【今週のセ・リーグ】本塁打、安打、防御率のタイトル争いが熾烈!“味方”を助けられるチームはどこ?

【今週のセ・リーグ】本塁打、安打、防御率のタイトル争いが熾烈!“味方”を助けられるチームはどこ?

阪神の大山(左)と広島の鈴木(右)。本塁打王争いを展開する2人が甲子園で対決する。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)、産経新聞社

●中日−DeNA
(20〜22日/ナゴヤドーム)


 巨人の優勝マジックは「7」。今週にもセ・リーグ制覇が決まる可能性があるが、それは週後半の注目カードで言及するとして、熾烈になってきたのが、個人タイトル争いだ。前週で取り上げた部門が、この1週間で熾烈さを増してきた。

 リーディングヒッターと最多安打を独走するのはDeNA佐野恵太。昨年までは代打メインだったが、筒香嘉智のメジャー移籍を機に定位置を獲得すると、レギュラー1年目ながら“キャプテン”を任され、見事にその期待に応えている形だ。タイトルを獲得すればドラフト9位からの大大下克上。

 球団の最下位指名からのタイトル奪取となれば、宮崎敏郎以来となるが、さすがにドラフト9位は史上初めてのことだ。その年のドラフトで1番最後に読み上げられた選手としては元ロッテの福浦和也が有名だが、佐野は最後ではないものの「9位」からの下克上は凄まじい。

 もっとも、佐野の二冠に待ったをかけているのが、中日のリードオフマン・大島洋平だ。何と先週だけで23打数14安打の驚異的な追い上げを見せ、シーズン安打数128本は佐野と「3」まで迫っている。佐野はこの間に4本塁打を放った一方で安打数は5本にとどまった。そんな両者が今節に対戦する。先に打席が回ることが多い大島が安打を放つことで、佐野にプレッシャーをかけることもできる。熾烈な2人の争いに注目したい。
 ●阪神―広島
(20〜22日/甲子園球場)


 2位・阪神と5位・広島の対決は大した注目はないが、両主砲の打棒からは目を離すわけにはいかない。大山悠輔と鈴木誠也だ。本塁打王争いでトップに立っているのが、大山の「26」本塁打。前週は25本で、岡本和真(巨人)と並んでいたが、大山が1本放ってリードした。対広島戦は8本塁打をマークしているお得意様で、今節の先発予定の遠藤淳志から2本、九里亜蓮から1本を放っており、そのリードを固めるかもしれない(他の選手は一軍外)。

 しかし、大山と岡本の争いに、鈴木が一気に食い込んできた。先週頭の時点では21本塁打で差があったのだが、一気に3本塁打をマーク。阪神戦では19試合で打率.333、OPS1.014と好相性ではあるのだが、甲子園の6試合では打率.238、2本塁打と特別得意にしているわけではない。広い甲子園を舞台にして、大山VS鈴木のどちらがアーチをかけるだろうか。
 ●ヤクルトー巨人
(20〜21日/神宮球場)


 前回登板で「13」で連勝がストップした巨人のエース・菅野智之。ローテーションを再編するという情報もあるが、そのままの登板なら、大事な一戦になることは間違いない。このままズルズルと行きたくないはずである。
 
 菅野が敗れた広島戦は6回を投げて自責点3。QS(6イニング以上を投げて自責点3以下)を達成したものの、タイトル争いという点では、これは決して好投とは言えなかった。防御率が1.89→2.02と悪化し、完封勝利を挙げた中日・大野雄大(2.07→1.92)に抜かれてしまったのだ。すぐ後ろには、阪神・西勇輝(2.03)も控えており、ほぼ確実としている優勝とは別に、こちらは1点が命取りになる。

 今節対戦することが濃厚な対ヤクルトは3戦2勝だが、防御率は3.66とやや苦労している。しかも、神宮球場では4.97と相性が悪く、昨年4月には“平成最後”の三者連続アーチを食らったことも記憶に新しい。ここで連敗するのは避けたいところだし、防御率をあげるわけにはいかないのである。
 ◎その他の注目カード
 注目は巨人―阪神戦。実は巨人は先週1勝しかしていないのだが、どんどん周りがこけていくからマジックは減っている。前半節の成績次第だが、この節で巨人のリーグ制覇が決まるかもしれない。

 本拠地での開催だけに、巨人としてはここで胴上げを果たしたいだろう。東京ドームでの対阪神戦は8勝1敗と大きく勝ち越しているだけに期待は高い。金曜日の阪神先発はここまで4戦0勝3敗、防御率1.47と苦戦している西だから全勝は厳しいかもしれないが、残り2つのどちらかで優勝が決めたい

 新人王争いは広島・森下暢仁、巨人・戸郷翔征がともに8勝で並んでいる。内容面は森下がほぼすべての項目でリードしているだけに、戸郷としては先に10勝を挙げて印象面を強くしたいはず。雨天中止の関係で、前半週に戸郷が回る可能性がある。先に登板して、森下にプレッシャーをかけたい。

 森下は今節・DeNA戦に登板予定だ。実は唯一、リーグで勝利を挙げていない相手で、対戦防御率は3.66と他チームよりは苦しんでいる印象。ただ、横浜スタジアムではまだ1点も取られていないため、賞レース争いをリードできるだろうか。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

関連記事(外部サイト)