御率3.15と復活を遂げた。ほぼ全登板でバッテリーを組んだヤディアー・モリーナも38歳で、中軸のポール・ゴールドシュミットも33歳と老成したチームである。

 チーム防御率3.92はリーグ4位な反面、OPS.694はワースト2位と投高打低のカーディナルスと違い、パドレスは両方とも5位以内と投打とも充実しているが、先発投手の故障が気がかりだ。9月下旬にディネルソン・ラメットが右上腕、マイク・クレビンジャーが右ヒジを痛めた。現時点ではラメットが初戦、クレビンジャーが3戦目に投げる見込みだが、2人揃って本来の投球ができない場合は苦しくなる。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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