コロナ禍で今季のMLBはルーキーが大量にデビュー!中にはポストシーズンの大舞台でデビューした新人も……

コロナ禍で今季のMLBはルーキーが大量にデビュー!中にはポストシーズンの大舞台でデビューした新人も……

キリーロフ(右)、マクラナハン(左)、ウェザーズ(右)と、3人のルーキーがプレーオフの大舞台でメジャーでの第一歩を刻んだ。(C)Getty Images

筒香嘉智(レイズ)と秋山翔吾(レッズ)、山口俊(ブルージェイズ)を含め、今シーズンにメジャーデビューした選手は、実に212人を数える。162試合だった昨シーズンが261人だったことを思えば、非常に多い数字だ。もちろん、新型コロナウイルスの感染拡大による異例のシーズンだったことがその要因で、マーリンズやカーディナルスで集団感染が発生したことも後押しとなった。

 さらに異例なことに、212人の中にはレギュラーシーズンの出場が皆無のまま、ポストシーズンで初めてメジャーの試合に出場した選手も含まれている。それも、1人だけではない。アレックス・キリーロフ(ツインズ)は、ワイルドカードシリーズ第2戦で「6番ライト」としてメジャーデビューし、2打席目に“メジャー初ヒット”を記録した。

 シェーン・マクラナハン(レイズ)は地区シリーズ第1戦で、9回表2死一塁からメジャー初登板。最初の2人を内野安打と四球で出塁させたが、首位打者のDJ・ラメイヒュー(ヤンキース)を投手ゴロに仕留め、得点は許さなかった。パドレスのライアン・ウェザーズの“メジャー初登板”も地区シリーズ第1戦で、3回裏の途中から1.1イニングを投げ、被安打ゼロ、与四球2の無失点に抑えた。
  1903年に最初のワールドシリーズが行われてからこの3人が現れるまで、ポストシーズンでメジャーデビューした選手は2006年リーグ優勝決定シリーズ第3戦のマーク・カイガー(当時アスレティックス)と、15年ワールドシリーズ第3戦のアダルベルト・モンデシー(ロイヤルズ)しかいなかった。

 この2人のうち、モンデシーはラストネームからも窺えるとおり、ドジャースで野茂英雄とチームメイトだったこともあるラウル・モンデシーの息子だ。今シーズンはリーグ2位のディラン・ムーア(マリナーズ)の2倍となる24盗塁を記録し、盗塁王を獲得した。一方、カイガーがメジャーの試合に出場したのは、06年のリーグ優勝決定シリーズ第3戦と第4戦だけ。どちらも1イニング守っただけで打席に立つことはなかった。

 カイガーは02年の5巡目・全体158位だった。正二塁手のマーク・エリスの怪我がなければ、ポストシーズンのロースターに入ることはなかっただろう。それに対して、今年の3人が、カイガーのようにトリビアのみに名を残し、球界から消えていくことはないだろう。いずれも、ドラフト入団は1巡目。キリーロフは16年の全体15位、マクラナハンとウェザーズは18年の31位と7位。いずれも各チームで有数のプロスペクトと評価されており、今回の大舞台でのお披露目は、いつか“伝説の序章”と言われる日が来るかもしれない。

文●宇根夏樹
【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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