ワールドシリーズの組み合わせは全部で「4通り」。そのうち最も注目されるのは当然…

ワールドシリーズの組み合わせは全部で「4通り」。そのうち最も注目されるのは当然…

最注目はアストロズvsドジャースのカード。17年のサイン盗みスキャンダル始まる因縁で、今年7月28日には一触即発の事態にもなった(写真)。(C)Getty Images

16チームが進出したポストシーズンも、2ラウンドが終わって12チームが姿を消し、残っているのは4チーム、ア・リーグがレイズとアストロズ、ナ・リーグはドジャースとブレーブスとなった。これにより、ワールドシリーズの対戦カードは4通りに絞られた。

 中でも、実現すれば注目を集めるのが、アストロズ対ドジャースだ。このカードは、アストロズが初優勝を飾った2017年の再戦となる。当時のアストロズは相手バッテリーのサインを盗んでいたことが、後に発覚。ダルビッシュ有(現カブス)が2登板とも2回途中でマウンドを降りることになったのも、これが理由だったと思われる。

 さらに、現在のドジャースにはジョー・ケリーがいる。今年7月のアストロズ戦で、ケリーはアレックス・ブレグマンとカルロス・コレアの頭近くに投げ込み、コレアから三振を奪ってダグアウトへ戻る際には嘲るような仕草をしながら挑発の言葉を発した。17年当時、ケリーはドジャースではなくレッドソックスにいたが、こちらも地区シリーズでアストロズに敗れている。このシリーズで2試合に投げたケリーは、計2.2イニングで防御率0.00ながら、対戦した11人中4人にヒットを打たれた。その2本目のヒットで、引き継いだ走者3人のうち2人にホームインされた。

 また、アストロズのダスティ・ベイカー監督は昨オフに就任したため、サイン盗みとは無関係だが、ドジャースとは縁がある。1976〜83年にドジャースで外野手としてプレーし、81年のワールドシリーズ優勝は、レフトの守備位置でその瞬間を迎えた。ただ、現在アストロズはレイズに3連敗。ドジャースもブレーブスに連敗していることもあって、このカードの実現性は低くなってきた。
  他の3カードは、どれもワールドシリーズでは初顔合わせとなる。ただ、アストロズが12年まではナ・リーグにいたこともあり、ポストシーズンの「アストロズ対ブレーブス」は5度を数える。すべて地区シリーズで、最初の3度(97、99、01年)はブレーブスが3勝を挙げ、アストロズは1勝(9敗)しかできなかったものの、その後の2度(04、05年)はアストロズが3勝2敗と3勝1敗で制した。ベイカー監督にとっては、ブレーブスも古巣だ。67年のドラフトで入団し、翌年にメジャーデビュー。75年のオフにドジャースへトレードされるまで在籍した。

 一方、ドジャースの編成責任者であるアンドリュー・フリードマンからすると、「ドジャース対レイズ」は新旧チームの対戦だ。レイズのGMだったフリードマンは、14年のオフにドジャースへ移った。レイズのブレイク・スネルやケビン・キアマイアーは、フリードマンがGMとしてドラフトで指名した。

 最後に、「ブレーブス対レイズ」で目につくのは、ブレーブスのトラビス・ダーノウだ。前年はレイズにいたので、現レイズ投手陣の多くは、ダーノウとバッテリーを組んでいる。レギュラーシーズンでは自己最高の打率.321/OPS.919を残し、マーリンズとの地区シリーズでも打率.600、2本塁打と打撃好調。もしこのカードが実現した場合は、古巣への“恩返し”に期待したいところだ。

文●宇根夏樹
【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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