【2020ドラフト展望:楽天】次代のエース候補獲得が絶対命題。長打力を備えた外野手も補強ポイント

【2020ドラフト展望:楽天】次代のエース候補獲得が絶対命題。長打力を備えた外野手も補強ポイント

大学進学から一転、プロ入りを表明した高橋。楽天にとっては喉から手が出るほど欲しい人材だろう。写真:徳原隆元

いよいよ26日に迫った2020年ドラフト会議。各チームの育成状況や弱点を踏まえた上で、「誰を指名するか」ではなく「誰を指名するべきか」という観点からドラフトを展望する。先発投手の高齢化が進む楽天は、次代のエース候補獲得が求められている。

【2020年ドラフトのテーマ】
・数年後のエースとなり得る投手の獲得
・長打力を秘めた外野手の獲得


 抽選で引き当てた2013年の松井裕樹や14年の安楽智大だけでなく、ここ3年もクジを外しはしたが、清宮幸太郎、藤原恭大、佐々木朗希と、楽天は毎年、注目度の高い高校生を1位で入札している。その方針に変わりがないのなら、今年の1位指名は高校ナンバーワン投手の高橋宏斗(中京大中京高)になるはずだ。

 石井一久GMはすでに1位候補を投手2人、野手1人に絞ったことを明言し、投手では早川隆久(早稲田大)、野手では佐藤輝明(近畿大)を指名する可能性も十分ある。ただ、一時は大学進学が濃厚と見られた高橋が一転してプロ志望届を出したことは楽天にとっては言わばチャンス到来でもある。今年も従来の方針を貫くのではないか。
  現在の先発ローテーションは則本昂大が29歳、涌井秀章が34歳、岸孝之が35歳とベテランばかり。松井は結局リリーフに戻ってしまい、安楽や藤平尚真は成長しきれていない状態で、主力投手の高齢化が進んでいる。こうした状況を考えれば、数年後のエースとなり得る人材が絶対に必要なことは明らか。競合が確実視される高橋をもし抽選で外してしまったとしても、外れ1位で中森俊介(明石商高)や山下舜平太(福岡大大濠高)を指名できれば上出来だろう。

 また、今年は地元の東北に大学・社会人の好投手が揃っている。大道温貴(八戸学院大)を筆頭に宇田川優希(仙台大)、佐々木健(富士大→JR東日本)、山野太一(東北福祉大)らの中から最低一人は2〜4位あたりで指名したい。もちろん東北枠にこだわる必要はなく、他に優れた選手がいるのに優先的に指名するのは厳禁だが、評価に見合った順位で残っているならば積極的に取るべきだろう。
  野手に目を移すと、慢性的な長打力不足がなかなか解消されていない。今季はリーグ2位の本塁打数を記録していとは言っても、半数以上を浅村栄斗とロメロの2人で稼いでいる。生え抜きの大砲候補は、内田靖人にしてもオコエ瑠偉や岩見雅紀にしても確固たる結果を残せていない状態だ。

 現状、内野はレギュラーがほぼ固定できているので、外野手でスケールの大きい打者が欲しい。2位以下で獲得できそうな選手としては、大学・社会人なら今川優馬(JFE東日本)が第一候補。高校生では来田涼斗(明石商高)、西川僚祐(東海大相模高)、元謙太(中京高)らの名前が挙がる。
  年齢的なバランスでは、育成選手を除けば22歳以下で二遊間を守れるのが黒川史陽しかいない点が気になる。そこで、下位でもいいから、高卒の遊撃手を1人は指名しておきたい。智弁和歌山高で黒川の1年後輩になる細川凌平、地元の逸材である入江大樹(仙台育英高)あたりが狙い目か。

 ここ数年、FAで積極的に補強を展開している楽天だが、やはりチーム作りの根幹は育成。その意味でも、石井GMの手腕が問われる重要なドラフトになるだろう。

【表】楽天 ポジション別年齢分布

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。

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