「よく3点に抑えてくれた」エース・千賀滉大の“奮投”に工藤監督が称賛!ソフトバンク、日本シリーズ進出王手

「よく3点に抑えてくれた」エース・千賀滉大の“奮投”に工藤監督が称賛!ソフトバンク、日本シリーズ進出王手

千賀"粘投"を工藤監督が称賛

「よく3点に抑えてくれた」エース・千賀滉大の“奮投”に工藤監督が称賛!ソフトバンク、日本シリーズ進出王手

勝ち星とはならなかったが、エース・千賀の“奮投”で日本シリーズ進出王手をかけた。写真:産経新聞社

コロナ禍の影響で、今年のCSは3戦先勝のワンステージ制。リーグ優勝のソフトバンクには、1勝のアドバンテージがある。だから、初戦で勝ちか引き分けなら、日本シリーズ進出へ王手がかかる。

 その大事な“開幕”を担ったエース・千賀滉大は7回3失点。QS(クオリティ・スタート)の基準は、きっちりとクリアした。自身に勝ち負けはつかなかったが、3―3の同点のまま、8回からセットアッパーのモイネロにつないだ。CSの先陣を切る先発投手として、そしてチームのエースとして、合格点の働きだろう。

「体にしんどいところもあったと思うけど、7回までよく投げた。第1戦というのは、非常にプレッシャーがかかる試合だったと思うけど、よく3点に抑えてくれた」と工藤監督は、逆転勝利を呼び込む“粘投”を見せた、その立役者をたたえた。
  プレーボール直後の第1球は、この日最速の159キロ。1回に投じた12球のうち、150キロ超は8球と、渾身のパワーピッチでまずは三者凡退。しかし、2回2死から中村に中前打を許すと、続く安田に136キロのフォークを右翼テラス席に運ばれる先制2ランを浴びた。

 150キロ台をコンスタントにマークするストレートには、伸びが感じられた。ところが、フォークやカットボールが、どうもうまく操れていない。捕手の甲斐も、リードに苦心したのだろう。ストレートをフィニッシュに逆算した組み立てをしていくと、どうしても変化球を挟まざるを得ない。その“キレのない変化球”を、ロッテも狙い打ってきた。3回から6回まで、毎回先頭打者にヒットを打たれたが、3回の藤岡は4球目137キロのフォーク、4回の清田には3球目143キロのスライダー、3点目を許した5回は、田村には2球目130キロのスライダー、6回の清田には7球目140キロのカットボールと、いずれも“真っすぐ以外”の半速球を痛打されている。
  それでも、本塁打を打たれた後の安田に対しては、残る2打席はいずれも150キロ超のストレートで押して、内野ゴロに仕留めた。引いては押しの“引き”は冴えずとも、押すべき“力”で、何とかまとめ上げた7回3失点。被安打8ながら、8三振を奪い、CS歴代1位となる奪三振を「68」まで伸ばした。2010年育成ドラフト同期の捕手・甲斐も「打たれたけど、粘り強く投げてくれた結果だと思う。持ち味のフォークで本塁打を打たれたけど、その後の千賀は、心も折れることなく投げてくれた。さすがだと思いました」。
  そう振り返った甲斐は、同点の8回2死満塁、ロッテ・沢村の152キロ直球にどん詰まり。ボテボテのゴロを遊撃前に放つと、全力疾走で一塁へヘッドスライディング。その執念が実っての決勝内野安打で、4―3の逆転勝利。「先制点を取られてしまったので、いい投球だったとは言えませんが、野手の方が追いついてくれて、本当に力になりました」と決して「自分」を前に出さず、我慢の投球を続けたエースの“奮投”で、ソフトバンクは昨季から、ポストシーズン11連勝。4年連続日本シリーズ進出へ、一気に視界が開けた。

取材・文●喜瀬雅則(スポーツライター)

【著者プロフィール】
きせ・まさのり/1967年生まれ。産経新聞夕刊連載「独立リーグの現状 その明暗を探る」で 2011年度ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。第21回、22回小学館ノンフィクション大賞で2年連続最終選考作品に選出。2017年に産経新聞社退社。以後はスポーツライターとして西日本新聞をメインに取材活動を行っている。著書に「牛を飼う球団」(小学館)「不登校からメジャーへ」(光文社新書)「ホークス3軍はなぜ成功したのか?」 (光文社新書)
 

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