パ・リーグの各タイトルが決定!柳田、近藤を抑えて吉田が戴冠。千賀は投手三冠を達成、周東&石川の育成組が快挙

パ・リーグの各タイトルが決定!柳田、近藤を抑えて吉田が戴冠。千賀は投手三冠を達成、周東&石川の育成組が快挙

熾烈なタイトル争いに終止符。果たして誰がタイトルを獲得した? 写真:徳原隆元(吉田、浅村、柳田)、滝川敏之(千賀)

パ・リーグは9日、今季のレギュラーシーズン全日程が終了。チーム順位は先日すでに決まっていたが、タイトル争いでは数部門が混戦模様だった。果たして、各スタッツでトップに立ったのは誰だろうか?※丸数字は獲得回数

<打撃部門>
【首位打者】
・吉田正尚(オリックス)@/打率.350

 2018年に打率リーグ4位(.321)、昨年は2位(.321)ときて、ついに吉田が“バッティングチャンピオン”に輝いた。開幕14試合目に打率3割に復帰すると、以降は一度も下回らず、9月9日には.379まで上昇し、「打率4割」の夢を見させてくれた。492打席で72四球、三振はわずか29個という打席アプローチは、驚異的という言葉では形容できないほど。オリックスの生え抜き選手では、2000年イチロー以来の首位打者獲得となった。

【最多本塁打】
・浅村栄斗(楽天)@/32本塁打

 最終盤まで行方が分からなかったのが、この部門。浅村が最後の9試合で一本も打てぬ間に中田翔(日本ハム)が迫っていたが、どうにか逃げ切った形だ。浅村が本塁打を打った試合でチームは24勝5敗、勝率.828、まさに主砲の仕事を果たしている。しかも、強打の選手が少ない二塁でこれだけの数字を残しているのだから、球界屈指の“ゲームチェンジャー”と呼んでもいいのではないか。

【最多打点】
・中田翔(日本ハム)B/108打点

 開幕から好調な打撃をキープし、4年ぶり自身3度目の打点王を獲得。得点圏打率は3割に満たないものの、「凡打でも得点を稼ぐ打撃」が身上の4番のために、1番・西川遥輝(出塁率.432)、3番・近藤健介(.465)がチャンスで回し続けてくれたのが大きかった。2位の浅村栄斗(楽天)は6月27日の日本ハム戦で球団新記録の1試合7打点を挙げるなど、序盤は数字を積み上げていたが、10月15日以降は15試合で打点ゼロと、チームとともに失速した。
 【最多安打】
・柳田悠岐(ソフトバンク)@/146安打

“怪物ギータ”が意外にも初の最多安打のタイトルをゲット。この選手の場合はただヒットを打つのではなく、その中身も凄い。29本塁打がリーグ3位、長打率.616は2位の浅村栄斗(楽天)に60ポイント以上の差をつけてダントツ1位。OPS1.063も両リーグトップの数字で、OPSは長期離脱した昨季を除き、2015年から5度目の1位になっている。

【最高出塁率】
・近藤健介(日本ハム)A/出塁率.465

 吉田正尚(オリックス)、柳田悠岐(ソフトバンク)との超ハイレベルの“出塁マシーン”対決を制し、近藤が2年連続で最高出塁率に輝いた。108試合で出塁できなかったのはわずか7試合、代打で連続出塁が33試合で止まったことがあったが、終盤には再び26試合連続出塁も記録。出塁率.465は三冠王を獲得した2004年の松中信彦(元ダイエー)を抜いて歴代11位になった。シーズン5本塁打の選手が並み居るスラッガーに交じって上位に入った事実が、近藤の選球眼の良さを証明している。

【最多盗塁】
・周東佑京(ソフトバンク)@/50盗塁

 侍ジャパンの“代走のスペシャリスト”が、育成出身者では初の盗塁王に輝いた。7月まではわずか2盗塁だったが、課題の打撃が進歩してレギュラーになると、異常なペースで塁を奪い続けた。10月16日から30日にかけて、福本豊(元阪急)の持つ11試合連続盗塁のプロ野球記録を更新しただけでなく、メジャー記録を塗り替える13試合まで数字を伸ばした。ただ走るのではなく、成功率89.3%も両リーグ10盗塁以上の23選手中でトップだった。
 <投手部門>
【最優秀防御率】
・千賀滉大(ソフトバンク)@/2.16

 11月4日のロッテ戦、千賀は7イニング以上を自責点0に抑えて勝ち投手となり、9三振以上を奪えば「最優秀防御率」「最多勝」「最多奪三振」のタイトルが見える登板だったが、そのすべてを完璧にクリア。防御率リーグ1位だった山本由伸(オリックス/2.20)が最後に投げないことが決まっており、ライバルは翌日に登板を控えておいたチームメイトの東浜巨だったが、まさかの6失点炎上で“無事”に戴冠した。2年連続のタイトルを目指した山本は、自身最終登板の10月20日楽天戦で、味方の守備が交錯する間に2点を失ったプレー(エラーはつかず)が響いた形に。

【最多勝利】
・涌井秀章(楽天)C/11勝
・千賀滉大(ソフトバンク)@/11勝
・石川柊太(ソフトバンク)@/11勝

 やはりこの部門は涌井の話ぬきには語れないだろう。ロッテから加入したベテラン右腕は開幕から8連勝のロケットスタートを記録し、チームの開幕ダッシュに大きく貢献。その後は疲れもあって失速したものの、自身4度目の最多勝は史上初の3球団での達成となった(西武2回、ロッテ1回、楽天1回)。そして“最終戦マジック”で最多勝を手にしたのが石川だ。11月9日の西武戦で4回からマウンドに上がって3回を無失点に抑え、勝利投手となり、チームメイトの千賀にも追いついた。

【最多奪三振】
・千賀滉大(ソフトバンク)A/149奪三振
・山本由伸(オリックス)@/149奪三振

 防御率のタイトルを逃した山本だが、22歳にして奪三振王を獲得したのはさすがだろう。もっとも、昨年にプロ野球新記録の奪三振率11.33を樹立した千賀は、今年も奪三振率11.08を残し、個数では並んでいる山本(10.59)を凌駕。ちなみに、山本の対ソフトバンク戦の成績は6試合(40.0回)で防御率2.48、41三振、奪三振率9.23。千賀のオリックス戦の成績は6試合(39.2回)で防御率1.59、49三振、奪三振率11.12だから、結果的に防御率も奪三振数も「オリックス」がカギを握っていたのかもしれない。
 【最高勝率】※10勝以上の選手が対象
・石川柊太(ソフトバンク)@/勝率.786

 石川が最多勝と最高勝率の二冠を達成した。例年であれば最高勝率は13勝以上が対象だったが、コロナ禍で試合数が減ったことで、今季は10勝以上が条件。11月9日のシーズン最終戦で石川が4回から登板して勝ち投手(11勝3敗)となり、勝率.786でリーグ1位に。こちらも惜しかったのがチームメイトの東浜巨で、自身最終登板での炎上により規定投球回も1イニング足りず、防御率も最高勝率(9勝2敗、勝率.818)も逃す形に。

【最多セーブ】
・増田達至(西武)@/33セーブ

 森唯斗(ソフトバンク/32セーブ)、益田直也(ロッテ/31セーブ)との熾烈な争いから、最後は増田が抜け出して初のセーブ王を獲得。33セーブ目を挙げた11月3日の日本ハム戦は、通算136セーブ目となり、豊田清投手コーチが持つ球団記録を更新する節目にもなった。国内FA権を取得している右腕を巡っては、争奪戦が繰り広げられそうだ。

【最優秀中継ぎ】※HP=ホールドポイント
・モイネロ(ソフトバンク)@/40HP

 毎年好成績を残しながら、キューバ代表招集もあって完走できなかった左腕が見事にタイトル獲得。45登板で三振が奪えなかったのは5試合だけ、3つのアウトがすべて三振だったのは8試合もあり、奪三振率14.44は50投球回以上で歴代ベストを更新した。2位の平良海馬(西武)も54試合で34HP、防御率1.87、開幕から“一人ノーヒットノーラン”を記録するなど素晴らしい成績を残したが、惜しくも及ばなかった。

構成●SLUGGER編集部

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